『昭和40年男』で中島みゆきの歌に出てくる女たちを妄想
令和3年3月11日発売の隔月刊誌『昭和40年男』(Vol.66号)の特集は「俺たちをゾクゾクさせたカッコいい女たち」だ。この雑誌の基本は定期購読だけどコンビニや書店でもよく見かける。同世代なので目につきやすいのかもしれない。兄弟誌に『昭和50年男』もあり、もうすぐ『昭和45年女』も創刊されるらしい。ニッチだね。
毎回凝った特集が組まれるが、変わってるのは次号予告が載らないこと。次号発売日の数日前まで、どんな特集かは秘密になっていて、発売直前に編集長が公式ブログでつぶやき、読者は初めて特集を知る。メイン読者が定期購読の雑誌だからこそ出来る大胆な仕掛けかもしれない。
今回は3月6日(土)にコンテンツ情報が解禁された。表紙は小泉今日子さんだ。いや~、カッコいい女の代表にふさわしい人選だね。これは店頭でも売れそうだと直感したが、実はこの第66号がどんな特集かをボクは事前に知っていた。なぜなら今号に「中島みゆきの歌に出てくる女たち」を書いたから!
9年前に『ねこみみ』というムックが発売され、そこに「中島みゆきの歌詞に住む猫」というマニアックなコラムを書かせてもらったのだけど、そのときの編集者さんつながりで、今回のコラムを昨年12月に依頼された。その日は占星術界隈では約240年ぶりに風の時代に転換する日だった(いわゆるエレメントが変わるグレートコンジャンクション)。ちょっと風に吹かれてみたくなりお受けした(なーんて)。
今回のお題は「カッコいい女たち」の文脈で中島みゆきの歌に出て来る女たちを語ったわけだが、面白くも難しい課題だった。書いてるうちに、歌に出て来る女たちと中島みゆきさんご本人とがごっちゃになり、無意識に中島みゆき論になりがちだから。そこを意識的に書き分けることが僕なりの歌詞論でもあるので頑張った。
また、昔から(そして今回のプロフィールでも)“妄想的歌詞解釈”なんて言ってるわけだが、これはそもそも歌詞解釈に正解などないという大前提のなかで、それでもメディアに言説を流している言い訳だ。照れ隠しともいえる。
今回は「夜会」に敬意を表して、僕なりの言葉の実験劇場というか、「中島みゆきの歌に出て来る女たち」をテーマに、歌の女たちによるリミックス作品を創作する気持ちで書いた。初期の「夜会」がやろうとした構造をコラムという形式のなかでやってみようというささやかな裏テーマが僕のなかにはあった。
高校時代からこすぎじゅんいちさん(故人)や田家秀樹さんの中島みゆき本を読んできたボクにとって、文章で中島みゆきさんを語りそれをメディアに載せてもらえるなんて夢のよう。こうして昔の縁で声をかけてもらえるのは中島みゆきファン冥利に尽きる。それだけにボクなりの書き味で雑誌のバラエティに貢献したいと思って書いたつもり。ファンとして生きた時代に小さな足あとを残せた感があって…。まぁ残していいものはひとつだけなのではあるが、それも含めて今号を中島みゆきファンにも中島みゆきさんにも読んでもらいたい!
ちなみに目次を見ると、カッコいい女たち特集の各パートのなかで、中島みゆきさんとユーミンとがペアになってるのにお気づきだろう。「松任谷由実の歌に出てくる女たち」があることは、原稿を書き上げてからゲラのリードを見て知った。先に知っていたら肩に力がはいっただろうか!?うーん、早く読みたい。
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