google-site-verification=o_3FHJq5VZFg5z2av0CltyPU__BSpMstXTEV1P8dafg サウンドメモ: ひとくちメモ

カテゴリー「サウンドメモ」の19件の記事

2012/06/23

LOVE沖縄の旅 2012年初夏(3) 自然音

LOVE沖縄2012有機農園トマト

日本返還40周年の小笠原諸島母島に行ったとき自然音を録音してきたんだから、日本返還40周年の沖縄でも当然フィールド録音をする気はありました。相棒の録音機ZOOM H2とリアルヘッドバイノーラルマイクは常に持ち歩いていました。

ただ今回はひとり旅でもなくスケジュールは人任せだったので、フィールド録音をする時間はあまり取れないだろうと思っていました。それでもいくつか録音できました。ロケハンなしの一発勝負ばかり!これも旅の思い出です。

いつものようにココログは1MB超のファイルがアップできないので、簡易画像をつけたYouTube版を作りました。バイノーラル録音なのでイヤホンで聴くと臨場感が増します。

最初はこの波の音からどうぞ。

辺野古にある米軍基地キャンプ・シュワブと沖縄の基地反対運動の象徴的存在となっているテント村の間にある海辺で録音しました。ちょっと風がありましたが凪状態の静かな海でした。

ここに滑走路を作ってしまうという神経が理解できません。辺野古には弾薬庫もあり、駐留部隊は核兵器や化学兵器の整備能力を持っているそうです。近海で戦争が起きれば確実に狙われることでしょう。ジュゴンも住むこの海から、軍用機の爆音によってこの波の音がかき消されないことを願っています。

次は滞在先のひとつだった沖縄北部の農園です。夜更けに真っ暗闇のなかに突っ立って録音しました。

数歩歩くだけでいろんな“演奏”が聴けました。まるでカエルの野外フェスのようでした(笑)。昔はこういう音が自然と聞こえて来ましたが、地方都市レベルでもあまり聞こえません。文明の進化と引き換えに無くなってゆくかもしれない大地の歌声です。それって進化なんでしょうかね?しかし後戻りの出来ないところにボクたちは来てしまいました。だから出来るだけそういう自然音を残していきたいです。

次は同じ農園の朝の自然音です。屋内で布団にもぐって録音してます。画像は音声と関係ありません(笑)。でも一応自分で撮影してきた素材ばかりです。

アカショウビンの鳴き声が好きです。でもなかなかナマで聴く機会がありませんでした。今回のは録音前にはもっと良く鳴いていたのですが、準備をしていたらあまりいい状態では取れませんでした()。「ヒュヒュヒュヒュヒュ」と聞こえましたが「キュロロロロ」と書くほうが一般的かもしれません。

今回のは「遠くでアカショウビン的な声も聞きながら自然の音で目覚める贅沢」がテーマです(笑)。野鳥は鳴く時間がだいたい決まっているので、鳴き声でいま何時くらいかがわかります。そういう生活もあこがれるな。

この農園は有機野菜を作られていて、海外からのワーキングホリデーも受け入れていらっしゃいました。労働時間と引き換えに食事と寝床を提供する契約だそうです。人気があって順番待ちだとか。私たちが訪問したときは、香港から若いカップルが(観光がてら)働きに来てました。

夕飯のときにはこの香港のカップルだけでなく、もう何ヶ月も日本に滞在して旅をしているハワイ在住のご夫婦などもいらっしゃって国際色豊か。日本語、英語、漢字筆談などで盛り上がりました。

私はハワイの紳士が京都のトンカツがめちゃウマだったとおっしゃったので、トンカツにチョコレートを挟む“チャレンジメニュー”もありまっせ!とブロークンな英語でディープな日本食をオススメしておきました。(>何の話やねん!)

動画にも登場しますが、ここでの夕飯のイノシシ鍋こそが今回の旅の目的だったのでした。また記事先頭のタイトルバックにあるミニトマトは、朝取れたばかりの有機栽培トマトです。大きさで選り分けてパッキングするのを手伝いました。

...が、そのパックは我々へのお土産になりました。何から何までありがとうございました!朝沖縄北部で取れた有機栽培トマトをその日の夕飯に埼玉で食べました。距離がこんなに縮まる文明ってヤツは、とんでもなくすばらしいものでもあります…。悩ましい。

以上3本がとりあえず今回公開できるレベルの録音です()。

この農園はガジ丸さんのお知り合いだったから訪問できましたが、なかなか自分で見つけていこうと思っても行けませんね。ガジ丸さんサマサマです。

長期滞在で沖縄に行くならコンドミニアムなんかでゆっくりするというのもいいでしょうね。探してみると結構いいコンドミニアムが見つかります。例えばこんな感じ。安っ!

