2020年のこと
振り返れば、今年はブログを1つしか書いてない。それも小池百合子なんかのことだった。都知事選落選を願ったが現職として圧勝した。そしていま東京は暗闇のなかをさまよい続けている。
2020年は歴史上稀に見る疫病の年となり、いまだ終わりが見えない。安倍晋三の嘘も小池百合子の嘘も、もはや歴史の大局とは関係のないゴシップ、スキャンダルとなり、2020年は新型コロナウイルスCOVID-19が世界中をパンデミックに陥れた年として記録される。カミュの『ペスト』やデフォーを扱ったNHKテキスト『ペストの記憶(100分de名著) 』が書店の平台に並んだ。
しかし、日本という国家のタガが外れ(私はもう滅んでいると思っているが)、安倍政治の嘘にまみれた7年間が終焉した年でもあった。安倍政治に翻弄されて自決した官僚のことも、カネにまみれたあらゆる嘘もそのままにして、ただ総理大臣を辞めた。持病の再発が理由だった。これがウソでなければよいが、また復活しないとも限らない。
嘘にまみれた政治と嘘のような世の中とで、今年の漢字は「嘘」とした(画像は毎年おなじみの漢字辞典オンラインさんから引用してます)。
最近は、旅先や出先でスマホを使って写真を撮れば、場所も時間も記録してくれる。だからブログに残さなくても自動的に旅日記は出来てしまう。あとは「公開してみるか」というモチベーションを持てるかどうか。独身の頃はひとりの時間もあったし、妄想を言葉にする楽しみもあり、それをネットに書くことで多少なりとも反応をもらえて喜んだりした。
結婚後はブログの優先順位が下がったとはいえる。ひとくち“かます” だけならツイッターで事足りる。毎年6月に1年分の写真から厳選して夫婦のアルバムをPhotoZINEで作っている。増刊号も合わせるともう6冊くらいか。これが楽しい。一年間を振り返りながら1冊のMOOKを作っていく感覚。そこに文章も書く。記録はもうそれで充分という気分もある。
ただ、そのアルバムの文章をブログを読み直しながら記憶をたどってコピペすることはある。だからやはりブログも必要だと思い、年末に書いておこうと思い立ったわけだ。ブログは未来の自分への手紙でもある。
ちなみに右の画像は9月に行った日光東照宮の階段にあった自動販売機。おーいお茶がズラッと並んでいて、思わず「多い!お茶」と叫んでしまった。ここにしか置き場がなかったので、ここに載せておきたい。
●2020年のメモ
正月は2月のキッチンリフォームを控えて大掃除に充てた。それで実家には帰らなかった。こんな疫病の時代になるなら帰っておくべきだったかもしれない。初詣は大宮の氷川神社に詣でた。年明けの連休は、毎年の恒例行事で友人たちと祐天寺で飲み会をした。これも来年は厳しいかもしれない。密を避けねばならない。菅義偉や二階俊博などの政治家のように会合三昧とはいかない。
2月はキッチン&トイレリフォームをした。2019年の秋からショールームを観に行ったりリフォーム業者さんと打合せしたりと忙しかった。キッチンはトクラスに決めた。ホワイトキッチンが妻の希望で、ではどんな白を選ぶかとなったときに予算とグレードとの兼ね合いで「白練」にした。扉の角にアールをつけた処理もポイントが高かった。扉のサイズは縦900mmと大きな収納にした。トクラスは元ヤマハグループだ。ピアノ塗装の技術を持っているということもさることながら、やはりヤマハ=中島みゆき、これだ。結婚式は葛城北の丸、キッチンはトクラス、そゆこと。
今年も新国立美術館にDOMANI明日展を鑑賞に行った。その道すがら、梅の咲き誇った青山霊園を散策し、星新一さんのお墓を参った。美術展の後は渋谷で佐野元春ライブを鑑賞し、妻と友人らとでスープカレーを食べて帰宅。
3月、高輪ゲートウェイ駅が開通した。その一週間前にそのあたりを散策していた。その時のツイッターでは「今日高輪ゲートウェイ駅が開通した。見物客で混雑してたらしいけど僕の価値観だとこれからいつでも見られる駅よりも、開通前の失われゆく景色と始まる前だけにしか見ることのない未完成の風景が重なる一瞬の時間にこそ面白みがあると思うわけさ。楽屋裏探訪的だけど。それで一週間前に見に行ってきた。 」と書いている。過去と未来の重なる一瞬の時間が好きだ。
