テレビ東京「美の巨人たち~ル・コルビュジエ」
上野の国立西洋美術館がル・コルビュジエの17建築のひとつとして世界遺産に登録されて、コルビュジエ建築がまた注目され始めていますね。テレビ東京の「美の巨人たち」でも西洋美術館を採り上げてくれてとても面白かったです。
個人的に最高に良かったのは後半、カプマルタンの休暇小屋のBGMに流れた坂本龍一の「Ballet Mecanique」と「Parolibre」です。実にマッチしてました!いい仕事してますね。音楽機械論のサカモトの音楽は住むための機械としてのコルビュジエ建築に親和性が高い気がします。
このParolibreはオリジナル音源だったのかな?テルミンの音かと思ったので、三毛子さんのヴァージョンかもと思ったりして。CDを戸棚にしまい込んでて確認できない…。
サヴォワ邸を観に行ったひとくちメモを前に書いたけど、建築そのものを観光できる建築家はあまり多くない気がします。逆にとても興味を持てる建築に出会ってもなかなかその建築家の名前を探すのは手間がかかります。
先日の箱根プチ散策で訪問したポーラ美術館も、展示された芸術作品だけでなく建築そのものが気に入ったけど、建築家の名前をその場で確認することは出来ませんでした(聞けば教えてくれたんだろうけど)。ちなみにポーラ美術館は日建建設・安田幸一氏(東工大教授)でした。
「美の巨人たち」は30分番組なので、かなりコンパクトなのですがとても整理されてわかりやすい番組でした。建築が採り上げられることは少ないでしょう。西洋美術館に行って作品を紹介しない芸術紹介番組だったわけですわ()。
坂本龍一の音楽とともに紹介されたカプマルタンの休暇小屋は国立西洋美術館が完成する6年前の1951年、コルビュジエが64歳のときに建てた小さな小屋で、これもモデュロールに忠実な建物だそうです。そしてコルビュジエのお墓はこのカプマルタンにあります。彼が最後に愛した土地に建てた小さな小屋と国立西洋美術館とを対比してみせた番組の構成も良かったです。
国立西洋美術館がコルビュジエの作品だってことは最初からわかっていても、身近にあるといつでも行けるという余裕から後回しになってしまいます。だから、ミーハーと言われてもこういう機会に観に行っておくことは人生にとって大切です いつゴジラがやってくるか、いや地震がやってくるか分からないこのご時世でございます。
などと言いつつ、まだ行ってない…。もしかしたらコルビュジエなんて意識してなかった頃に(例えば修学旅行とかで)行ってるかもしれないけど忘れました。もう少しブームが下火になってから行ってみようと思います。涼しい季節に。
その時には「美の巨人たち」で解説されたいくつかのポイントを踏まえつつ、それと絵画・彫刻との関係性にも注目してすべてをじっくり鑑賞してみたいものです。
将来的には17の建築を回る旅もしてみたいけれど、テロリズムの世紀にはなかなか難しいご時世でもございます。建築は平和でなければ成立しないわけで、建築が愛である原点もやはり平和な世の中に立脚したものなんじゃないかと思う今日この頃です。
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