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2015.07.19

今度の新しい趣味は経済性工学に。

経済性工学の教科書久しぶりにブログを書いてる。このところ戦争法案とか新国立競技場問題などでツイッターのほうが忙しく、なかなかブログに気持ちが向かなかった。やはり手軽さではブログよりツイッターのほうが圧倒的に手軽で早い。ただ短いのと推敲や修正がしずらいから両方使い続ける。

ツイッターでも好きな書物や音楽についてつぶやくこともある。この前、文庫化された『ウォール街の物理学者』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の面白さをつぶやいていたら、この書物の翻訳者高橋璃子さんやトレーダーのウルフ村田さんがリツイートしてくれた。それでアフィリエイトの売上も伸びた(wink)。ツイッターはこういう双方向性がいい。それだけに炎上問題もあるわけだが。メリットとデメリットと常に意識しなければならない。しかし市民の意思表明の場として大きな可能性を感じる。教科書をデジタル化なんて国益に反することをやるより、こういうデジタルメディアリテラシーをきっちり教育したほうがいい。

さて、それに味をしめたわけでもないが、その後もいくつか昔読んだ書物を紹介した中に『新版 経済性工学の基礎―意思決定のための経済性分析』(日本能率協会)があった。新国立競技場問題は格好の教材じゃないかと揶揄してみたわけだ。

この書籍は学生時代の教科書だった。当時はまだ新版にはなっていなかったので表紙が地味だ(上写真の左の本)。経済性工学という言葉も知らない学生だったが、職人気質なので工学的な思考には漠然とした憧れもあり、他の学部の授業だったが履修してみたのだった。

するとこれがとんでもなく大変で(笑)、なんだか思考が迷子になりそうな感覚に囚われた。経済性工学は身近な問題に応用も出来るのだが、学生にとって経営とか経済といった概念は非常に抽象的だ。そういう抽象的な世界の具体例の損得勘定とはもう異世界の出来事のようでまったく頭に入って来ず…。

しかも苦労してどっちが得かを計算してみるのだが間違えることが多い。説明を聞いても狐につままれたような感覚になった。損得勘定なんだから感覚的にどっちが得かわかりそうなものだが、これが魔法かというくらい逆だったりする。もちろん設問がそういう事例を選んであるのかもしれないが、とにかく「ほんとかよ!?」という結論に頭が「???」となった記憶は鮮明に残っている。

この授業のボクの評価はCだった。C評価をとった科目は2つだけだったのでこれも鮮明に覚えてる。もうひとつは論理学だった。あの記号の羅列を見ただけで気分が悪い(笑)。

そんな経済性工学だったが、損得勘定のそのあまりにも不思議な結論がゆえに納得できず教科書も捨てずにいたのだ。そして今回ようやく手放す書物の箱に入れていたのだった。それが新国立競技場を揶揄する目的で思い出したらちょっと読んでみたくなった。そして箱から引っ張り出してみたのだった。

するとどうだろう。いま読むと理にかなった内容じゃないか。もちろん前提条件などを文章で読むと頭がこんがらがるけれど、図示されたものやグラフを見ながら可変費用と不変費用(変動費と固定費ではない)について考えるといちいちもっともな話なのだ。

どうしてこれが学生時代に理解できなかったのか不思議だ。やはり現実社会のなかにいないと身近な問題とリンクしないからかな。

『経済性工学の基礎』はこの分野では先駆的名著としていまでも売れているロングセラーだというのも当時は知らなかった。またゴールドラット博士のTOC理論やスループット会計にも通じる内容だった。遠回りしたがようやくこの教科書の世界に戻ってきたような感覚になった。新国立競技場問題サマサマだな。

この教科書は手放さないことにした。書き込みもたくさんしているし。解答がない問いも多いのだが、授業で使っていたので解法も書き込んでいる。真面目な学生だったのだよ。

同時に、著者の他の書物も検索してみた。そうやって書物が増えていくわけだが。すると千住鎭雄博士は亡くなっていたが、共著者の伏見多美雄博士の『おはなし経済性分析 (おはなし科学・技術シリーズ)』(日本規格協会)という書物が見つかった。さっそく注文して読んでみたら、これも面白い。そしてわかりやすい。

問題解決の技術というのはとても魅力的なのでいろんな本を読んできたけれど、やはりコンサル系の書物よりも工学的アプローチの書物のほうが説得力があるように思う。昔の教科書を引っ張り出してまた読み始めることなどないと思っていたが、趣味としていろんな損得勘定の世界にトリップしてみたくなった。

経済性工学は何にでも応用がきくように思うけれど、一番難しいのは課題を設定することじゃないかと思う。教科書に載っている問題を解くことは出来ても、現実世界では問題そのものを自分で設定しなければならない。そこを間違えると結果も間違える。常に解ける問題ばかりでもない。インタンジブル(非金銭的)な要因も多い。ここはやはり経験が必要だと思う。

でも、さまざまな課題を設定して損得勘定してみるというのはなんだか面白そうじゃないか。知的ゲームとして。紙と鉛筆と電卓があればどこでも出来るゲームだ。なんとか身に着けたい。

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