コンドミニアム シーサー今帰仁
コンドミニアム シーサー今帰仁

今回はいわゆる観光をほとんどしていないので、いつかゆっくり余暇と観光をしたい。Kさんからは離島巡りをしろと言われていますが。いずれにしろ、ゆっくり出来る時間が欲しい…。

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2011/06/26

小笠原諸島母島の波の音 その弐

二日前でしたか小笠原諸島が世界自然遺産に登録されました。私は2008年6月25日に母島へ旅行したのですが、早3年も経ってしまいました。今回は世界遺産となった記念に、前々からの懸案事項でしたhahajima waveの続編をアップしてみます。

昨日は小笠原諸島に続き、平泉文化が世界文化遺産に登録されましたね。私は高橋克彦さんのファンでもあるので平泉文化と聞くと荘厳な気分になります。ま、読むのはSF小説のほうなんですけど。

原発事故による自然破壊が進む我が国ですが、原発さえなければ世界に誇れるすばらしい自然と文化が根付いているのだと思います。それを原発人災事故の年に再認識するのが少し悔しいですが、これらの世界遺産を守れという世界から与えられた日本の責務、象徴となるニュースだったのではないでしょうか。

スライド写真ははっきり言ってつけたしです(笑)。バイノーラルで録音してきた波の音がメインです。イヤホンで聴いてください。

前回は石次郎海岸の音でしたが、今回は母島の北港です。石次郎海岸が万人受けするとすれば、北港は玄人好みじゃないでしょうか。とにかく静か。そして石ころの海岸です。

以前に1分間だけのショートヴァージョンをアップしてましたが、今回はフルヴァージョンです。

この日の天候はめまぐるしく変化しましたが、録音したときはザーザー降りの雨が止んだ直後でした。北港のいいところは桟橋があるところ。この動画でいいますと、1:44の写真の右下に写ってるところです。

ここに立つと全方位が波打ち際になるので、海の上に立っているかのようなポジションになります。ここでヘッドセットのバイノーラルマイクを使って録音してるので、波の音のバイノーラル感が出やすいです。

さらに石ころの海岸なので、凪の波打ち際で石ころに吸い込まれていく水の音が独特な感じで面白いです。録音してる最中は「もう少し波来いよ!」くらいに思っていたんですが、録音してみると本当に凪でちょうどいいなと思います。

また雨上がりを前向きに捉えるなら、小鳥が元気。雨の間は鳴かないけれど、雨上がりには待ってましたとばかりに鳥が歌い始めます。もっともそっちがうるさくなりすぎると邪魔なんですが、北港はいい塩梅でした。

もう港としては使われていない北港。クジラ漁が盛んだったころはここからも船がわんさか出港していったのかな?ひと気のない雨の港なんて演歌の世界ですが、録音にはもってこいのスポットでした。

またこの日、母島を北から南まで走ったレンタルバイクがものすごく気持ちよくて、帰宅後にスーパーカブ110を購入したわけです。またどこかの島をバイクで走りたいなと思って...。そんな記念の北港でした。

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2010/06/26

夏にうるさい音楽はいらない派のあなたへ hahajima wave

(※2011.5.8注:Niftyのビデオ共有機能が2011年6月末で終了してしまうためYouTubeにアップしなおしました。最初からYoutubeにしときゃよかった)

母島へ出発したのは2008年の6月25日でしたから、ちょうど2周年

そのとき録音した波の音をCDに焼いて配ったり有料配信したりしてました。でもネット配信業者が有料配信事業そのものをやめてしまって購入パスがなくなっていました。

そこでまぁ2年経ちましたし無料公開にしてもいいかなと思って。

もともと自然の音なんだから地球に還そうっ

なーんて。崇高な思いつきです(笑)。

音声ファイルだと容量制限でダメなのですが、ビデオにすれば100MBまでアップできるそうなので、撮ってきた未公開写真(笑)を盛り込んでムービーにしてみました。

あれもこれもと旅の写真を時系列につないでいったら初日だけで終わっちゃったんですが()。

好評ならいつか2本目「北港編」も作るかも。


好評じゃなくても作るかも

バイノーラル録音なのでヘッドフォンで聴くのが一番なのですが、BGM的に大音量でリピートさせとくってのもオススメです。


夏にはもってこいです!

