google-site-verification=o_3FHJq5VZFg5z2av0CltyPU__BSpMstXTEV1P8dafg ひとくちメモ: 2023年8月

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2023年8月の16件の記事

2023/08/27

夏旅2023 夫婦編(16)~ 名護から那覇に移動 ~

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7月27日(木)早朝の名護市は雨が降っていた。二日間の名護滞在も終わり沖縄旅行の後半二日はまた那覇市へ戻って宿泊する。この日は移動日のような一日になりそうだがそれももったいないので名護から那覇に戻る途中にどこかに寄りたいと思い、いくつか候補を考えていた。

しかし高速バスを途中で降りるとそこから先の足がない。タクシーでもいいがそれも毎回呼んだりとせわしない。そこでいったん那覇まで戻ってホテルに荷物だけ預けてバスで佐喜眞美術館に向かうという計画を立てた。

●土地勘のなさを露呈し時間ロス

ここで土地勘のなさで少しタイムロスしてしまった。名護バスターミナル前から高速バスのやんばる急行バスで戻ることは予定通りだった。来た時にも乗ったので勝手知ったる高速バスだ。予定時刻より若干遅れて出発した。次に泊まるホテルは国際通りにあるハイアットリージェンシー那覇だったので、とりあえず往路で乗った県庁北口まで行けば、そこからゆいレールなり徒歩なりで牧志駅方面へ行けばいいと考えていた。

このルートは無駄が多い。ゆいレールの駅をふたつも通過している。古島駅前とおもろまち駅前だ。このどちらかでバスを降りてゆいレールに乗り牧志駅に向えば効率的だったはずだ。そのことに気づいたのはおもろまち駅前を通ったずいぶん後だった。この辺は繁華街だなぁなどとバスの中から見物していたが、そのうち那覇市内の渋滞に捕まった。

乗り継ぎ予定のバスの時間が結構ギリギリだったので、この渋滞で予定通りに県庁北口に着かないことが分かったとき、ゆいレールに乗るならおもろまち駅前で降りたら良かったのかと気づいた。しかし高速バスは前払いだし、乗ったときには手前で降りるという選択肢すら頭になかった。途中下車をやめた時点で県庁北口に行けば何とかなるとしか考えが及ばなかった。

県庁北口には予定より遅く着いたので、スーツケースを引っ張りながら速足で国際通りを歩いた。端から端まで歩くような距離だ。これは荷物を預ける時間も考えると予定のバスは無理かと思っていた。

ハイアットリージェンシーはチェックアウトで忙しそうな時間帯だった。入口を間違えて裏側の階段を上り2Fから入ってエスカレータでロビーに降りていった。荷物を預けようとカウンターに近づくと「チェックアウトですか?」と聞かれたので、「いや今晩泊まるのだけど荷物だけ預けたくて」と伝えると、瞬時に手続きしてくれてあっという間に荷物を預けられた。さすがだ。

荷物を瞬時に預けられたので、急いで正しいエントランスから外に出た。エントランスに並んだ車もいい車が多かった。さすがだ。

バス停はそれほど遠くなく、なんとか乗ることが出来た。市外行のバスは逃すと時間ロスが大きいのでハイアットリージェンシーの対応には感謝しかない。もともと良い(高い)ホテルではあるが、さすがだ。

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夏旅2023 夫婦編(15)~ あたらくしあ ~

宮城菓子店を出て夕食をどうするか検索開始。私には事前検索をして腹案があったが妻はいまいち乗り気でない。その理由は普通の居酒屋だからだという。

外せないポイントは沖縄料理、それももずくの天ぷらがマストだとか。天ぷら好きなのでそれは当然だ。私からも本場で食べるもずくの天ぷらの美味さを聞かされてもいた。

さらにこういうときの妻の美味い店を発見する検索力には一目置いているので、妻が見つけた店「居酒屋あたらくしあ」を目指すことにした。もずくの天ぷらだけでなく、店内も清潔そうで手書きのお品書きにも惹かれたようだ。

歩いて行けば16分だったが、相当疲れていたので名護十字路から名護市役所前までバス停ひとつ分をバスに乗った。ちょうど良いバスがあって助かった。

名護市役所前で降車するとまた小雨が降ってきた。折りたたみ傘をさしてあたらくしあまで6分ほど歩いた。

あたらくしあで食べ過ぎる

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お店に入ると真ん中のテーブル席に通された。予約していなかったが、空いている席があって良かった。とりあえず私はオリオルクラフト生ビール、妻はアセロラジュースを注文した。

歩き疲れた3日間、朝食はホテルのビュッフェで食べて昼はほとんど食べずに回った(朝食を食べ過ぎるきらいもあったためだが)。夕食は那覇についた初日こそ炙るチェリチェリで沖縄料理を食べたが、翌日はハンバーガー昨日はコンビニという日が続いていた。それもあって食欲は旺盛なふたりなのだった。

いざ注文しようと壁に貼ってある沖縄料理メニューを眺めたが、琉球語なのでそれがどんな料理か分からない。そこでおすすめの沖縄料理を聞いてみたところ、ナーベーラ(へちま)アーサ(あおさ)のかき揚げが旬で、うんちぇーばー(空芯菜)も美味しいとのこと。この時点でもずく天ぷらを含めそれら4品を迷いなく注文した。

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店員さんが「えっ、全部ですか?」のような声を思わずもらしたが、気にせず「あの、チマグの塩焼きってどういうの?」と聞いてみたら、ご自身の腕を豚足に見立てて「テビチは豚足のここまで、チマグはその先の部位ですよ」と教えてくれた。なるほどそれは美味そうだとチマグ塩焼きも注文した。

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ナーベーラとアーサのかき揚げが届いた。その量はプチサプライズだった。都内の居酒屋気分で注文してしまうと食べきれないだろう。アーサのかき揚げともずく天ぷらはどちらもデカい。両方頼むと食べきれない可能性大だ。ハーフ&ハーフがあればいいのにと思った。

しかしあたらくしあの沖縄料理はどれも美味かった。むさぼり食うとはこのことだ。あまりの食べっぷりにシークァーサーサワーを注文したらシロップでなく本物のシークァーサーでサワーを作ってくれて、熟したマンゴーとパイナップルをサービスしてくれた。

食べ過ぎたので、夜のタピックスタジアム名護を左に眺めながら、ホテルゆがふいんおきなわまで12分ほど歩いて帰った。こうして名護の二日目は終了。明日からはまた那覇に戻る。

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夏旅2023 夫婦編(14)~ ひんぷんガジュマルと宮城菓子店 ~

名護市役所の見学を終えて私がそろそろ夕食をどうするかと考えていたところ、妻はスイーツについて検索していた。確かにホテルに帰っても周りにはコンビニスイーツしかない。時間ももう17:00近かったので、せっかく来た市役所の近くで美味しいスイーツに出会いたいという思いはわからなくもなかった。

探した結果、宮城菓子店というお菓子屋さんがカフェも併設していた。名護市役所から歩いて13分。朝からフクギ並木や美ら海水族館に行って名護市役所のなかも歩き回って小雨も降ったりして疲れてはいたが、まぁ歩けない距離ではないと思い同意して歩き始めた。

その過程のなかで、お店の先にひんぷんガジュマルというジャイアント・バニヤン・ツリーがあることも知った。大きなガジュマルの樹はガンガラーの谷で見てから興味も高まっていたので、その樹もついでに見学に行った。車道を左右に押しのけるようにして、道のど真ん中にでっかいガジュマルの樹が立っていた。

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樹齢約300年のガジュマルの大樹。車道に挟まれてそびえ立つこのガジュマルが歩きだしたら大変だと思いながら見ていた。その側にちょっとした広場があり説明文などもあった。そこにしおれたサガリバナらしき花も見つけた。この花も夜には咲くのだろうか。2013年に石垣島の群生地で見たサガリバナは見事だった。あのレベルのサガリバナをこの旅の途中に妻にも見せたかったが、さすがに道端のサガリバナは群生地のようにはいかない。

ひんぷんガジュマルを見て、名護十字路にある宮城菓子店に向かった。カフェコーナーは店の一角に一席と外にテーブルがあった。夕方とはいえ暑かったので店内で紅芋モンブランのケーキセットをいただいた。

