夏旅2019 夫婦編 ~直島・宮ノ浦~
宮ノ浦港についたころには、17時台の宇野港行フェリーで帰る観光客がたくさんいた。この時間を逃がすと次のフェリーは19時になるため、このフェリーで帰る人は多いと思う。それに合わせてか、フェリー乗り場の土産物うりばは18時で閉店してしまう。ここが盲点だった!私たちは宇野港から徒歩1分の uno port inn に戻るだけだからあとでゆっくり買い物をすればいいと高をくくっていたら閉まってしまった…。せめて最終のフェリーが出るまでは開けといて欲しいよなー。観光シーズンだけでもさー…。というわけで、直島土産は買えなかった(ただしベネッセミュージアムのショップでは自分たち用の買い物はしていた)。
そんな近未来が待っているとは思いもせず、「オレたちはまだ時間があるから、あっちの直島パヴィリオン観に行こうぜ!」と直島パヴィリオンに向かった。港からも見えるオブジェで、建築家の藤本壮介さんの2015年作品。前回の瀬戸内芸術祭2016出品作品だけど、前回の夏旅2016のときは駆け足だったためじっくり鑑賞できなかった。
赤い南瓜も直島パヴィリオンも、人が中に入ったりできる遊具のような作品。それだけに人とのかかわりも含めた風景全体をアートに内在しているのだと思う。いつもそこにあるが常に変化している。静的でいて実は一期一会の風景を切り取る楽しみを提供してくれる。「直島町28番目の島」というコンセプトもきっとそんな人と作品の交わりもイメージされていると思う。
今回の直島パヴィリオンではまさにそんな写真が撮れた。綺麗な少女と彼女を撮影する青年。近づくと青年は撮影の手を止めて「どうぞ」と促してくれる。「いや、お先にどうぞ」とこちらが言うと「いや、ちょっと時間がかかるんで」と笑う。
三脚立てて撮影してるので、何かの作品を作ろうとしてるのかと思い、お言葉に甘えてパヴィリオンの中に入った。そしてこちらは観光客らしく、妻のスナップ写真などを撮って、そそくさとパヴィリオンを出た。彼らはきっと多くの観光客がいなくなり夕陽の傾くこの時間を選んで撮影に来ているんだろう。
しかし結局、撮影を続ける彼ら二人を含んだ直島パヴィリオンこそいい写真になったと思う。この写真に二人がいなければ何の面白味もない記録写真のようじゃないか。パヴィリオンのなかの少女の立ち姿と青年のアングルを探る姿には、何か夏の終わりの物語を感じるではないか。
このあと、土産を見ておけば何の問題もなかったのだが、まさか18時に土産物うりばが閉まると思っていないため銭湯に向かった。島に来るまでは銭湯に浸かる予定だったが、さすがに疲れたのとこの時期は混み合っているとの情報もあったので外観だけ眺めた。外観だけでもこの作品を楽しむことは出来る。
銭湯を眺めてからフェリーが出るまでに夕食も食べておこうと直島カレーで有名なcin.na.mon(シナモン)さんへ向かった。ここは宿にもなっているようだ。外国人客が多かった。お約束通りの直島カレーを食べた。さすがに魚介が美味い。妻は青いコーラも飲んだ。
夕食後、フェリー乗り場のそばを通って赤い南瓜に向かった。このときはもう土産物うりばは閉まっていたのだろうか。いや、やってたと思う。そして油断して通り過ぎたのだ。まさか18時に…(もういいか?)。宮ノ浦港の赤い南瓜。直島を代表する草間彌生の作品だ。
孤高の黄色い南瓜とは全く異なる佇まい。誰もが中に入れて顔を出して記念撮影できる。人気も高い。港のすぐそばだけど油断すると近づけない。
島に来た時は先を争って町営バスのバス亭やレンタルサイクル店を目指すし、帰りは帰りでフェリーの時間に間に合うようにギリギリに港に戻ってくる。そうなると赤い南瓜とお土産とどちらに時間を使うかといったジレンマに陥りがちなのだ。そしてフェリーから眺めるだけになってしまう。ぜひ、宮ノ浦の作品群を観る時間も計算しつつ戻って来るべきだ。そして土産物うりばは18時に閉まることも忘れるな。
宇野港への帰りのフェリーは19:02発。10時間ほどの直島巡り。次回はもっと時間を取って豊島など他の島にも行ってみたい。
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