音声だけのダイジェスト版はこちら。

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2010/06/13

さらばタイム缶 THE MOVIE

タイム缶と約束の10年間が経過しました。どんな10年が待っているのだろうと思っていたら、タイム缶自身がまさかの展開をしてしまいましたね。名残惜しいので電子紙芝居にしてみました。

音声は一応バイノーラルマイクで録音してます。ヘッドフォンで聴くと途中から頭の周りをオルゴールの音がまわります...。

■過去のタイム缶関連記事
2000.09.12:2010年カップラーメンの旅
2004.03.27:日清TimeCan回収

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2009/08/23

夏旅2009(6) 楠屋鼻への道草

朝食後は雨で早朝散策しなかったというM氏を辻ロータリーへ残し、約1時間の予定で楠屋鼻へ向かった。楠屋鼻とは臼杵湾と津久見湾に挟まれた岬で、途中に津久見島が見える。観光という目線ではまったくなにもない漁村だと思うが、宮本常一目線なオレにはこういう観光で行かないところに行き当たりばったりの面白さを求めたいのだ。

楠屋鼻の路線バス全線開通記念碑求めたいのだが、ほんとうに何もない()。道幅が狭い。しかたがないので車でいけるとこまで行ったら、石碑がひとつあったので撮影。「路線バス全線開通記念碑」だった。撮り終わって振り返ると地元のおばちゃんがいた。

「おはようございます」と挨拶すると、車のナンバープレートを見て「大宮っちゃどこかね?」と聞かれた。おおー!このシチュエーションは、シェルパ斉藤さんのスーパーカブの旅本で読んだ九州旅行と同じじゃないか!そう思いつつ「埼玉県です」と応えた。

このあたりから出たことがないという地元のおばちゃんにこの先に道はないのか聞くと、このあたりの部落どうしの思惑の違いで道がまだつながらないということを詳しくきいたが、お国言葉で半分も聞き取れなかった(笑)。ただ道はここまでだとわかったので引き返すことに。

とりあえず静かで車が通っていないため録音に挑戦してはみたが、船着場はまったく波もなくセミの声ばかりが録れた。そのなかから小島よしおの芸風(ぴーやぴーやぴやー)に似たセミの独演会の模様をお伝えしよう(笑)。そう思って聞けばの話だがっ!ヘッドフォンで聞いてバイノーラル感がわかりやすいように頭の後ろに地元のおっさんの軽トラが着いたシーンより。

楠屋鼻セミの独演会
(MP3/65sec/1018.8KB)

楠屋鼻のコカコーラ自販機の切れロゴあとコカコーラのロゴが切れた自販機と古そうな郵便ポストの写真。切れロゴ研究家としては貴重な1枚だ(笑)。もう二度と来ることもなさそうな漁村の朝の風景だったが、この道草は程よい旅のスパイスとなった。

ちなみに楠屋鼻をググってみると、大分の釣り人にはそこそこ知られたスポットらしい。そういえば途中岩場で釣りしてる人を見かけた。また、古いトンネルファンも惹かれるスポットらしい。オレも思わずトンネルで動画を録った。それもアップしとこう。人類の嗜好の幅はとどまるところを知らないんだな(笑)。

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2009/06/17

バードリスニングという世界があった

フィールド録音目線で、前回「ジブリの風景を録りたい」という発想から里山というキーワードが出てきた。具体的には狭山丘陵がひとつの候補地となってきたわけだが、ここには川がない。

里山の音風景を想像すると、カエルだったり野鳥だったり木々の触れあう音だったりする。なかでも主役は野鳥かも。野鳥といえば日本野鳥の会、バードウォッチングだ。そう思ってフィールド録音と結びつくなにかがないかと探したら、とんでもない大家がいらっしゃることがわかった。蒲谷鶴彦さんだ。

蒲谷鶴彦さんは日本の野鳥録音の第一人者で、「朝の小鳥」というラジオ番組を50年にわたり制作されてきたという。関連情報を探していて見つけたブログ「生録。」によると、残念ながら2007年に亡くなられていた(享年80歳)。しかし貴重な講演記録の音声が残されていた(日光野鳥研究会サイトにて2004年、2005年)。