●宮城菓子店でスナップ写真

食べ終えてお会計の前に、店のマスター宮城栄進さんとお話した。埼玉から来たと話すと、埼玉県に住んでいたことがおありだということで、しばし埼玉談義をした。製菓衛生士免許証を平成4年に東京都で取得されたとのことで、その免許証も見せていただいた。鈴木俊一都知事時代だ。話好きの明るいマスターだ。

後進の指導もされているようで店の中にはこれまでの教え子の写真がたくさん飾られていた。沖縄の四十九日にはお菓子は欠かせず、最近はそういう昔からの風習も知らない人が増えたので、そういうこともお客さんに教える立場になっている。またその風習のおかげで店も続けられるとおっしゃっていた。

最後に記念写真も撮らせてもらった。こんな出会いはスイーツ以上に大好物なもので。ただ顔出しNG夫婦なのでイラストで加工した。マスターのお顔も加工してる。次回訪れることがあれば写真を渡しにまた寄りたい。いつまでもお元気で。

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夏旅2023 夫婦編(13)~ 名護市役所 ~

●沖縄エアポートシャトルで名護市役所へ

7月26日(水)15:10過ぎ、美ら海水族館前のバス停で名護方面行のバスを待っていたら沖縄エアポートシャトルの真っ赤なバスがやって来た。沖縄エアポートシャトルは予約制だと思っていたのでスルーするつもりだったが、赤いバス停の時刻表をのぞき込んでいると運転手さんに「どこまで行かれるの?」と聞かれたので「名護市役所前まで」と答えてみたら乗せてくれるというではないか。予約客が先に乗って座席があれば乗せてくれるようだった。沖縄の高速バスはみんなこうなんだろうか。ありがたかった。沖縄エアポートシャトルは実に快適なバスだった。15:30出発で名護市役所前には16:00過ぎに着いた。

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名護市役所は役所なので平日17:00で閉館になる。それまでに行かなければ所内には入れない。なんとか間に合った。

沖縄に行く前に名護市役所が解体されるというニュースを見た。1981年に建てられてから42年が経過し確かに外観は古くなりコンクリートの削げ落ちた柱もあった。象設計集団により設計された歴史的建築であるのは確かだが(詳しくは東京建築散歩さんのこちらの記事を)、現役の庁舎としては厳しい面もあるだろう。

昨年、解体される直前の中銀カプセルタワービルを見に行ったが、1970年代から80年代にかけての建築が老朽化し解体されていく時代になった。なぜだかわからないが私は変わりゆく同時代の風景(人工物)を見ておきたいという気持ちが強い。年々強くなるのは年のせいか。終わりと始まりの端境期、時代の汽水域と言ってもいいかもしれない。そんな過去・現代・未来の時間が重なる場所こそパワースポットだと思う。

出来れば現在のこの様式を残しつつ、新工法なり新素材なりで新たな名護市役所に生まれ変わって欲しいが、自然の風や光を取り込む必然性が薄れてしまった現代建築においてその機能性はノスタルジィでしかないのかもしれない。

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名護市役所の内外を見学した後、隣にある21世紀の森体育館も散歩した。小雨が降ったりやんだりといった天気だった。この建物も設計者は分からなかったが近辺の雰囲気とマッチしていた。

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夏旅2023 夫婦編(12)~ 美ら海水族館 ~

備瀬のフクギ並木から美ら海水族館まで歩く間にローソン海洋博公園前店があった。ここで水族館のチケットを買ったほうが現地で並ぶより時短になると思いチケット販売機ロッピーに向かった。

●チケットは近くのローソンのレジで購入

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予約チケットの受け取り以外ではほとんど使ったことがないので、地域とかカテゴリ選択とかネストの深さに早くもイライラしてしまう。前売り扱いとか何らかの特典がないかも探りつつ妻にナビゲートされながら目的のチケットにたどり着いた。何の割引も無かったが、ようやく引換券が入手できたのでそれを持ってレジに向かうと、なんとレジで「割引チケットがありますよ」と教えてくれた。最初からレジで聞けば良かったのだ。無駄な時間を使ってしまった。引換券は30分以内に引き換えなければ無効になるのでそのまま破棄してもらい割引チケットを購入した。

●美ら海水族館を満喫

美ら海水族館に来たのは初めてだった。妹の長女が修学旅行で来ていて、その時に買ってきたジンベエザメのぬいぐるみの精巧さに驚いた記憶がある。いまの美ら海水族館が出来たのは2002年。11年前に訪問する予定だったが予定変更で来られなかった。今回妻と一緒に来れて良かった。

水族館の設計は那覇市出身國場幸房氏(2016年没享年77歳)で、その琉球らしいフォルムが印象的だ。伊江島を見渡せるエントランスの解放感、大水槽の圧倒的な迫力、それらひとつひとつに思いを感じることが出来る。

どこの水族館も小宇宙のようで面白い。美ら海水族館ほどの規模になるとなおさら。スタートレックファン(トレッキー)の私なので、そんなSFチックな感情に引っ張られてしまう。

海洋生物の表情にも注目して妻と二人で正面からの顔を狙った写真もいくつか撮れた。マナティ、ウミガメ、ニセゴイシウツボの三大顔写真をアップしておきたい。

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大水槽の前は大勢の人だかりでなかなか先に進めない。水槽全体が見渡せる座席もあり、そこに座れればゆっくりと時間を過ごすことが出来る。一日でも雲を見ていられる私だから、大水槽という小宇宙の魚群の動きは見飽きることがない。だがイルカショーも見たいので、とりあえず間に合うように外に出て、ウミガメ館やマナティ館にも立ち寄りながらイルカショーの時間前にオキちゃん劇場へ。

夏休でもありオキちゃん劇場には子ども連れが多数いた。我々の周りは中国や韓国からのファミリーばかりだった。久々に韓国語会話をしてみたい衝動に駆られたがもはやそんな芸当は出来ない…。無念だ。

イルカショーの席についてすこしすると突然の雨が降り始めた。スコールのような大雨だったがすぐに止んだ。屋根のある座席で助かった。今回の旅ではところどころで雨が降ったがそのタイミングが実に絶妙でギリギリ回避できて良かった。

イルカショーの後には希望者がイルカに水をぶっ掛けてもらうアトラクションもあるが、隣の韓国人ファミリーは若いお父さんが小さい娘を連れて水浴びに参加し、何もわからない娘さんはずぶ濡れになり大泣きしていた。まぁそれも良い思い出になるだろう。

イルカショーの後、再び大水槽に戻った。15:00からジンベエザメの餌やりショーがあるからだ。すごい人かと思いきや、来た時ほどの混雑もなかった。しかし15:00になって飼育員が水面から餌やりの合図を送るがジンベエザメはまったく反応しない。いまは食べたくないようでショーは不発に終わった。生き物相手ではそんな日もあるだろう。だがその合図の前後には小魚の群れも動き回るので幻想的な小宇宙のなかにうねりが出来て見ごたえはあった。

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このあたりで引き上げようと提案した。というのも名護にいるのは今日までで明日は那覇市に戻る予定になっている。その前に私にはひとつ行きたいところがあった。名護市役所だ。代表的な沖縄建築への興味だった。それも平日17:00までに行く必要があった。建物の中にも入るには営業時間中に行く必要があった。そのためには15時台のバスで何としても名護市役所前まで戻らねばならない。

名護方面へのバス停に向かう途中でまた雨が降ってきた。バス停は陸橋の下にあったのでそこで雨をしのいだ。ここで乗れるバスは何社かあるが、やんばる急行バスしか知らないのでそれに乗れればいいがと思いながら待った。そこに真っ赤なバスが来た。沖縄エアポートシャトルだった。

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夏旅2023 夫婦編(11)~ フクギ並木通り ~

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7月26日(水)名護のホテルホテルゆがふいんおきなわ宿泊二日目。この日は美ら海水族館へ行く予定で朝から名護バスターミナルに歩いて行ったが、美ら海水族館の先には2022年NHK朝の連続ドラマ「ちむどんどん」のロケ地として有名になった備瀬のフクギ並木もある。

