終わらない夏旅 2018 中編
名田庄を後にして、岡山県に向かうまでの間は、完全にノープランだった。私は中村伸一院長に会えず意気消沈していた。雨も降り続き、山道をただただ西へと走っていた。ただ、ここから一足飛びに岡山県へというわけにもいかず、どこかで一泊することだけは確かだった。それをどこにするか迷っていたが決定打がなかった。
そこで、まずは琵琶湖を北ルートで進むか南ルートで進むかを検討した。どちらもこの夏旅では走ったことがあった。ただ、南ルートは何度も通っているのに対して、奥琵琶湖方面は2011年の夏旅で城崎温泉を目指した年、一度しか走っていない。
また、その先の日本海側の京都には泊まったことがない。山口・九州方面を目指す我々がなかなか行かない(通らない)うえに、泊まるという選択もほぼない土地、それが“日本海側の京都”だった。だからこそ、こういう機会に泊まる意味はあるんじゃないかと思い、日本海側の京都のどこかを目指すことにした。
こうなると、あとは泊まれるホテルのある場所で、できれば美味いものが食えそうなところを目指すことになる。さらに深夜についても美味いものにはありつけないから、夕食時間には到着できるところでなければならない。そして決めたのが京丹後市だった。名前がいかにも京都風で、なにか古都の風情が残っているんじゃないかと期待した。
しかし、お世辞にも古都の風情とはいえない片田舎といった雰囲気だった。
●京丹後市のあみ☆けんで舌鼓
スマホで当日宿泊予約を入れたホテルは結婚披露宴なども予約できるところだったのだが、着いてみるとほぼビジネスホテルだった。ホテルの周りも車で3週くらいしてみたが、ほとんど夕食を取れそうな店はなく、喫茶店とラーメン屋(ここはちょっと興味をそそられたが)くらいしか見つけられなかった。こりゃ夕食はホテルのレストランかなくらいの感じで、まぁ翌日の熟成肉もあるし、ここは通過点と考えようと思っていた。
とはいえ、S氏がスマホを駆使して一軒の店を見つけた。美味いものへのあくなき欲望でS氏にかなう者などいない。とりあえずホテルから明かりが見えるあたりにいい感じの店を見つけた。いつも満席といった評価だったのでS氏が電話して予約を入れて店に向かった。これが名店あみ☆けんさんとのファーストコンタクトであった。
あみ☆けんさんについてはツイートをしているのでそこにリンクしておきたい。
とにかく居心地のいい店内。我々が食べながら味についていちいち大声で絶賛していたのが聞こえたという店長さんからお礼を言われてしまった()。死ぬほど食べる3人だからな…。そればかりか、帰りには表に見送りに出て来てくれて、なんかまた来たいなって気持ちになった。旅先でこういう美味しい店を偶然見つけることは行き当たりばっ旅の醍醐味のひとつといえる。
翌朝、近くの喫茶店でモーニングを食べ、せっかく京丹後に来たのだから丹後ちりめんのひとつも見たい(買えれば買いたい)と思い、近くを検索して道の駅てんきてんき丹後に向かった。
ここに限らず、今回の夏旅では道の駅をいつもより多く訪問していると思う。それはS氏が道の駅ガイド本を持って来ていたから。道の駅に敏感になっていたので、いつもより連想しやすかった。
道の駅てんきてんき丹後は朝から開いていて、ちりめん商品もいくつか販売していた。妻へのお土産をここで買えたのはよかった。このとき購入した花柄のちりめん巾着はいま化粧品入れとなっている。
●卵かけごはんの聖地を再訪
道の駅てんきてんき丹後を後にして岡山県に向かった。若干小雨が降っていた。今年は降ったりやんだりと天気の変化が大きかった。
京丹後市から岡山駅までの区間を地図で見ていて、あることに気づく。
「そうだ。卵かけご飯の聖地いこう!」
私とS氏とは昨年訪問済みだが、何度行っても飽きることなどない。聖地とはそういう存在だろ?
しかも今回はE氏もいるので、聖地を体験してもらうにはベストなタイミングだった。
聖地に着いた頃には雨もやみ、店の前には入店待ちの人々が数組いた。むろん我々も待った。350円で卵かけご飯(黄福定食)食べ放題という安さにも惹かれるが、シンプルに美味くて満足という感覚。たまにしか行けないし。
後編につづく(たぶん)。
| 固定リンク | 0
コメント