リフォームも完了し、そのお祝いというわけではないが、コンラッド東京のコラージュに高級フレンチを食べにも行った。実に美味しかった。アルコールが飲めない妻に名匠ソムリエが薦めてくれたFXピヒラーの葡萄ジュースも美味しかった。今年の3月29日には雪が降った。公園の桜に雪が積もった。
4月、新型コロナウイルスはどうやらそうとう危ないとわかって来た頃だ。マスク不足で、実家から母の手製のマスクが届いたりした。4月10日に大林宣彦監督が永眠。ホームシアターで『野ゆき山ゆき海べゆき』を鑑賞した。
5月、外出もままならないので、久しぶりに素描をしたりして過ごした。シャーペンで妻の絵を描いた。思いのほか楽しいので、ネット通販で新しいスケッチブックを購入。シャーペンのノリがいいと噂の「Too コピックスケッチブックSサイズ」で、暇つぶしのお絵かきにはちょうどいい。とはいえ、多少は出歩いていて、明治神宮百年大祭から新国立競技場のあたりを散策し、シェイクシャックのハンバーガーで遅めの昼食。
6月、都知事選は今年唯一ブログに書いた小池現職が圧勝。れいわ新選組の山本太郎も挑んだが完敗。山本太郎には国政に専念してほしいという支持者の声が多かったが、目の前に救うべき人々がいてそのチャンスがあるならと出た都知事選だった。コロナ禍のいま、山本太郎が都知事だったらどんな都政をしていただろうかという思いはある。妻が『映画に学ぶ!ヒーローの問題解決力』という通信講座を始めた。
7月から8月にかけて、今年の夏旅は疫病で中止にせざるをえず、帰省もしないため、ぽっかり空いた時間で近場にショートトリップすることにした。まずは近すぎて行ったことがなかったが、怖いジェットコースターに乗ろうと東武動物公園へ。思った以上に怖いが2回乗った。2回目は目をつぶってみたが、その方が逆に怖い!ホワイトタイガーも実にカッコよかった。何気に楽しめた。午後から天候が悪化した。
8月5日には、ホキ美術館へ。一度は妻を連れて行きたかったので。微妙に遠いため、GoToトラベルを使って宿も押さえ、美術館の翌日にはアウトレットモールに行った。GoToトラベルはコロナ禍が収束してから始める経済テコ入れ政策だったはずが、小康状態のさなか開始されてしまった。冬にはこれが大失敗政策だとバレるわけだが、このときは税金を使って予算が無くなったら終了ということなので、できる限り使おうと思った。
お盆には草津温泉の宿望雲へGoToトラベル。隠れ家的な宿で、デカい和室と洋室と二部屋続きだった。夕食はデカい和室で、就寝は洋室で、朝食は別の個室ブースでと、ウイルス対策も万全だった。料理もすべて美味しくいただいた。草津の温泉はやはりいい。箱根も好きだが草津もいい。夜の西の河原公園には人影もまばらでお盆の観光地とは思えない静けさだった。
9月になり、さらにGoToトラベルは続く。今度は日光東照宮から鬼怒川温泉へとショートトリップ。日光は草津よりもガツガツしてる感じ。神社仏閣での有り難いお話がすべて商売に絡んでいてお坊さんが営業マンに見えた。まぁそれもひとつの楽しみなのだろうが。鬼怒川方面ではSL大樹にも出会えた。時間的に終点で待つしかないかと思っていたら、途中でSL大樹が私たちの電車を追い抜くときに、外で写真が撮れるとの社内アナウンスに気分が上がった!(乗った電車の運転手さん曰く)東武鉄道が社運を賭けて取り組んでいるSL大樹。カッコよかった。
10月、筒美京平さんが80歳でこの世を去った。90年代後半にボクのプロフィールページ用に作った音楽ツリーを見ると、人生のなかで筒美京平さんの影響がとても大きかったことがあらためてわかる。
11月のとある日のおやつは葡萄。クイーンニーナとピオーネの食べ比べ。ラーメン師匠からフルーツ求道師に路線変更したS氏ご推薦のフルーツ店で買って来た。どっちも美味いが、クイーンニーナの甘さがスゴイ。6月に妻が始めた通信講座の最終月。満点で修了する。この間、テキストに載っている多くの映画を鑑賞したことも良い思い出。GoToイートで大宮のエイジングビーフを食べに行った。