路線バスの終点はそのフクギ並木まで徒歩5分の場所にドカーンと建っているホテルオリオンモトブリゾート&スパだった。美ら海水族館のひとつ先のバス停だ。この終点まで行けばフクギ並木に歩いて行ける。さわやかな朝のフクギ並木をサイクリングして、そのあとゆっくり美ら海水族館という行程のほうが楽しいように思い終点までバスに乗った。これが大正解だった。

終点のオリオンモトブリゾート&スパはとても綺麗でゴージャス感のあるホテルだった。そのエントランスに路線バスで降り立つ。せっかくなのでこのリゾートの景色もしばし楽しんで写真も撮った。フクギ並木にも美ら海水族館にも徒歩で行ける立地も素晴らしい。

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備瀬のフクギ並木の入口まで徒歩5分。そこにあった並木レンタサイクルに向かった。昨日の古宇利島での経験から高低差とか所要時間について端的に質問したところ、一時間もあれば十分回れるとのこと。電動キックボードと電動アシスト自転車がどちらもラスト2台だったがサイクリングがしたかったので自転車を借りて出発。

備瀬のフクギ並木には一通り順路が設定してある。基本的に民家の間を縫って観光をするわけで「おじゃまします」という感覚で静かに回る。路地や小径の情緒がどんどん薄れゆく日本のなかでこの懐かしさは貴重だ。それもただ懐かしいだけでないのは沖縄という島の持つ独特の風土と無関係ではないだろう。

道は平坦なので電動アシストでなくても良かったかもしれない。もちろん電動のほうが楽だが。走り始めて10分くらいで妻が電動アシスト自転車の電池が切れそうだと言い出した。今日は予備電池は持っていないので私と自転車を交換した。しかしその後、電池切れは起こさなかったので残量計の不具合だったのかもしれない。

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20分もすると備瀬崎海岸に着いた。ミーウガン(離れ小島)への眺望と呼ばれる海岸だ。海水浴をしている家族もいたが、我々が訪れた二日後だったか、ここでシュノーケリングをしていた子どもが溺れてドクターヘリで運ばれたニュースを那覇のホテルで見た。島は見えるが湾ではなく、島と島のあいだを外海の潮流が流れる複雑な海だ。砂浜ではなく岩場でもある。静かに見えても油断すると危険だと思う。

備瀬崎海岸に着いたとたんに雨が降り出した。そこそこ降ってきたので、駐車場の側の大きな樹木の下に入って雨宿り。こういうときにスマホのお天気アプリは助かる。確認すると15分もすれば止みそうな気配だ。とりあえずそこで雨をしのいでいたら、お天気アプリのいう通りに雲が去り雨は止んだ。

レンタサイクルも1時間コースだし、グズグズしていられないとまた走り出した。復路は海岸線をひたすらまっすぐ戻るだけだが、ところどころにいい感じの小径が左側に現れるので、そのたびに止まっては写真を撮る。海側から小径を撮り小径側から海を入れてまた撮る。夫婦で自撮りもする。小舟が浮かんでいたら伊江島を背景にまた撮る。風景画のなかを走っているようだった。

それでもまだ時間があるので、通っていない路地裏も行ってみようと小径のひとつに入って行った。樹木に囲まれて気分よく走っていたのだが、裏道に入ると、道をふさぐかのようにでっかい2匹の蜘蛛がそれぞれ巣を張っていて、前を走っていた妻がいきなり自転車を止めた。私だったらそのまま突っ込んでいたかもしれない。

これだけ大胆に道をふさいで蜘蛛の巣が2つも張られているんだから、住人すら通っていない裏道だったのだろうか。いやはや立派な蜘蛛と蜘蛛の巣だった。見ている分には蜘蛛の巣の美しさも好きなので何枚も写真を撮り、蜘蛛の巣の下を自転車を押して通り抜けた。後から調べるとどうやらジョロウグモ(女郎蜘蛛)のようだ。だとすると益虫なのでそのままにしてあったのかもしれない。

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ほぼピッタリ一時間で並木レンタサイクルに戻ってきた。もう次の客に説明を始めていて商売繁盛で何よりだ。1時間で回れるという言葉通りのコースだった。良心的だなと思ったが2時間乗られるよりも回転を速くした方がいいのだろう。自転車を返したらお菓子をくれた。

備瀬のフクギ並木には、よさげなカフェもいくつかあるが、まだ時間は10:30ごろでカフェも開いていないので、美ら海水族館まで歩いていくことにした。ほんの一時間程度のプチサイクリングだったが、なんとも気持ちの良い時間だった。雨に降られたのも、ちょっとした暑さしのぎになったし、雨上がりの並木道というのもこれまた風情がある。前向きに楽しむ性格なのだ。

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夏旅2023 夫婦編(10)~ 古宇利島一周 ~

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電動アシス自転車をレンタルして美らテラスから古宇利島へ向けて出発。とりあえず誰もが目指すのは島の奥にある映えポイントのハートロック。松田聖子の名作アルバム「ユートピア」の中にあるB面1曲目「ハートをRock❤」(youtube)を歌いながら走るのだ(心の中で)。

20230725_122718電動アシスト自転車でハートロックあたりについたのは30分後くらいだった。私の自転車の電池はこの時点でほぼゼロになった。妻の自転車は70%以上残っていた。

なかなかの混雑だった。みんなハートロックを目指してくるわけだし自動車で来ればすぐなので駐車場も混んでいた。駐車場に自転車を止めて駐車料金を入れた。自転車も駐車料金が必要なのかはわからなかったがいちおう止めさせてもらうんで。日差しでサドルが熱くなるため日陰に置きたかったが完全には隠れなかった。2本の予備電池もカゴに入れっぱなしというわけにもいかずエコバッグに入れて持って歩いた。

ハートロックは駐車場から少し歩いて降りていく。景色は美しくハートロックもなるほどと思ったが、とにかく暑かった。泳ぐわけでもなく、映えポイントGETという感覚で写真を撮って戻った。駐車場からハートロックへの道も一本道だがちょっとわかりにくいようで、すれ違う家族に「ハートロックはこの先ですか」と聞かれたりもした。

駐車場にもどって自転車の電池を交換した。30分程度の行程で1本切れてしまったので交換した電池がこの後の行程でもつのかどうか若干不安になった。妻のほうはまったく問題ないので交換せずに島の反対側に出発した。

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島の反対側は下り坂なので電動アシストは使わず子どものように風を受けて走った。景色も天気も良く気持ちがいい。古宇利オーシャンタワーまで一気に走った。オーシャンタワーは料金1000円とちょっとお高めだった。もう相当美しい景色は堪能しているので入らずに先に進んだ。

途中のおしゃれなカフェで冷たいものでも飲もうかと寄ってみたが、ランチ営業の時間帯でカフェだけの利用は出来ないとのことだったのであきらめて、古宇利大橋の手前にある古宇利島の駅ソラハシに寄ってみた。土産物屋やテナントが入っていてちょっとした軽食を食べるフードコートがあった。

このフードコートでOice Cafeのドラゴントロピカルスムージーを飲んだ。マジで美味かった!南国にキターっ!という感覚を味わえた。100%求めていた飲み物に出会えたね。

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古宇利島を電動アシスト自転車で一周し、この時点で14:00を回ったあたりだった。出発してから約二時間だ。戻りは大橋を渡る前に美らテラスに電話連絡してこれから橋を渡って戻ることを告げることになっていた。おそらくその連絡が来たら美らテラスのおじさんは店に戻ってくるんだろう。

フードコートを出てから電話して橋を戻って行った。途中で妻は橋の近くにウミガメを目撃したらしい。先を電動アシスト自転車で突っ走る私を呼んだがまったく聞こえなかった。私を呼んでいるうちにウミガメもいなくなり写真も撮れず…。残念。

●運天原バス停まで歩く

美らテラスに自転車を返して、そこからどうするかを考えた。タクシーで来たわけでタクシーで帰るという選択肢が正解だが、そこは路線バスの旅をしている我々だ。一番近いバス停を検索したところ琉球バスの運天原バス停があった。徒歩17分だ。ただし次は16:25で、それを逃すと次は18:30までバスがない。中途半端な時間だった。