野鳥録音は「バードリスニング」ともいわれ、野鳥業界では一般的らしい。それも蒲谷鶴彦さんの仕事がルーツとなっているようだ。蛇の道は蛇と申しましょうか、野鳥の道は野鳥の会だねぇ()。

野鳥の鳴き声がわかるとフィールド録音へのモチベーションもスキルもレベルアップしそうじゃないか。子どもの頃は父の趣味で実家に何十羽のインコやニワトリがいた。近所の友人が瀕死の小鳥を抱えてきて対処方法を父に聞いたりしていたものだ。

だが野鳥の鳴き声は正直まったく聞き分けられない。カラス、ドバド、スズメ、ニワトリ、このくらいしか鳴き声わかりません...。大雑把な分類でよければウグイスとかフクロウとかさ(^_^;)。でも川や波の音をバイノーラル録音しにいったとき、野鳥の鳴き声が後で聞こえたり横切ってくれたりすると、心のなかでガッツポーズをしている自分もいた(笑)。

リアルヘッドマイクによるバイノーラル録音という点からすると、専門的なバードリスニングには限界がある。リアルヘッドマイクは自分の両耳にマイクをセットして対象(野鳥)のなかに居る必要があるので、鳥は確実に警戒する。長い時間じっとしていれば野鳥も気にしなくなる可能性はあるが。

だから「バイノーラル録音で野鳥録音をする」という方向性(あるいはオリジナル性)から考えると、そこまで接近して録るよりも、野鳥中心ではあるがその空間の全方位感をパッケージ化するというコンセプトに重点をおきたいと思う。そのなかで左後で鳴いてるのがアオバズクだなとか、いま右前方から左後方へ鳴きながら飛んでいったのはまさしくヒヨドリだなとか、そういうウンチク語りたいじゃん(笑)。

というわけで、バードリスニングというジャンルにはかなり興味を持った。雉も鳴かずば撃たれまいというが、大いに鳴いてほしい(笑)。撃たないからっ!これまで録音した鳴き声の主も特定できたらうれしい。

初めてリアルヘッドバイノーラルマイクを買いにいったとき店頭で聞いたのは、カラスの鳴き声だった。ボクのフィールド録音の原点は野鳥の声だったのだ。そうこじつけつつ、楽しみは膨らんでいくのであった。まずは関東地方の野鳥の声を学ぶとこからはじめよう。

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2009/06/15

ジブリの風景を録りたい

先週、予約しておいたブルーレイ「ジブリの風景」が届いた。昨日の夜、ようやく前半だけ観る事が出来た。BS日テレで放映された番組だったが、いやー良かった!テレビマンユニオン絶好調 日テレ、テレビマンユニオン、ジブリのこの関係が相乗効果出してるよねぇ。BS日テレでは自然散策系のいい番組をいくつも作ってると思う。ジョー奥田さんが明治神宮を歩く「森の旅人」もかなり良かったです。

昨日見た前半は、女優鶴田真由さんがジブリ映画の原風景としての日本を訪ねる内容。もののけ姫、となりのトトロ、千と千尋の神隠し、崖の上のポニョという日本を舞台にした映画のヒントになった場所を、絵コンテを頼りに歩く。なんともマニアックかつ充実の内容だった。鶴田さんはこういう番組にうってつけだね。緒川たまきか鶴田真由かみたいな。出てくると上品な画になる()。

屋久島がすばらしいのはもはや当たり前な世の中だけど、ボクが惹かれたのは狭山丘陵の里山だった。里山ってバブル時代に失われていった日本の風景の典型。それを再生しようという試みが行われていて、トトロの森と名付けられてる。

大都会からちょっと離れただけでこの里山の風景が残っている。いや、残す意志の元に関係者の尽力によって残すことが出来ているのだ。そこにジブリ作品も一役買っているわけで、アニメ映画というだけではない広がりを持っているとこが宮崎駿監督のすばらしいところだと思う。現政権の税金バラ撒きの象徴となりそうな“まんが、アニメの殿堂”建設とはまさに真逆な意志が働いている。

ボクにとっては、新たなフィールド録音ポイントの発見という意味で大きかった。トトロの森の音を記録したい衝動に駆られた。もちろん屋久島に行きたいのは山々なんですけど(笑)。でも関東圏にも探せばまだまだテーマがあるってことが発見できた。