楽天モバイルのフリーSIM機の調子が悪いので、秋葉原まで(メーカー保証外の)電池交換に。5Gスマホの値下げ合戦が喧しいが、通話機能なしなら毎月1200円くらいで3.1GB(翌月繰り越し可)が使えるこの環境(2台持ちの1台)を変える必然性・合理性がない。高額スマホが安くなるということは低額スマホは相対的に高くなるようなもので騙されているとしか言いようがない。資本主義も腐りきったね。
音楽の秋では、ハル・ムーニーに心酔しネット通販で2枚購入。1枚はスイスのショップから、1枚はスペインのショップから。日本以上にコロナウイルスが猛威をふるう欧州からだからか、随分待たされた。しかし実に素晴しい音楽。50年代後半のビッグバンド、オーケストラのゴージャスな音。刑事コロンボなど劇伴で活躍したハル・ムーニーを再評価した年だった。
4回目のGoToトラベルで箱根に行った。これまでは東京を回避していたが、箱根には都内を通らざるを得なかった。箱根ではオーベルジュー・オーミラドーに宿泊。伝説のシェフ勝又登さんのオーベルジュ。シェフも既に70代であり円熟の技を堪能した。日本に本格的なオーベルジュを最初に作ったのが勝又シェフだ。ボクはパリには何度か行ってるけど「フランスの片田舎」って憧れがある。でも敷居は高い…。GoToトラベルさまさまですわ~。いまやるべき政策じゃないけどね。
読書の秋では、楡周平さんの『食王』を単行本で購読した。妻も読了した。楡周平さんのビジネス・流通小説は我が家のプチブームになった。その後、箱根に行くってんで箱根を舞台とした小説を読もうと探し、松本清張の『蒼い描点』や堂場瞬一の『チーム』などを次々と読了した。
12月、友人が東京クリスマスマーケットの舞台で歌うというので観に行った。早めに行ったがものすごい人なのでウイルスを避けていったん会場を出て食事をし、舞台の時間に会場に戻った。まだこの日はそれほど厳しくなかったが、翌週末からは入場規制がかなり厳しくなったようだった。
2月以来のコンラッド東京に、アフタヌーンティーで訪問した。さすがに美味しい。結構お腹いっぱいになった。紅茶を6杯くらい飲んだだろうか。グリューワインティーの酸味が気に入り2杯飲んだ。
そして12月22日。約20年周期で木星と土星とが重なるグレート・コンジャンクション(大会合)。それも今年は水瓶座のなかで起る。占星術で言えば、これは240年ぶりくらいのことらしく、これまでの200数十年続いた「土の時代」から次の200数十年続く「風の時代」への大転換点だという。
ポップンポールとタロット占いについては前に書いたけど、星占い(というより石井ゆかりさん風に「星読み」といったほうがいいかな)は、タロットと似た面白さがありますね。星々それぞれに性格・性質、いやここも物語といった方がいいかな、そういう付加情報(ゆるい決めごと)があり、それらが時計のようにそれぞれの時間で回転し付いたり離れたりする。その距離が新しい物語を紡ぐという構造です。
どの星とどの星で物語を紡ぐかもあるし、付加情報どうしの干渉・影響をどう物語るかでもあるし、読み手の数だけ物語は生まれるわけです。それを受け取る側にも実は内的な物語がありそれが共鳴する。だけど大会合のように共通の物語も織り込まれてくる。
こういった人の思いによって案外社会は動いたりする。自然現象の見え方にも影響する。それがまた面白かったり哀しかったりする。そんな道草というか余裕というか不可知な物語が人生には必要なんじゃないかと思ったりする今日この頃です。本当か嘘かで断じることの出来ない、別のレイヤーにある物語(虚構)の世界がね。
そんなことを考えていたこの大会合の日に1本のメールが届きました。9年前の「ねこみみ」の編集者さんからでした。そんなこともあるんだね。風の時代、機会があるなら、風に吹かれてみようと思います。
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