しかしとりあえず歩き始めた。歩き始めた途端に雨が降り始めた。この雨はクールダウンできて良かった。折り畳み傘は常に持ち歩いていたのでそれを差して歩いていたらすぐにやんだ。途中に養殖くるまえびを食べられるところがあったのでそこに寄ってみたが、自動車の客でいっぱい。徒歩で来る客などいないようで呼ばれるまで車で待機するような店だった。「30分待ち」と言われてバスに間に合わないのでそのまま立ち去った。忙しいからかぶっきらぼうな店だった。

その後、ちょっと歩くとカフェがあったのだが、往復する時間とカフェでゆっくりする時間を考えると若干リスキーだったので寄らずにバス停を目指した。運天原バス停は運天原共同売店の裏だった。そこは陽射しが強かったので、売店の日陰のイスに座った。15:00をすぎたばかりだったので、ここで90分程度バスを待った。

90分あればカフェを往復出来た可能性もあったが、いかにも田舎の人っ子ひとり通らない午後のバス停で夫婦そろって延々バスを待つというシチュエーションは、なんだか自主製作映画のワンシーンのようで嫌いではない(妻はカフェのほうが好きだったとは思うが…)。ここで塩分チャージタブレットなどを食べながらバスを待った。

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こういうときに重要なのは飲み物だ。夏の旅行はとにかく喉が渇く。日本の場合はどこに行っても自動販売機があって助かるが、それでも見つからない場所はあるので、見つけたときには水かお茶を補充しておく。そこで重宝するのは保冷バッグだ。いつも2Lレベルの小さい保冷バックを持っていく。500mlペットボトルなら2~3本入る。これに入れたままリュックにも収まる。必携だと思う。

バスは時刻表通りにやってきた。売店の日陰に座っていたら素通りされそうな勢いだった。そのバスに乗り名護バスターミナルまで戻った。途中のバス停がどれもやんばるっぽい地名で興味深かった。

このバスで名護市役所前に降りて夕食という選択肢もあるかと思ったが、高校が夏休みでバスのルートが変更になっているようで名護市役所前に止まるルートでなく、気づいたら名護バスターミナルについていた。後から考えると途中に名護十字路というバス停があったので、そのあたりで降りれば繁華街だったが、このときはまったくわからずバスターミナルまでついてしまった。

ホテルのまわりに居酒屋などはあったが、この日は隣のコンビニで沖縄限定と書かれたおにぎりやソーメンチャンプルー弁当などを買い込み部屋で食べた。ゆがふいんおきなわの部屋は広いが電灯が間接照明だけで蛍光灯がなかった。外国人にはそれが良いのだろうがちょっと暗くて部屋食には難儀だった。

とりあえず名護初日に古宇利島に渡れたのはラッキーだった。この調子で翌日も天気に悩まされず済めばいいがと考えながら寝た。翌日は美ら海水族館へ行く予定だ。

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夏旅2023 夫婦編(9)~ 美らテラスから古宇利大橋へ ~

●那覇から名護へ

7月25日(火) グレイスリー那覇を出発して名護へ向かう。美味しい朝食ビュッフェはしっかり食べて県庁北口バス停へ。8:40発のやんばる急行バス(YKB)888号で名護バスターミナル前を目指す。ふたりで片道3100円。1時間40分前後の高速バスだ。予約なしで乗れるのが便利。クレジットカードや各種Payで払えるのもありがたい。

名護方面はちゅら海水族館もあるし夏休みだからか結構地元の人たちも乗ってくる。スーツケースは自分でバスのトランクに収納する。途中伊芸SAでトイレ休憩もありとても快適だった。バスに乗ってから少しすると雨も降り始めた。降ったりやんだりだが青空も見える。台風5号の影響もあるのだろう。二日間はどうも降ったりやんだりのような感じがした。

名護バスターミナル前に着いた。YKBは系列が違うようでバスターミナルの中ではなく外にバス停がある。トランクから自分たちのスーツケ-スを降ろしてホテルに向かう。宿は徒歩数分のところにあるホテルゆがふいんおきなわに連泊した。目の前にタピックスタジアム名護という野球場がある。近所の居酒屋には「歓迎日本ハムファイターズ」の横断幕も。キャンプ地のようだ。

●予定を前倒しして古宇利島へ

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ホテルのチェックインは午後からだが荷物だけ預けて動き出すことに。最初の予定ではこの日はちゅら海水族館にいくはずだった。那覇からの移動日でもあるし前日歩き回って疲れてもいるはずなのでゆっくり水族館というプランだ。しかし天気予報では今日は明日より天気が良い。ならば今日のうちに古宇利島へ行った方がよいという結論に至り急遽予定変更し、ホテルでタクシーを呼んでもらい古宇利島を目指した。

タクシーの運転手さんには古宇利大橋の手前にある美らテラスを目指してもらうことにした。古宇利島には2.4kmの古宇利大橋がかかっているが、橋の途中で写真を撮るには歩道を歩くか自転車しかない。歩いても渡れる距離ではあったが、渡った後に島を観光するにはせめて自転車は必要だ。

そこで調べると橋の手前にある美らテラスに貸し自転車があるようだ。臨時休業中だったが貸し自転車だけは営業中とホームページに書いてあった。美らテラスの貸し自転車は予約制だったが、まぁ何とかなるだろうと向かった。ギリギリまで天気とにらめっこしていたので予約するのもリスキーだったから。

タクシーに乗っている間も雨が降ったりやんだりしていた。若干不安になりながら美らテラスに着いた。入口にはチェーンと網がかかっており、どう見ても営業中には見えないたたずまいだった。タクシーの運転手さんもここで良いのだろうかと怪訝な感じだったが我々を降ろして去って行った。

他にも入口があるんじゃないかと海のほうに向かってみたりしたがどうも違う。やはりあの入口しかない。そうこうしていると自動車が一台、美らテラスの裏道を入って行った。これから営業開始かなくらいな感覚で電話番号を探して電話してみたら男性が電話口に出られた。

「貸し自転車を借りたくていま門の前から電話してるんですが」と伝えると「ハイハイ、いま行きますネ」とのこと。やはりさっきの自動車で出勤されたようだった。ただその後聞くと、たまたま予約の人が来る時間なので来たところに我々から電話がかかってきたということで偶然だったことが判明。ついていた。

●電動アシスト自転車が必須

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予約していなかったので在庫があるのは電動アシストではない自転車か、古い電動アシスト自転車の二択だった。普通の自転車は新しいが電動アシストは旧式で電池がもたないため予備電池をカゴに入れて途中で入れ替える必要があるかもしれないとのこと。

ここで島の高低差に苦労した昨日の経験がフラッシュバックし「高低差はどのくらいありますかね」と食い気味に聞いたところ、「左回りをオススメしてるけど、どっち周りでもハートロックまでは上り坂だねぇ」とのことだった。

「じゃあ電動アシストにしようかな」

「それをお勧めしますよ。正直、私も電動じゃないと行く気にならないネ」

という会話をして旧式の電動アシスト自転車を2台借りた。11:50からの3時間コースを選択。2台で3000円だった。結果的に大正解というか、古宇利島は電動アシストなしなんて考えられない高低差だった。電動アシスト自転車は実に快適だった。

自転車に乗ることを考えて黒頭巾を持って来ていた。髪を覆えるターバン風ヘッドバンドでラーメン屋の店員のようなやつ。台風が近くにいるし帽子だと飛ばされる可能性を考えてのことだがこれも大正解だった。妻は紐がついているつばの大きな青い帽子だった。

古宇利大橋に入ってすぐ踊り場的な展望ポイントがある。歩道ならではのポイントなのでここで写真を撮る。島に近づくとそこにも展望ポイントがあり、そこから屋我地島側に振り返って写真を撮ったりした。

橋を渡るだけなら電動アシストはいらない。橋を渡り切ると左回りでハートロック目指して走り始めたが、すぐに電動アシストが必要になった。天気は杞憂に思っていたのが馬鹿らしいくらいピーカンだ。それだけに気持ちは真夏の坂道のヤバさリターンズ!この高低差はきつい。電動アシスト自転車一択で間違いない。

そして私の電動アシスト自転車の電池の残量計はどんどん下がっていく。70%を過ぎるとつるべ落としのように…。予備までこの調子で減ってしまったらどうしようと思うくらいにどんどん減った。妻の自転車は私ほど減らないから個体差の問題だったのかもしれない。

