夏旅2022 夫婦編(11) ~福岡二日目福岡大仏から博多ラーメン~
南蔵院を出たのが、12:32だった。次の電車は12:35だが、さすがに間に合わないと思いその次の12:53に乗るかと思いつつ駅のホームに向かったらベルが鳴り始めた。12:38だったが3分遅れで発車した電車に乗れた。この日の乗客はそれほど多くなかったが、多少余裕を持って乗せてくれるのかもしれない。とりあえず良かった。
13時過ぎに博多駅に戻ってきて、その足で南岳山東長寺に向かった。空海(弘法大師)が最初に開山したお寺だそうだが、木造座像としては国内最大級の福岡大仏がある。無料で見ることが出来るが、蝋燭と線香を買って参った。また福岡大仏の台座の中にも入れる。そこは地獄極楽めぐりと呼ばれ、様々な地獄絵図を見た後に、真っ暗な通路を通って外に出る。この暗さが尋常じゃない。漆黒の闇なのだ。
まずは夏旅2019で行った直島の南寺か。ジェームズタレルと安藤忠雄とが作った南寺は、まさに漆黒の闇をアート作品として体感する寺だった。今年の瀬戸内芸術祭は行けないので代わりに読んだ『直島誕生』には家プロジェクトについても詳しく書かれており、読み応え充分だった。
福岡大仏のほうは、手すりを左手で触ったまま進み、右手で途中にある仏の輪を触ることが出来れば極楽に行けるという趣旨だった。私は危うく素通りするところだったが、後ろから妻が「輪、輪!触って」と叫んだのでギリギリ触ることが出来た。どうやら私は妻なしじゃ極楽に行けないようだ。
暗闇を手すりに沿って進むというのは、2001年にハワイでダイヤモンドヘッドのなかに入った時を思い出した。そこも暗闇だった。体勢を崩して右手を出したところに外国人のおばさんがいて、なにやら叫ばれたことがある。それも思いだした。パードンと言って先に進んだ。パードンは映画「ラ・ブーム」で覚えたセリフだった。
もうひとつ暗闇といえば、知人がやっていた暗闇体験イベントもある。真っ暗闇の中で精進料理を食べるというイベントで、五感を研ぎ澄まして食べることに集中するという変わったイベントだった。これもどこかの寺でやっていて誘われたが遠慮した。もう20年以上前の話だ。
暗闇というものは様々なことを思い出させる(違うか?)。この福岡大仏は撮影NGだったので写真がなく、思い出話が長くなった。
福岡大仏を後にして、遅めの昼食は、博多とんこつラーメンだ。博多に来てとんこつラーメンを食べずに帰るわけにはいかない。どのラーメン屋が良いか前々から考えていたが、いま人気があり、歩いて行ける距離に博多一双祇園店があったのでここにした。ホテルまでの途中でちょうどいい。
覚悟はしていたが14時過ぎでも行列していた。スーツケースを持って並んでいる客も多い。ハーレーダビッドソンが2台並んで横づけしていた。横浜ナンバーだった。30分強並んでようやく順番が回ってきた。
前のギャル2名が麺の固さを聞かれて「カタめで」と言っていたが、その後「麺の固さ変えられますか?バリカタに」と注文し直していた。しかし我々は「麺の固さは?」「ふつうで」「両方、ふつうですか?」「ふつうで」
おそらくラーメン好きなら豚骨ラーメンを固さ「ふつう」で食べるなんて素人丸出しなんだろう。店員さんも一瞬ためらったように感じた。私もラーメン行脚をしてきた身であるからそのくらいは知っているが、腹が緩くなることも知っている。健康のためにも、もう麺カタを食べることはないと思う。とんこつに限らず。時は流れる…。
一双の味玉チャーシューメンは美味かった。それほどハードなとんこつでもなく、とてもまとまりの良いスッキリとんこつだった。替え玉はしなかった。妻は本場での初とんこつラーメンだっかが「思ったよりはあっさりしていて食べやすかったけど、もっとハードなのも食べてみたくなった」という感想。最初に魁龍とか大砲ラーメンとか、そういうイメージを語り過ぎていたから、一双のすっきりとんこつにそんな感想を持ったのかもしれない。また「食べるのが遅いから、この細麺なら麺固めでも良かったかも」とも。麺固信仰に与するわけじゃないが、それは一理あるな。今度はくっさいとんこつラーメンを食べに行こう。麺固めで。
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