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2015.05.05

ドラマ She に見るSF的現代高校生白書(?)

CX土曜ドラマSheさんまのお笑い向上委員会について書いたのにこっちを書かないのは本末転倒(?)っていう気分で書きはじめる。

松岡茉優の連続ドラマ初主演作品だから予約録画した。松岡茉優はNHKの「限界集落株式会社」とCX「問題のあるレストラン」がとても良かったので注目し始めたが、世間的にはNHK「あまちゃん」と映画「桐島、部活やめるってよ」で既に注目女優だった。

「She」は学園もので主人公不在という展開から「桐島~」を多少意識してしまうが、おっさんには一度見ただけでは理解できずいま再度3話まで見直している(weep)。失踪した美少女は先日BSのドラマ「忌野清志郎トランジスタラジオ」に出てた中条あやみじゃないか。

いまどきの高校生の内面の複雑さはボクらの頃よりずいぶん加速してるんだなぁ。こんだけストレスの多い日常じゃそりゃ勉強も手に着かないだろうし、受験勉強も安易にテクニックに流れてしまうのも仕方がない。そんなドラマとは無関係の感慨にふけってしまった…。

ボクらの頃の学園ものはもっとシンプルだったかもしれない。「桜の園」とかさぁ。金八先生にしても問題がもっとシンプルだった(けれど当時としてはかなり複雑な気がしてた)。

いまや本心は(密室以外の)現実のコミュニケーションで知ることは出来ず、ヴァーチャル空間を通して間接的にコミュニケーションが成立する。いや実際はヴァーチャル空間による断片的な文字列の不完全さが時間差によって増幅し結局生身の言葉(から身体性を差し引いた言葉)だけでコミュニケーションは成立せず、そのズレが人間関係を生み出す(または破壊する)かのようなゲーム感覚の人生・精神を形成しているように見える。

もちろんそれが多数派となる近い将来にはこっちが現実になる。ゲームがリアルな日常となる。倒錯した世界と感じる世代との断絶。藤子・F・不二雄の「流血鬼」というSF作品を思い出す。あぁ、またドラマから意識が逸れていく。無意識なのか意識的なのかもわからずに。

もっともミステリタッチで実験的なドラマ「She」をもって現代高校生白書が語れるはずもないと思うが、She独自の物語を素因数分解していった後に残る会話や動作の節々にすら、なお複雑な心理がへばりついて残る。ドラマの登場人物と同世代の人たちはそんな部分にリアリティを感じるのだろうか。だとしたらやはり世代間ギャップでなかなか理解しにくい。

だからおっさんにとっては異次元ドラマとして見ると面白い。ある種のSF(笑)。だから藤子・F・不二雄への連想はあながち間違っちゃいない気もする。不在の人物を軸にしたドラマも歴史的に体験して来ている。そこらへんを手掛かりに今後も見ていきたい。短いドラマだが。

失踪した美少女の周辺にいた人々はヴァーチャルな映像や音声によってお互いに内面をさらされる。クラスメイトを盗撮する女子高生も内面に闇を抱えているが、このゲームの切り札(盗聴道具)を持っているだけにポーカーフェイスでいられる。言葉も内面もヴァーチャルこそが真実であるゲーム感覚の人生を生きる彼らにとっては、これこそある種のリアリティでもあろう。

松岡茉優主演ではあるのだが立場としては狂言回し的だ。第3話まで来ると彼女もミステリの一翼を担い始めているため役割も徐々に変化してきており今後への期待は持てる。こういう作品もいいが、次回作はもっとはっちゃけたような明るい作品がいいかも。

音楽はかなり重要な位置を占めている。園子温の映画を思わせるようなギターリフとベースラインが煽る煽る。最初に聴いたとき、これってTHE KOXXなんじゃないかと思ったが、日本のバンド[Alexandros]だった。ドラマの世界観を表現する劇伴としてとてもマッチしてる。これも現代高校生的な音楽なのかもしれないがこっちはついていけた(笑)。

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