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2023/08/13

夏旅2023 夫婦編(8)~ ルートビアとの遭遇 ~

●最後に待っていたルートビアというトラップ

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夕食は国際通り入口にあるA&Wに入った。ここも沖縄で有名なハンバーガーチェーンだ。ハンバーガー好きの妻は美味しいハンバーガー店も複数物色していたが、この時間に空いている店は少なくA&Wで食べることにした。混んではいたが3階席には若干空きがあった。ただし3階は20:00までだという。2階は22:30までだが満席だった。まぁハンバーガーだし30分程度でサクッと食べてホテルに戻ろうと3階で食べることを告げて注文した。

沖縄出店60周年の記念でフレーバールートビアフロートモヒートグリーンという記念ドリンクがあったので、記念という言葉に弱い私はそれが入ったキラキラサマーコンボにした。看板ドリンクのルートビアは飲み放題だという。「なんと太っ腹な!」とこの瞬間は思ったものだ。それがひとくち飲んだだけで180度の意識改革を迫られた…。

注文しているうちに2階席に空きが出来たのでそっちに変更した。席について18,000歩近く歩いた一日を振り返った。最初の計画の3倍も目的地を回れた。久高島斎場御嶽ニライカナイ橋展望台ガンガラーの谷と路線バスの旅の一日で全部回れるとは思ってもいなかった。

いやー良かった良かった、喉も乾くねとルートビアに口をつけた。最初はフロートの甘味がした。しかし液体が喉を通った瞬間、寒気のするような不快感が襲ってきた。たとえるならシャンプーを間違えて飲んでしまったような。このときはじめてルートビアという飲み物の洗礼を受けたのだった。一生消えないデジタルタトゥーのようにその不快感が残った。

A&Wのハンバーガー他の食べものはみんな美味しかった。妻が頼んだ飲み物も美味しかった。しかしその美味さをルートビアの不快感がすべて台無しにしていく。なんなんだこのシステムは。最初はモヒートグリーンの仕業かと思ったが、どうやらルートビアそのものの味だった。

ネット検索してみると「サロンパスの味」という形容が多い。確かに言い得ている。サロンパスは食べたことがないが。これほど喉越しの悪い飲み物を飲んだことがない。ドクターペッパーが好きな私だが薬草系ジュースとしても完全に別物だ。ミントからおいしさだけを外したような感じだ。爽快感とは異なるこの感覚。喉を通って一瞬の間があり悪寒のような不快感が込み上げてくる。慣れることがない。喉の渇きを潤すことも出来ない。

ワサビを死ぬほど食べる外国人の映像を見たことがあるが、奴らの狂った舌にはこれが美味いと感じるのだろうか。本当にこんな飲み物がこの世にあるのかと驚いた。それほどまずい。どれほど不味いと言っても言い足りないまずさだ。これを後輩に話したら、それほどネガティブな情報を聞いたら飲みたくなると言われた。それが狙いかとすら思った。悪魔的な飲料だ。一度は飲んでみて欲しい(責任は持たない)。おかわり自由といわれたが拷問か。半分も飲み切れなかった。

食事を終え店を出た後には近所のコンビでポークサンドピリ辛豚味噌おにぎりとオリオンビールとオリオンWATTAパイナップル味を購入してホテルに戻った。口直しをせずにはいられなかった。A&Wは美味しいがルートビアだけはもう飲むことはないだろう。いや、やはり怖いもの見たさでもう一回くらいは飲んでしまうかも…。悪魔的だ!

こうして沖縄旅行の二日目が終わった。まだまだ始まったばかりなのにこんなに長くなってしまった。

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夏旅2023 夫婦編(7)~ ガンガラーの谷 ~

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●歩くガジュマルの樹

待機所のケイブカフェで数杯のドリンクを飲んだ。16:00になりガンガラーの谷ガイドツアー参加者を呼び出すアナウンスが響く。まずツアーガイドさんによる概要の説明がある。夏場は水分補給も大切なのでお茶の入った水筒も一人一本ずつ用意されていた。これを首から下げて出発する。16:00からのコースなので真昼間よりはずいぶん過ごしやすかったが、それでもツアーが終わるころには水筒が空になった。

大きな見どころは大主(ウフシュ)ガジュマル、触れる鍾乳洞のイキガ洞、そして武芸洞で、ガイドさんの語り口も面白くて為になる。

ガジュマルの樹は南国好きには日常のような大樹だが、この樹が歩くというのは初めて聞いた。キジムナーと同じようなファンタジーかと思いきや本当に歩くようなのだ。

ガジュマルの大樹はツルが垂れ下がっているが、あれが長い年月のうちに幹となる。そうするとそれまで幹だった大樹のほうは腐り朽ちていく。その繰り返しで移動するというのだ。悠久の時間のなかでゆっくりとガジュマルが歩を進めていくのを想像しながら眺めた。ウフシュガジュマルが歩きだしたら歩道も再整備だななどと思いながら…。

ガイドルートもうまく作ってあり、ウフシュガジュマルには“遭遇する”感がある。突然目の前に現れて「おーっ!」と見上げることになる。その空間はスタートレックのセットのようにも感じた。カーク船長時代のスタートレックのスタジオセットは作り物感満載だったが、このガジュマルの大樹は本物の自然なのに作り物のような巌に囲まれた空間にそびえていた。惑星を感じる。このウフシュガジュマルの前でガイドさんに記念写真も撮ってもらった。

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●3000年前の人類に思いを馳せる

イキガ洞ではランタンに火を灯して一組ずつ渡され、暗い洞窟のなかに入っていく。中では鍾乳洞に触れる。触ってみたらめっちゃ乾いていた。もっと濡れているものだと思っていたのでガイドさんに聞いてみたが、雨が少ないと乾いていることもあるようだ。

そして最後の武芸洞。ここは埋葬されていた3000年前の人骨が地表すぐ(20センチ堀ったレベルで)発見された洞穴だ。その調査の様子は沖縄県立博物館のコラムがあったので武芸洞で検索した結果にリンクしとこう。直接的にはこのコラム。いま歩いている地表から20cmくらいのところに3000年前の墓が出てくるということは、この洞穴がいかに手付かずで自然災害からも逃れてきたかがわよくわかる。ほとんど同じ土の上を3000年前の人類も歩いていたのだ。

ガンガラーの谷は現在も調査研究が進行中で、その保存状態の良さから続々と新発見が出てくる可能性が高い。最初の待機所だったケイブカフェでも調査が進んでいく。昨年は3万5千年前ごろのシカの骨なども見つかっているようで、そのころから古代人が住んでいた可能性もあり、約2万年前の人骨として発見された港川人と呼ばれる古代人の生活の場だったのではないかともいわれているようだ。ワクワクする。

ガンガラーの谷ツアーは2008年にオープンした完全予約制のガイドツアーだが、当日空いていれば予約可能だし行く価値があると思った。洞窟カフェと勘違いしてイロモノだと思っていたら大間違いで実に素晴らしい体験だった。ちなみにカフェはいまガイドツアー参加者だけの待機所として営業していて飲みもの以外は出していなかった。ただ音楽ライブも開催されることがあるようで、そのときはライブハウスになる。それもいいな。

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80分程度のツアーだったがあっという間に終わった。暑すぎず天気もよく本当に来て良かった。ガンガラーの谷は超オススメだ。ツアーの出口は隣のおきなわワールド(玉泉洞)の駐車場前だ。この日最後の時間帯だったので玉泉洞は閉館していた。

11年前はここでドライフルーツを買い込んだことを思いだした。玉泉洞の鍾乳洞もなかなかすごいが、山口県人は秋吉台秋芳洞を知っているので対抗意識というわけではないのだが鍾乳洞だけでは驚かない(笑)。

ガンガラーの谷のガイドツアーを解散して、三々五々帰っていくツアー客たち。ほとんどはレンタカーと思われる。我々二人だけが取り残された。さてどうやって帰ろうか。妻がスマホで「新城バス停」を見つけた。ここから1.3km先で徒歩17分だった。

googleMapの高低差の悪夢がよみがえったが、来たことのない土地の散歩は二人とも嫌いじゃない。ガンガラーの谷を歩いた後ではあったが、もう夕方で多少涼しい。テクテク新城バス停まで歩いてみることにした。多少の高低差はあったが、安座間港から斎場御嶽への道のりとは雲泥の差であった。