というわけで、またまたジブリのアニメじゃないDVD(ブルーレイ)を購入したわけだが、7月には平原綾香さんもご出演の「久石譲in武道館」とか、まさにドキュメンタリー「ポニョはこうしてうまれた 宮崎駿の思考過程」がブルーレイで発売される!チェックしていきたい。

もうひとつ。鈴木敏夫プロデューサーの「ジブリ汗まみれ」ってDVDも型破りだ。音声しか入ってない(画像はレンガの壁)。FM放送の録音DVDだ。未公開も含めた40時間以上の対談が収められている。もちろんこれは購入済みなのだが、聞く時間がない()。少しずつ聴いていこうと思う。

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2009/05/31

安谷川渓流CD完成

安谷川清流CD安谷川遊歩道エントランス
(MP3/941KB/60sec)

先週土曜にバイノーラル録音してきた安谷川渓流の編集作業が完了しCDに焼いた。結構狭い範囲だったけれど6パターンくらいを採用した。また編集作業のなかでハイカットフィルターをかましたものなども収録し約46分にまとまった。

自然音録音マニアのなかには、編集作業はフェードイン/アウト程度にして、録音した音をそのまま残すことに重点をおく人もいる。それはそれでアリだと思うけど、ボクの場合は 安眠が最優先なので、いかに自分の耳心地がいいかを模索する。

録音してくるときにはフィルター等は使わずにできるだけそのままの音を高音質で録ってくる。ここはジョー奥田さんの教えを守ってる。防風対策はフィルターに頼らずに出来る限りポイントの選び方で対応したい。そうやって録ってきて、編集作業ではあまり原音にこだわらず聞こえ方中心に作業してる。

だから編集作業ではノーマライズは言うに及ばず、フィルターをいろいろ調節することはある。ただ結局は微風消しくらいに留まることが多い。いい音で録れてるものは触る必要があまりないから。あんまりやりすぎると本当にテクノでノイジーな感じになっちゃうので(それはそれで面白く、完全に自然音じゃなくなる編集をしてみたい衝動にも駆られるが)。

今回、最初にアップしてる「安谷川遊歩道エントランス」は、遊歩道入り口周辺で録音した音のショートヴァージョン。バイノーラル感がわかりやすいように小鳥のさえずりなども入っている部分をカットしてみた。イヤホンで聞いてみてください(音量は半分くらいがいいかも)。

CDのレーベルに使った写真は、遊歩道の木橋(下記写真)の下流側。巨岩のところで流れが湾曲しているとこ。音的にはパシャパシャいう感じでいまいち安眠には向かなかったけど、この曲がり具合がCDレーベルに合いそうだったので写してきた。思い通りのレーベルになって良かった。熊出没注意もぜひ入れたかった()。

安谷川の木橋

●お散歩コース

寺沢川録音が終わってからはお散歩。安谷川の遊歩道を登っていくと「明ヶ指のたまご水」というのがある(熊出没注意看板も)。それしかないうえに私有地だそうなので行くほどのことはなかった。引き返して来た道を戻る。

実は今回、候補地を最終的に安谷川渓谷に決めたのはそば処和味の女将ブログ2007年の写真だった。これもなにかの縁なので、一日49食しか作らないという蕎麦を食べるかどうかまよったのだが、この日はまだ昼食には早かったので食べなかった。次回のお楽しみ!

引き返す途中には、いくつか寺沢方面への分岐がある。遊歩道がちゃんとしていて、遭遇する曲がり角には何かしら道標が出ていて親切なところだ。今回は陽野峠を越えて(というほど険しい峠道では全然ない )、寺沢川のほうへ歩いてみた。

寺沢側は熊倉山への登山ルート入り口へ続く道に出る。熊倉山は1400m級の結構ハードなルートだそうで、ハイキング感覚じゃ行けないらしい。だからそっちへは近寄らず(笑)、駅方面へ。途中“坂トンネル”と呼ばれる矢通反隧道がある。短いけど坂を下るトンネルで面白かった。

トンネルを抜けると子どもたちのグループとすれ違い挨拶。その先に花ハス園がありカエルの合唱。思わず録音開始だ。オンシーズンにはヘイケボタルも自然発生しているそうだ。すばらしい自然が残っているなぁ。

