2021年のこと
今年も残すところ2日となった。2021年(令和3年)という年は未来から見ると分水嶺になるような気がする。特に日本で一年遅れのオリンピックが強行されたのは象徴的かもしれない。これを花道に引導を渡され、先進国から徐々にフェードアウトしていく起点になるかもしれない。安倍晋三政権という前代未聞の堕落腐敗した時代に、国家としての日本は実質終わったという感覚を持っているが、実体経済や一般社会のモラル崩壊の発現にはタイムラグがあり、それらが次々と示現していく起点が今年なんじゃないだろうか。当たらないことを祈るばかりだ。
そんな暗い時代だが、生きる時代は選べない。昨日、『嫌われた監督』について書いたが、そこでアドラー心理学を引いたのは、自分自身の環境も自分自身が望むようにしかならないという思いを再認識したかったから。国家の物語と、個人の物語とは密接だけれども、個人の物語を描いていくことが大切なのだ。
というわけで、次回の夫婦アルバムのラフスケッチになるよう、記憶を掘り起こしておこう。
●2021年前半
正月は今年も新型コロナウイルスにより実家には帰れず自宅で過ごした。妻の実家から送られて来た自然薯をすりおろして食べた。
自然薯の髭をコンロでチリチリと焼き落とし、すり鉢にすりおろす。すりおろした自然薯には味濃いめの鯖汁を投入してさらにすりおろす。これをご飯にかけて刻み青ネギで食べる。この美味さはたまらん。妻を娶るなら静岡県人おすすめです。食材が豊富で。怒られるかな…。
『昭和40年男』の原稿は1月中には書き上げて、2月1日に編集者さんに送付した。その後、いくつかのやり取りをして完成。締め切り前に原稿を上げるのは『まんが道』で学んだ(笑)。人生の節目節目で読んだ藤子不二雄先生の名作。愛蔵版で持ってます。
この仕事は占星術的には「風の時代」が始まるジャストタイミングで依頼をいただいた。不思議な縁だった。とても楽しく書けた。発売は3月11日だった。一方で中島みゆきさんのラストツアーが感染拡大の影響により中止となった年でもあった。来年は急遽ラストツアーライブCDが発売される。
2月13日、震度4の地震でDVDの棚からディスクが飛び出した。今年は、いや今年もか、地震が多発している。南海トラフ地震や首都直下型地震はもはや避けられないところまで来ているともいわれ、TBSの日曜劇場では10月枠で「日本沈没」がリメイクされた。
3月13日は武道館で佐野元春40周年ライブに。昼は銀座の肉いささんで。午後から暴風雨になったが、充実した一日だった。4月10日には松任谷由実ライブ配信をホームシアターで視聴。感染症によってライブ配信も一般的になってきた。
4月25日からフォンテーヌブロー熱海さんへプチ旅行で一泊。2020年のオーベルジュ・オーミラドー以来、オーベルジュが夫婦のプチブームになり、伊豆箱根方面への国内旅行ではオーベルジュが必ず候補にあがる。仙石原もぜひ行きたいと思った。チェックアウト後はMOA美術館を鑑賞した。天気が良くて静かな休暇を過ごせた。
●2021年後半
今年は、マリトッツォブームに乗り、様々なマリトッツォを食べた。なかでもドロゲリアサンクリッカのマリトッツォは最高に美味しかった。こじゃれた店の名前なんてまったく覚えられない私がドロゲリアサンクリッカを覚えてしまうくらいに。今年2回食べた。
このあたりまでは、前回の夫婦アルバムにも掲載済みなので、ここからが必要な情報になる。ふぅ…。
7月30日から一泊だけだが、東京五輪の喧騒と感染症を回避して中禅寺湖へプチ疎開した。中禅寺金谷ホテルも由緒正しい宿だった。滝めぐりをしてマイナスイオンをいっぱい浴びたが、行く前から右足を負傷(捻挫?)していて、杖をつきながらの行程だった。もう回復しないかと思っていたけど治ってよかった。
8月15日からは一泊で房総半島へ。朝から雨が降っていたが、まずは腹ごしらえに成田山に向かい川豊本店のうな重を。成田山も静かな休日を過ごすにはとても雰囲気の良いお寺だった。正月の人混みには突っ込みたくない…。そこから3時間程度のローカル線の旅。土砂降りのなか、宿のリゾートゆうみに到着。近すぎるイメージからか、千葉がこんなに観光地だとは知らず、今後はもっと掘り下げたい地域になった。せっかくなら次回は晴れた日に…。
9月11日、山下達郎のシアターライブ配信を視聴。昔、新宿バルト9に観に行った映画。山下達郎ライブは高品質配信なので、これまではPCスペックの問題で見送ってきたが、今年はWindows10のノートPCを購入していたので、これをホームシアターに接続してスクリーンで堪能した。妻はヤマタツライブを体験したことがなかったので良い機会になった。
9月25日は和光市へ小松亮太さんのバンドネオンコンサートへ。今年はピアソラ生誕100年で良い記念になった。アストルピアソラを知ったのはキムヨナが現役ラストイヤーに舞ったアディオス・ノニーニから。素晴らしい演技に素晴らしい楽曲。こういうつながりの広がりが私の人生の一番うれしい瞬間だったりする。