新城バス停には18:00頃についた。次のバスは18:24だった。バス停に座るイスもある。夕方で裏の建物の影にも入れた。何の問題もない。座っているとタクシーが近づいてきて速度を落とし運転手がこちらに目配せしてくる。こちらは手を振りバス停を指さす。タクシー運転手はちょっと口元を緩めてうなずき速度を上げて走り去った。そう路線バスがある限りはバスに乗るのだ。

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ほぼ時間通りに来た琉球バスに乗り那覇市内の県庁南口まで。今朝、安座間港へ行くときに反対方向のバスに乗ったバス停が県庁南口だった。一周して来たわけだ。なんだか盛沢山の一日だった。19:00過ぎごろに着いた。

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夏旅2023 夫婦編(6)~ ニライカナイ橋の展望台に立ち寄り ~

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●ニライカナイ橋の眺望

斎場御嶽入口の南城市観光協会でタクシーを呼んでもらいガンガラーの谷へ向かうことにしたとき、タクシーで行くならニライカナイ橋の展望台に寄ることが可能かをとっさに職員さんに聞いていた。せっかく路線バスでなくタクシーなんだからという気持ちで。そしたら時間的にも問題ないということで立ち寄ることにした。

ニライカナイと聞けば「ニライカナイからの手紙」という2005年の映画をすぐ思いだす。そもそも私の沖縄好きはNHK朝ドラの「ちゅらさん」から来ていて、国仲涼子さん握手会にも行った。そこから沖縄を舞台にした作品をいろいろ見始めて、そのなかに「ニライカナイからの手紙」もあった。たしか休暇をとって平日に文化会館での上映会を見に行ったんだった。主演の蒼井優のポスターのイメージが新鮮だった。

それ以上の情報はないわけだが。しかし展望台というからには行ってみたくなった。タクシーが来ると職員さんが「ガンガラーの谷まで行かれるけど途中にニライカナイ橋の展望台に寄ってください」と運転手さんに伝えてくれた。

乗り込むとすぐにタクシーの運転手さんは「台湾から琉球に来て56年になる」と身の上話を始められた。どういう心境だったのかわからないがご本人の昔話をいろいろと話してくれた。こちらも必死に沖縄の知識を絞り出しつつ、前に来たのは34年前くらいで道路も左側通行から右側通行になってすぐだったといった相槌を打つと即座に「730」について話してくれたりした。また方言が消えていくのはさびしいという流れから「方言札」の話などもしつつ、ニライカナイ橋の展望台にはすぐに着いた。

タクシーから降りて直線の道を数十メートルあるくと展望が開ける。展望台といってもちょっとした景色の良い路肩といった感じ。ニライ橋・カナイ橋は新しい道路で歴史的な建造物でもないのでそれほど感動はないが、途中で寄れたという満足感はあった。ここで妻が撮った風景写真のなかに蝶が写り込んでいた(上右写真)。おそらく大きな蝶なのでオオゴマダラではないかと思う。沖縄県の県蝶となっている。

数分の立ち寄りだったが、寄り道大好き(だから行き当たりばっ旅大好き)なので良かった。そこから約20分でガンガラーの谷についた。その道すがら大規模な工事現場の横を通った。ショッピングセンター的なものが出来るようだ。風景も時代とともに変化していく。

●ガンガラーの谷へ

ガンガラーの谷には15:20くらいに着いた。受付にあるいていくと大きな鍾乳洞のなかにカフェがある。ここがツアー参加者の待機所になっていて、1ドリンク(飲み放題)を注文してハイビスカスティを飲んだ。15:40の回もまだ空きがあると言われたが、カフェで冷たいものを飲みたかったので予約通り16:00の回のままにした。

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夏旅2023 夫婦編(5)~ 斎場御嶽 ~

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国道331号を歩き疲れてようやくたどり着いた斎場御嶽のチケット売り場。とりあえず冷たいものを食べようと売り場横のかき氷屋さんでマンゴーかき氷とジェラートを食べた。こういうものを食べるとすぐに喉が渇くのだが、わかっていてもこの時ばかりは食べずにいられなかった。

少し休んでチケットを購入した。斎場御嶽の入口まではここからまだ500mほど先にある。あざまサンサンビーチからここまで過酷な坂道を歩いて来た。普通なら心が折れる真夏のロードだった。妻が歩けるタイプで良かった(不満はあっただろうが…)。

斎場御嶽への道のりで琉球コーラ缶を購入。炭酸が飲みたい気分でもあった。

私は11年前にガジ丸さん(故人)に連れられて来た斎場御嶽だったが、その時は目の前に軽トラを止めてふらっと入っていった記憶がある。それがいまや入口は完全に観光地として整備されていた。学習施設のようなものがあり注意事項などをビデオ鑑賞してから入場する。

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なかに入ると11年前と変わらない静かな森だった。米軍の艦砲射撃によって出来た砲弾池もそのままあった。しかし三庫理(さんぐーい)は立入禁止になっていて柵の外から三角形岩のすき間を遠めに眺めるだけ。岩が崩れる危険があるからだとか。以前は三庫理からハート型に空いた樹木の葉の奥に久高島を眺められたのに残念だ。2012年のブログのタイトル画像はそのときの写真を使ったものだった。

11年越しに久高島には渡れたが三庫理からの眺望は失われていた。月日の流れを感じた。だが琉球の歴史からすればほんの一瞬に過ぎない。観光地とはそういうものだ。

久高島を眺める場所は三庫理よりももっと手前に「久高島遥拝所」が作られていた。11年前にあったかどうか記憶にないが、斎場御嶽に久高島遥拝所は必須だと思う。今朝久高島を一周して(ヤグルカーからこちら側を眺めて来て)、午後に斎場御嶽から久高島を眺めている。路線バスと過酷な徒歩の旅を満喫していた。

●ガンガラーの谷を目指す

斎場御嶽からまたチケット売り場に戻ってきたのは15時前だった。隣に南城市観光協会があり涼みに入ってみた。そこでも斎場御嶽に関する展示・上映会をやっていた。職員の方にどうぞと促されてその動画をしばし鑑賞しクールダウン。

さて、ここからまた路線バスの時間を確認して那覇へ帰るかと考えていたが、妻はもう一カ所ガンガラーの谷という観光スポットに行けないかなと言い出した。そこは初日の候補地として久高島・斎場御嶽と並んで挙げていた第三の候補地だった。

ここは観光協会でもあるし職員さんにガンガラーの谷について聞いてみた。するとパンフレットを渡してくれて16:00からのガイドツアーもあることを知る。タクシーを使えば16:00に間に合うというので、パンフに書かれた電話番号に電話してみたところ空いているという。それで即時予約すると同時に、妻に目配せをして観光協会の職員さんにタクシーを呼んでもらった。

タクシーはほんの10分も待たずに到着した。さすが世界遺産の観光地だ。我々はついに初日候補地すべての観光を達成できることになった。

案ずるより産むがやすし。この道を行けばどうなるものか危ぶむなかれ。そんな大げさなものではないが、いま思えばこの沖縄旅行は台風5号と6号のはざまに奇跡的に天候に恵まれた一週間の旅行だった。あと二日遅く出発していたら予定通り帰れなかっただろう。そういう偶然のなかで生まれた沖縄旅行の初日だ。レンタカーならたやすく回れたのかもしれないが、たやすくないからこそ良い思い出になるような気もした。

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夏旅2023 夫婦編(4)~ あざまサンサンビーチから国道331号へ ~

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久高島から安座間港フェリー乗り場まで高速船で戻ってきた。GoogleMapを見るとここから斎場御嶽(せいふぁうたき)まで歩いて25分。ハワイ島で1時間歩いた我々だ。まだ正午を回ったばかりだし、行けない距離ではないと歩くことにした。これが後から大変な道のりになるのだが、この時は久高島か斎場御嶽かの二者択一だと思われた両方に行ける高揚感に浸っていた。

歩くと決まれば、あざまサンサンビーチのインスタ映えスポットも見ていこうとビーチ方面に歩き出した。天気も良かった。ブランコやハートの鐘の前で写真を撮り、青い海を眺めながらペットボトルの水を飲む。しばしビーチの気分を楽しんで、サンサンロードに出て歩き始めた。