でも録音目線では人もおらずハスも咲かずホタルも来ずというシーズンがいい()。カエルの声と水の注ぐ音と、遠くに電車の踏み切りが鳴り、秩父鉄道の電車が通り過ぎる音。この音のパースペクティブが欲しいのだ。白川郷に続く「昭和な感じの田舎の風景」が録音できた。...とおもいきや、さっきのお子様が「ヘビッ!ヘビー!ヘビー!」と絶叫して(喜んで)いる声が。それはそれである意味風景音として面白かった。公開未定(笑)。

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2009/05/24

バイノーラル録音@安谷川渓流

熊出没注意気力、体力、自由な時間、天気、そして季節の5つの条件が奇跡的に折り合った土曜日、久々のフィールド録音に出かけた。日帰りできる場所で良さげなスポットを探しに探し、アタリをつけた場所は奥秩父。いやー、録音ポイント的にもお散歩にもいいところだった お約束の(?)熊出没注意という看板にもめぐり合えた。

昨年の連休には高麗川の録音に出かけ、そのノリで小笠原諸島母島へも録音旅行に出かけた。我ながらこのときの録音がどちらも予想以上に良い出来栄えで、もう近場で録音スポットを見つけるのは難しいかもと思いつつ、日々Googleの航空写真を眺めていた。最初の高麗川が良すぎて、ハードル上がりまくりなのだ。今回も高麗川再訪にしようかとすら思っていた。

●録音スポットを探す旅(頭の中で...)

航空写真で見つかるような河川というのは川幅も大きくフィールド録音には向かないと思う。せせらぎとか渓流はそういう河川から脇に逸れた支流にあるんじゃないかということに気付いて、そういう場所を探した。さらにサイクリングコースとかそういう雑誌類をめくっているうちに「荒川上流」というコンセプトがふつふつと湧き上がったのであった。

首都圏を還流する全長173Kmの荒川。東京湾のあたりをイメージするとまったく録音気分にはならない。しかし上流域には武甲山や両神山を望み、秩父湖のある秩父山地へとつながる。その荒川にはいくつもの支流があり、まさに渓流の宝庫じゃないか。そう思ってからは荒川に注ぐ支流に絞って吟味した。

ただし交通手段は電車のみ。あとは徒歩だ。となると駅周辺がすでに自然のなかでなければならない。さらにいわゆる観光・行楽スポットはダメだ。雑音が多すぎて録音には向かない。そういう場所をはずしながらも、美しい渓流でなければ気分が乗らない(笑)。つまり良い録音スポットというのは基本的に情報がないわけだ。

しかしあえて観光・行楽スポットの雑誌を読み、載っていない場所を探した。ウラ読みだ。そして渓谷とか渓流と名の付く川をネット検索しつつ、情報量が少ないけど写真がある渓流を探した。最近はブログでハイキング情報や散歩コース、ツーリングコースなどを書いている先達やジモティーがいらっしゃるので助かる。

ほとんど観光や雑誌の取材が行かないけど美しいポイントを彼ら彼女らは知っているのだ。ただしボクとは目的が違う。美しい景色には高台が多い。だが録音には風の影響が少ない場所のほうがいい。そうやってようやく探し当てた今回の録音ポイントが安谷川渓流だった。

●駅近で絶好の録音ポイント出現

武州日野駅安谷川(あんやがわ)も荒川上流域の支流だけど、あまり駅からはなれていない。駅は秩父鉄道の武州日野駅。秩父鉄道には初めて乗車したが、寄居駅を過ぎたあたりから俄然自然が多くなってきてワクワクした。

長瀞のライン下りが有名だが観光地には興味のないオレ...。急行に乗ったので秩父駅の次の御花畑駅で各駅停車に乗り換え武州日野駅まで。終点の三峰口駅(埼玉県最西端の駅で関東の駅100選に選ばれている)の2つ手前だ。急行は200円高いけれど乗り心地がよかった。帰りは三峰口まで行って急行に乗って帰った。

録音スポットまでは約20分程度だっただろうか。お蕎麦屋さんの横道から下っていくと、シカやイノシシ避けの防止ネットがあり、開閉のお願いが書かれてあった。そこを抜けると木橋が架かっていて遊歩道になっていた。駅から20分でこの景色。そしてこの清流。なんとも豊かな清流だった。

安谷川渓流安谷川渓流のこのあたりは、散策でいえば9月のソバの花とか2月のザゼンソウの時期がオンシーズンのようだ。また夏には釣場が営業していて観光客も結構ありそうだ。5月も新緑の季節ではあるが秩父一帯が皆新緑の季節なのであえて武州日野駅でなくてもいいはず。だがフィールド録音にはこういうとき・ところこそ願ったりかなったり!

