夏旅2023 夫婦編(18)~ 那覇に戻って散策 ~
佐喜眞美術館から那覇に戻って来た。名護から那覇に帰って来た時はとりあえず県庁北口を目指したが、途中の駅前で降りることを学習した我々はゆいレールのある古島駅前でバスを降り、ゆいレールに乗り換えた。宿泊地のハイアットリージェンシー那覇はゆいレールの牧志駅が最寄駅だが、この日は牧志駅を通り越して美栄橋駅まで行った。妻の行きたいスイーツ店を目指して…。
ゆいレール内はFIBAバスケットボールワールドカップ2023沖縄大会一色だった。これを書いているのは9月なのですでに大会は終了している。人生においてこんなにテレビでバスケットボールを見て日本チームを応援したことはなかった。熱狂した。今回の沖縄旅行で広告に触れていたからというだけではない。ほんとにハラハラドキドキの逆転勝ちという展開続きだった。その結果48年ぶりに自力でパリ五輪出場権獲得(前回東京五輪は自国枠で参加)。そんな日本チームの物語に熱狂したのだった。やはり物語を背負うとスポーツは強いコンテンツだ。
●サーターアンダギーの名店うなりざき
美栄橋駅でゆいレールを降りると雨が降っていた。傘をさして若狭公園方面に向かって川の側の道をまっすぐに12分程度歩き左に曲がるとサーターアンダギーの名店うなりざきがある。他のサイトで見ていた写真とくらべて店の看板が新しくなっている。文字がクッキリしていた。
着いたのは14:40頃だった。15:00頃には閉店なので急いで行った。人気店なので完売していたら早めに閉まってしまうこともあるそうだが、店の前には「営業中」の札が見えた。
中に入ると販売カウンター越しにお店の方と対面する小さなお店。カウンターの上に紅いもサーターアンダギ5個入が5袋程度あった。不愛想なおばさんだという噂を他のサイトで仕入れていたが、そういうときこそ話しかけたい衝動に駆られる。
「15:00で閉店と聞いて急いで来たんですよ。あってよかったです。」
「今日は雨だからね。」
「あーそうかぁ。雨でも来てよかった。」
そんな会話(?)をしながら2袋購入した。ホテルに戻ってから1袋あけて食べた。確かに美味い。これは人気が出るわけだ。
佐喜眞美術館で購入した「平輪ちんすこう」も他にはない美味しさだったが、ちんすこうにしろサーターアンダギにしろ、正直なところ記憶にあるのはパサパサしてるだけのイメージだった。やはり本物を食べなければダメだな。記憶のなかのパサパサした沖縄菓子が次々と美味しい沖縄菓子で上書きされた旅行でもあった。
●国際通り・平和通り・市場中央通り
うなりざきを出てゆいレールで美栄橋駅から牧志駅へ。ハイアットリージェンシー那覇に戻り、朝預けたスーツケースを受け取りようやくチェックインした。このときフロントで爪切りを借りたいと伝えて部屋に届けてもらったのだが、その爪切り「匠の技」がめっちゃ切れ味が良く、帰宅後購入してしまった。
雨の中を出歩いていたせいもあるが、ハイアットリージェンシーは本当に快適だった。部屋で紅いもサーターアンダギを食べながら、もう出歩かなくていいんじゃないかと思ったりしていたが、しかしは腹は減る。ホテルの近くに石垣牛ステーキが食べられる琉球ステーキ究があったのでそこに食べに行った。カジュアルな店で良かった。
沖縄の家庭には必ずあるというA1ソースも言えば出してくれると書いてあった。ウエイトレスさんにどんな味か聞いてみたら、外国人のウエイトレスさんで「うーん、ちょっと酸っぱい…?」といった反応。ものは試しでA1ソースを出してもらったが、まぁ家庭用中濃ソースみたいなソースでせっかくの石垣牛ステーキには合わなかった。一口だけA1ソースで食べたが、やはりステーキはワサビに塩がいい。
琉球ステーキ究を出て少し散策した。明日が沖縄観光ラストデーなので、お土産関係は明日購入する予定だったが、多少アタリをつけておきたくもあった。国際通りのれん街の前に人だかりが出来ていた。近づいてみると獅子舞が踊っていた。若いエイサーの集団だった。
しばしその踊りと太鼓の音を気持ちよく聞いていた。その数曲の中になんとも懐かしいようなセンチメンタルな楽曲があった。少女がひとり中心で踊り、左右をガタイのいい青年が固めて太鼓をたたきながら3人で踊る楽曲だった。あの曲のタイトルを知りたいと思ったがいまだわからず仕舞いだ。
国際通りを歩いているとハワイアンらしき楽曲をよく聞く。いや音楽だけじゃない。沖縄の様々な場所で似非ハワイを感じるときがある。しかし沖縄のコンテンポラリーとか琉球民謡、琉球文化にもっと誇りを持っていい。ハワイの代替で沖縄に来ているわけではなく沖縄、琉球を求めて来ているのだ。もっと琉球らしさに触れたい。そんな思いのなかで聞いたエイサーの音色がやけに美しかったのだった。
国際通りから分岐しているアーケード街も歩いた。中央市場通りや平和通りだ。作ろうとしても作れない迷路のような路地だ。沖縄の小説家目取真俊に『平和通りと名付けられた街を歩いて』(影書房)という作品があるが、その平和通りだ。目取真俊さんは2016年に浦和を来訪し講演会をされた。一触即発の後援会だった。今年10年ぶりの短編集『』が発行された。アーケード街を歩くと私の故郷徳山の元気だった頃の銀南街を思いだす。徳山にも平和通りと名付けられた道があった。
アーケード街のなかで土産物をひと通り物色して、妻の大好きなドンキホーテも覗き、ホテルに戻って来た。ウェルカムドリンクを飲んでいなかったので展望バーにウェルカムドリンクを飲みに行った。夜景を見ながらのウェルカムドリンクも実に美味しい。ウェイターが何度か注文を取りに来たが、ウェルカムドリンクだけを飲んで部屋へ戻った。次回はちゃんとディナーで来たいと思う。部屋でオリオンドラフト氷点下貯蔵ビール缶を空けた。
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