10月7日にまた地震。震度5強だから相当な揺れだった。10月には衆議院選挙もあった。こちらはほぼ揺れなかった。日本人の鈍感さもここに極まれり。しかしれいわ新選組から3名の衆議院議員が生まれ、山本太郎が国会に戻ってきた。また初当選した大石あきこ議員(れいわ)はかつて橋下徹に抗議した元大阪府職員。維新という愚連隊への強力なアンチテーゼとなってほしいものです。
10月10日に浦和駅のさぼてんでかつ丼を注文して待っていたら突然停電に。蕨にあるJR東日本の変電所火災が原因だった。テロかと思った。お店では調理中、私のかつ丼に卵をいれる直前だった。妻の定食は来ていたので、それを分け与えてもらって食べたが無料にしてもらえた。
10月12日川口リリアホールで松任谷由実コンサート。今回はリアルなユーミンに会えた。やはりコンサートは生が一番良い。誰もがわかっていながらそれが出来ないもどかしさ。感染症はその感染力だけでなく、人間からコミュニケーションや仕事を奪い、ストレスを生む。その二次災害の大きさが侮れない。
10月30日新宿のSOMPO美術館で川瀬巴水展を鑑賞。美術館も事前予約制となり、フラッと行けなくなっている。この日は新宿野村ビル50Fにある星空の中へさんでうな玉ランチの昼食をとり、少し早く美術館についたので受付で予約より早いが入れてもらえないか交渉したところ、客が多くない時間帯だったためOKが出てゆっくり鑑賞できた。
11月23日初台オペラシティで映画「銀河鉄道999」のシネマコンサート二本立てを鑑賞。劇伴がオーケストラの生演奏というオペラコンサートは、平成の終わりに見た「砂の器」が最初だったけれど、それが想像以上に良かったので、機会があれば何度も行きたいと思っている。二本立てはさすがに疲れたが。タケカワユキヒデさんも出演されて盛り上がった。
帰宅途中に妻が帽子を紛失した。オペラシティでも一回落としていて、それは私が見つけたのだが、帰宅中は気づかなかった。JRにもオペラシティにも確認したが見つからず。ヴィヴィアンウエストウッドのベレー帽で大きなロゴが入ったお気に入りの帽子だったのに残念。
11月27日、特に記念日でもないが、埼玉県の共通食事券を購入していたので、うなぎの名店小島屋でうな重コースを食べた。コースはうな重が出てくるまでにお腹いっぱいになる量だったから、今後はうな重だけでいいなと思った。今年は鰻を多く食べた年だったな。
そして12月7日、個人的には今年最大のイベントだったキング・クリムゾンの日本ラストコンサートの追加公演でオーチャードホールへ。平日で妻は仕事もあり、プログレは敷居が高そうだったので一人で行った。もう見れるとは思っていなかったが、チケットがあることを数日前に知り、行けるなら行くしかないと思った。これが大正解だったわけだ。
現在のキングクリムゾンはトリプルドラムを前面に出した7人編成で、実に重厚で素晴らしいサウンドだった。とにかくトリプルドラムというアイデアは斬新でいて説得力があった。奇をてらっただけでないところはさすがにロバートフィリップだ。もし数日ずれていたら新型コロナの感染拡大懸念で開催できなかったかもしれない。パンデミックの間隙を縫うように来日して、ホテルでの隔離生活も送りながらの日本ファイナルツアーをしてくれたメンバーには感謝しかない。その場に立ち会えただけで最高の気分だった。演奏ももちろん最高だった。
こうしてみると、今年は配信も含めて思いのほかコンサートを鑑賞してる。12月19日にはWOWOWで矢沢永吉武道館ライブが生放送された。これも鑑賞した。矢沢永吉のライブを生で見るのは初めてだったが、さすがのステージだった。立ち振る舞いがまさにカリスマだった。
クリスマスイブには、浦和に新規開店したつけ麺狼煙に妻を連れて行った。私自身は大宮の本店開店以来14年ぶりの狼煙だったが、浦和なら何度でも行けそう。次回はカレーつけ麺だ。
そしてクリスマス、毎年、一陽来復のお札をもらっている穴八幡宮へ。昨年は閑散としていたが、今年は参拝客もずいぶん戻ってきている。無事、お札を受け取り、妻が行きたがっていた表参道のフランセへパニエを食べに行った。ユーミンが好きなお店らしい。そこで期間限定のピスタチオ味パニエを食べた。コーヒーカップとお皿のデザインがとてもよかった。聞くとノリタケ食器によるフランセのオリジナル食器だった。
12月29日、テレビ回りの片づけと模様替え。テレビ台を左右入れ替え、これまでテレビ台に置いていたJBLスピーカを本来のスピーカースタンドに設置し復活させた。その際、テレビ台でつかっていたインシュレーターをスピーカースタンドに置いてみたら、更に安定するような気がした。迫力のある音が迫ってくる。たまには模様替えしてみるものだ。
12月30日(今日)、片付けで置き場のなくなった、S-VHSデッキと、DENONのプリメインアンプPMA-390IIを廃棄した。今夜は外食の予定。大晦日はコンラッド東京のアフタヌーンティに行って来る予定。コンラッド東京はなんだかんだで毎年行ってるな。
海外旅行もできない日々が続いているが、日常はそれなりに楽しんでいた2021年だった。
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