GoogleMapの案内によると、マルチャ石という史跡の横から舗装されていない駐車場のなかを通り、コマカ無人島行きフェリー乗り場を通って国道331号へ出るルートだった。

いま考えると歩いていくには最短だし最適ルートなのだろう。ただGoogle Mapは西部劇の酒場のマスターのように「歩きはやめとけ」と言ってはくれない。そこが盲点だった。真夏の高低差に人間は弱いことをGoogle Mapは知らない。そしてとんでもない坂道を“登る”はめに。

この坂道が尋常ではない。おそらく電動アシスト自転車でもあきらめて自転車を押して歩くだろう。下手すると自動車でも怖いくらいの坂道なのだ。途中に一カ所だけあった木陰で休んで水を飲みながら登り切った。それだけの坂道なので景色が開けたところでは美しい景色を拝めたのがせめてもの救いだった。同時にさっきまであの海岸線にいたのだと思うと、この高低差を歩いてきたことへの驚きもあった。

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ただ目的地は斎場御嶽だ。坂道の頂上はようやく国道331号であり、ここから斎場御嶽までまだ坂道は続く。歩道もあるにはあるが雑草が生い茂り歩きにくい。歩いている人などひとりもいない。交通量が多く車はひっきりなしに横を通る。

この時ばかりは久高島と斎場御嶽とを連続して巡るにはレンタカーが最適だと思った。フェリー乗り場でタクシーを呼ぶことも出来るがタクシーなら1分なので待ち時間のほうが長くなりそうだ。路線バスなら12:44安座間港FTから斎場御嶽へ向かう路線バスがあると思う。これを待つのが賢明だったかもしれない。ただここで徒歩の厳しさを知ったことはこの後の行程には多少役立ったかもしれない。

暑さのなか国道331号を歩いていると、ゆるやかなカーブのところにコマカ歯科クリニックの駐車場が見えてきた。咄嗟に「日陰だ」と思った。それほど過酷な行程だったのだ。あそこで小休止して水を飲もうと考えて近づくと、その先に「斎場御嶽」の文字が見えた。バス乗り場やチケット売り場がそこに見えた。それで小休止はせず、吸い込まれるようにチケット売り場の建物へ…。

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夏旅2023 夫婦編(3)~ 久高島 ~

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20230724_083930 7月24日(月)沖縄(那覇)観光初日。この日は斎場御嶽(せーふぁうたき)へ向かうか久高島へ渡るか迷っていた。どちらも妻の関心が高いパワースポットだ。私は11年前に斎場御嶽は行っているが、久高島にはハンザナシー行事の時期で渡らなかった

ハードルが高いのは久高島だった。那覇の県庁南口から港まで路線バスで約1時間は見る必要がある。久高島に渡る方法はフェリーか高速船の二択だが朝は8:00発か9:30発かの二択になる。

ホテルの朝食は6:30からなので食べてから行くなら9:30の高速船が現実的だ。ホテルの朝食は沖縄料理のビュッフェスタイルでぜひ食べたかったので、6:30から食べて高速船に乗れる時間を検討した。

しかし今度は路線バスにちょうどよいバスがない。とはいえ交通渋滞などもあるので少し早めにつく分には良いと考え、7:33県庁南口発で8:30頃に安座間港(あざまサンサンビーチ)に着く338系統斎場御嶽線を見つけた。

朝食を50分くらいで食べ終えてすぐにバス停に向かえば間に合いそうだ。国際通りあたりから朝向かうには、この338系統しか選択肢はないと思った(土日なら8:02発)。久高島に渡れずとも338系統なら斎場御嶽まで行けるので両面待ちの構えだ。天気も良かったので「久高島に渡る」という第一候補地目指して出発した。

●久高島でサイクリング

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338系統のバスは順調に進み、定刻通りあざまサンサンビーチ入口の停留所についた。千円札をさっそく両替。降りたのは我々だけ。といっても乗客も少なかったが。フェリー乗り場まで歩いていった。建物の前まで来ると11年前にここで引き返した記憶が蘇った。あの時と同じく野良猫がこちらを見ていた。

待合室に入ると涼しい。9:30の高速船チケットを往復で購入した。このとき時刻表と久高島の簡単な地図が描かれた紙をもらった。トイレにいったり開いたばかりの売店を見たりして過ごした。高速船運行時間が近づくとタクシーなどでやってくる他の観光客も増えてきたので、少し早めに船に乗った。

高速船のなかは冷房の効いた室内と扇風機だけの部屋と海風に吹かれるデッキとあったが、冷房の部屋に座った。涼しくて揺れも少ないが高速船だけあって波しぶきが大きく、窓からはほとんど何も見えなくなる。それはそれで迫力もあるが。

久高島の徳仁港に着いたらまずはレンタサイクルを借りるため船待合所売店へ。最近は電動キックボードを貸し出す業者も多い。これは他の観光地も同じだった。普通の自転車、電動アシスト自転車、電動キックボードなど選択肢は増えている。我々は普通の自転車を借りた。時間はどのくらいかかるかわからなかったが、戻りの高速船は2時間後、フェリーなら4時間後なのでとりあえず3時間コースにした。年季の入った自転車だった。

高速船のチケット売り場でもらった地図をもって走り出す。高低差はあまりないので電動アシストは不要だった。まずはイシキ浜方面へ走り最初のピザ浜で海岸に降りてみた。台風5号の影響もあるのか風は強かったが最初に見る久高島の海岸はとても気持ち良かった。他にも自転車で女性2名がいた。車もやってきたので先に進んだ。

自転車コースは島の東側から巡りカベール岬まで行って島の真ん中の道を戻るか、時間があれば西側の海岸や史跡を見て回るかになるとネット情報を得ていたが、イシキ浜を見た後に、ジグザグにカベール岬まで行ってみたくなり(前を行く自転車女子とずっと一緒というのもなんとなくオリジナリティがないようにも感じて)、左折してヤグルカーに向ってみた。

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西海岸のヤグルカーからの景色は東海岸と海の色が違った。これぞ目指していた南国景色だった。自転車と電動キックボードを借りて男女で乗り換えながら巡っていたカップルがいた。思わず「すごくきれいな景色ですね~」と声をかけてみた。そしたら男性のほうが「ほんとにそうですね~」と答えてくれて、この先は行き止まりだけど景色は素晴らしいという情報をくれた。

都会の日常で他人に話しかけることなどまずない私だが旅先では人格が変わる(笑)。いや、本来の自分に戻るのだ。基本的に声掛けする人になっている。一期一会はそこからしか生まれないから。

ヤグルカーからロマンスロードを通り、一路カベール岬へ。最後の直線はTHE島の道なのだが、日差しが強く疲れた。

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カベール岬(ハビャーン)は琉球開闢(かいびゃく)の祖アマミキヨが降臨した聖地とされる。どのコースから来てもここを目指すのが久高島観光なので観光客は多かった(といっても20名もいなかったが)。自動車でも来れる。突端で祈っている女性もいた。神聖な気持ちになる聖地なのだ。

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この時点で11:00過ぎだった。12:00の高速船で戻るか14:00まで残るかだが、12:00に港まで戻れそうな感覚があったので12:00の高速船で戻り、そこから斎場御嶽を目指すことにした。3時間コースを2時間で切り上げるわけだが、3時間コースにしていた分、余裕を持ってヤグルカーのほうへジグザグ走行できたわけで急ぎ足でもなかった。ここからさらに2時間後のフェリーまで残るより、久高島と二者択一で行けないかと思われた斎場御嶽を目指しセットで観光したいという欲も出てきたのだった。

カベール岬からの戻りは東海岸を通った。大きなガジュマルの樹のベンチ前を抜け、イシキ浜を通り、途中から右折したりしながら通っていない道を探りつつ船待合所売店へ向かった。

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その道すがら、茂みの中から下手な尺八のような音が聞こえてきて思わず自転車を止め動画モードで茂みを撮影(youtube)していた。動画を撮るためでなくその音を記録するためだった。その音はチュウダイズアカアオバトの鳴き声に違いなかった。