木橋を渡った先のあたりを上流へ少し歩き、最初の録音をはじめた。水量が結構多くゲインを低めにしてうるさくない音に。売り物の清流CDのなかには世界の有名な河川があったりするが、結構うるさいのが多い。だが録音してみるとわかるのだが、案外普通の小川ですら音量的には大きくなりがちなのだ。ほとんどノイズになってしまう。

川の音には水滴の不規則なリズムがバイノーラルにほとばしる感じを求めているわけで、ザーザー流れる川の音は趣きに欠ける。頭の後ろのほうでザーザー流れているらしいなぁというくらいの感じで、目の前では水滴の音がハッキリと聞こえる、というのがいい。そういうポイントを探すのはなかなか難しいけど...。

水流がなでる岩安谷川も水量が多いため結構音がデカい。ただ奥秩父らしく巨岩や岩が多いので音的には面白い。ポイントを数メートル変えるだけで音が異なる。水滴のポチョポチョした感じはないけれど、岩肌をなでるように流れる水が、ちょうど相場が高値でグズグズするときの三尊天井(ヘッド&ショルダー)型のように跳ね、そのグルーブが気持ちいい。わかんないかもしんないけど(笑)。

安谷川渓流の音
(MP3/808KB/51sec)

これはちょっと単調だったのでボツにしたポイントの音だけど、水量の豊かさとか環境の静けさとかはよくわかると思う。このほかにも、砂洲(sandber)的になっているところから左右に流れる川の音をバイノーラル録音したり、左右を巨岩に挟まれたポイントで出来る限り水面に近づいて録ったりした。

岩が多いためシンセドラムのバスドラみたいなボーン、ブォーンという音がたまにしたりする(耳を澄ませて聴けばだけど)。これは水がモーグルの上村愛子選手バリにバウンドしている音だと思う(笑)。U字カーブになってるポイントのあたりだと思うけど、そういう川の個性を発見するのもまた楽しい。

日野鷺橋から見た荒川渓流のフィールド録音はまさにライブ録音。だけどその音は太古から連綿と続く大地の音でもある。この時間軸と空間軸とに思いをはせながら、自然音を切り取りパッケージングするのが楽しい。ハイキングも兼ねてるからより楽しい。「奥秩父の荒川支流の音」という発見は個人的に大きかった。何度も楽しめる。まだまだ荒川上流域には、いくつもの支流がオレを待っているのだ()。

帰りも秩父鉄道で熊谷駅まで戻りJR高崎線(湘南ライナー直通)に乗り換えた。寝てたら赤羽まで行ってしまった...。赤羽で降りて、下りの京浜東北線に乗り換えた。赤羽駅と川口駅の間にも荒川が流れている。大きな川幅だ。あぁ、この荒川の上流域から帰ってきたのかと思うと、見慣れた荒川も感慨深く通り過ぎた。

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2008/11/03

hahajima wave single now on sale!

Pop'n Poll with Nature @ wacca now on sale! hahajima wave のなかから2曲だけシングルカットし、waccaで有料配信はじめました。試聴は無料です。 波の音2つで14分程度になります。このくらいの時間があれば安眠できるヒトもいると思いますが、連続してCDに焼くとかリピートで聴くとかしつつ、眠りにつくというのが使い方(?)。 分売なら1曲300円、2曲まとめると500円です。一般アーティスト以上の値段になってます まぁ昭和のシングルレコードって600円だったし。とりあえずどっかに購入パスを作ってみたかったわけで。 内容が小笠原の波の音なので、外国のほうがウケるんじゃないかと思い外国の配信サイトを探したけれど、いくつか問題もあってとりあえず日本のサイトにアップしてみました。 日本でどれだけニーズがあるかわかりませんが、日本返還40周年目の6月(返還月)のOGASAWARA WAVE binaural 音源はおそらく世界にこれだけなので、その記念という感覚です。 これ以外にwaccaでは無料配信もしていく予定です。そこではPop'n Poll with Natureブランドでの自然音だけでなく、宅録でローファイな弾き語りなどもやるかも知れません。人間なんてラララーズの音源復活があるかも??? またwaccaでは掲示板(オモテの日記)や日記(waccaユーザーオンリーのウラの日記)なども書き飛ばしていく予定です。

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