2013年に石垣島を旅行したのだが、そのときに録音したリュウキュウアカショウビンの声に紛れてたまたま録れていたのがチュウダイズアカアオバトの声だった。そのあまりにも特徴的な鳴き声を忘れたことはなかった。まさか久高島の真昼間に聞けるとは思っていなかった。飛行機の音が近づき鳴き声がすぐに止まってしまったのは残念だった。しかしこの一瞬の遭遇は琉球の神様の粋な計らいだったように思えた。

自転車を返して港に着くと帰りの高速船は既に停泊していた。暑かったが帰りは冷房室ではなく扇風機のある席に座って戻った。たった2時間の久高島だったが11年越しの訪問に満足していた。妻も初の離島(?)が久高島で満足していたようだった。

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夏旅2023 夫婦編(2)~ 沖縄へ到着 ~

7月23日(日)羽田空港13:40発、那覇空港16:15着のJAL917便で沖縄へ。機材変更というアナウンスがあり、搭乗1時間前まで手荷物を預けられず、試しに自動チェックインを操作したらエラーメッセージカードが出てきた。こういうエラーとかドキっとする。とりあえず乗れて良かった。搭乗前に空港内のカレーうどん店cuudにてハーフ&ハーフカレーうどんを食べた。これもなかなか美味かった。

那覇に着いたら今度は預けた手荷物が一向に出てこない。宮崎空港での悪夢が再来かと妻と笑って待っていたが、私のスーツケースだけ出てこない。結局最後の一人になってしまい、笑い事ではなくなりそうだと思ったら出てきた。スーツケースの取っ手がひとつ壊れていた。

おそらく作業員はどんな人間の荷物か裏から見ていたのではないだろうか。それでオレなら大丈夫そうだと壊れたままベルトコンベアに乗せたのではないか。あるいは宮崎空港での取手破損の情報が共有されていて「またあいつの荷物か!」と何度も壊れるのは荷物のせいだと思ったかもしれない。すべて私の妄想だが。

ただ今回のケースでは取っ手のネジが緩んでスーツケースの中に落ちて外れただけだったのでJALも弁償するほどの事故ではないと判断したのだろう。私もホテルについてスーツケースの荷物を全部出し、中に落ちていたネジを見つけてメガネ用にたまたま持っていたドライバーセットの一番大きなプラスドライバーで直せたので一件落着だった。悪いのはアメリカンツーリスターの柔なスーツケースだ。取っ手の位置も中央でなく加重に弱そうだ。買い換えたい…。

●那覇到着

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那覇空港から県庁北口までゆいレールで移動。ゆいレールはSuicaが使えるので便利。小銭を気にしなくてよいのはホッとするな。8月には沖縄でバスケットボール世界大会があるようで、その広告が車両ジャックしているラッピングゆいレールもあった。

初日から2連泊したホテルはWHGホテルグループグレイスリー那覇。国際通りの中にあり便利だった。入口からエレベータまでのエントランスホールがとにかく涼しい。真夏のシェルターかというくらい冷房が効いていて気持ち良かった。

到着が夕方だったので、ホテルでちょっと休憩したのち近場で夕食をとろうとお店を物色。こういうとき妻が頼りになる。美味しいものを探すことにかけてはOLの王道で鍛えた審美眼(?)が冴えわたる。場所は国際通りでもあり、どこも美味しそうに見える。

入ったお店は炙るチェリチェリ。まだ時間が早かったのですぐに座れたが2時間制と言われた。おそらく20時くらいから混み始めるのだろう。古民家を改修した掘り炬燵のおしゃれな空間で沖縄料理の定番やお店自慢の炙り料理をいただく。あれもこれもと食べたくなる。ジューシーおこわ稲荷で締めた。

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夏旅2023 夫婦編(1)沖縄路線バスの旅

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はいさい!7月23日(日)から沖縄旅行に行ってました。連日37℃と猛暑が続く首都圏を離れて32℃くらいの沖縄へ。もはや沖縄が避暑地になりつつありますな。

出発前に台風5号が発生しどうなることかと天気予報アプリとにらめっこしていましたが、台風5号はそれて行き天候も崩れること無く過ごせました。帰宅した7月29日(土)には台風6号が沖縄方面に向かい始めたので、結果的には台風の狭間の日程になりました。

沖縄本島への旅行は11年ぶりですが、前回は基地反対テント訪問や害獣駆除された猪肉をファームで食べるとかかなりディープな旅でした。ガジ丸さん(故人)のブログに当時の高江のテント訪問記があります。

今回は夫婦で観光地の沖縄を巡る旅行です。そういう意味では小学生の頃に両親の社員旅行で来て以来なのでほとんど初観光のような感覚でした。ただ11年前の訪問地や当時行けなかった久高島を再度目指したりもしました。島に渡れたのかどうかは後述する予定です。

今回の観光は6泊。那覇で2連泊、名護で2連泊、那覇に戻ってふたつのホテルに各1泊を予約しました。行きたい候補地を二人それぞれ出してそこを線で結ぶという決め方は過去の夏旅を踏襲してるかも…。

ただコンセプトとしては路線バスでどこまで楽しめるかになりました。二人ともいまやペーパードライバーなので交通機関を駆使して観光地を巡りました。

 

路線バス旅のへ準備

20230723_201751 レンタカーと比較すると路線バスの機動力は落ちそうですが、出来るだけ時間を有効に使おうと考えるようになり、なかなかメリハリのある面白い旅行になりました。

路線バスで巡る旅で最重要な準備は「千円札と小銭」です。日常的に現金をほぼ使わなくなって久しいですが、沖縄に限らず国内旅行に行く前には意識して小銭をストックしてます。日本全国まだまだ現金オンリーの店も多いです。路線バスを駆使する場合、降車時に両替出来るのは千円札だけのバスも多いですね。沖縄もこの原則通りでした。

予約不要の高速バス(やんばる急行バス等)ではクレジットカードが使えましたが、通常の路線バスでは千円札の両替だけです。その小銭を作るために乗る直前に少額の買い物で万札を使うのは個人的に好きではないので、旅立つ前に千円札を20枚くらい用意して、小銭もジャラジャラ持っていきました。万札はタクシーを使ったときなどに使い、そこで千円札と小銭をゲットするといったゲーム感覚で現金の増減管理をして過ごしました。

沖縄本島のバスはなかなか複雑でした。バスの種類によって乗り場も微妙に異なりバス停の形も違います。どこにどのバス停があるのか最初は戸惑いました。高校が夏休みの間は路線が変わるところもありました。

遠距離移動には高速バスが便利です。高速バスにもバス停があり事前予約不要なバスがあるのは助かります。バス停で行き先を告げ前払いで乗り込みます。スーツケースは自分で側面のトランクスペースに出し入れします。

高速バスにも何社かありました。那覇と名護の往復にはやんばる急行バスを利用しました。美ら海水族館から名護市役所までも使う予定でしたがバス停についたとたん雨が降り出しました。そこに赤いエアポートシャトルバスが到着したので、そっちのバス停を見に行くと運転手さんが乗せてくれるとおっしゃるので前払いでカード払いして乗りました。

路線バスは那覇市内の循環バスと那覇市外に行くバスとがあります。循環バスは前払い(240円)、市外は整理券で後払いでした。行き先を基準にバスを探しますが、覚えるのは「何系統か」のほうがわかりやすかったです。市外行きは一時間に一本あるかないかの場合も多く、バス停に貼ってある時刻表もセロテープなので剥がれかかっていたりしてスマホの時刻表検索は必須でした。

検索エンジンで「何処から何処までバス」で検索し、それが何番の系統のバスかと2人分の金額を検索して小銭を準備しました。

バスはまぁ時間通りに来ますが、那覇は渋滞してるので15分程度遅れることもありました。それで待っているバスと違うバスが来て結果的に早く乗れたりもしました。

バス停で迷ったら来たバスの運転手さんに行き先を告げて聞いてみるのも重要ですが、那覇市内はひっきりなしに来るのでいちいち止めるのは忍びなく、まずは何系統に乗るかを検索しておき、路線が変更になっていないかを確認する意味で乗るときに聞く感じでした。

まだ初日の記録に到達出来ない…。いつも通りの長文になりそうです。8月に時間を見つけては続きを書いていきたいと思います。旅は帰ってからも楽しいもの。思い出を熟成させつつ推敲するのも楽しいわけで。

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