google-site-verification=o_3FHJq5VZFg5z2av0CltyPU__BSpMstXTEV1P8dafg 生バンドネオンの音色は素晴らしい: ひとくちメモ

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2015/02/15

生バンドネオンの音色は素晴らしい

今朝、ソチ五輪(2014年)、韓国大会、ザグレブ大会と遡りつつキムヨナのアディオス・ノニーノの演技を見ていた。当時YouTubeでDLしていた動画だ。

ソチ五輪から遡って見ていくと、キムヨナがGPシリーズパリ大会を欠場後、たった3ヶ月、どれほど苦労してオリンピックレベルに戻してきたかの片鱗が分かったような気がした。体調はまったく万全でなく、それでも五輪という最終目標までのロードマップをしっかり描き、五輪本番で踊りきったそのプロ根性には鬼気迫るものがあった。

ソチ五輪ではショートプログラムの6分間練習まで危機が続いていた。SPの演目だった「悲しみのクラウン」をなんとか乗り切った直後の安堵の表情がそれを物語っていた。SP1位、そしてFPは最終滑走で「アディオス・ノニーノ」を踊り銀メダル。決してこの演技がキムヨナの最高傑作だとは思わないけれど、キムヨナの最終演目として見事な幕切れだったと今でも思う。

そのアディオス・ノニーノという曲。フィギュアスケートファンやタンゴのファンには知らない人がいないレベルの名曲だった。キムヨナとともに作曲者のピアソラを知り、アディオス・ノニーノの虜になってしまった

そして今日、CDではなく生演奏でアディオス・ノニーノを聴きに行った。日本人のバンドネオン奏者小松亮太さん率いるスペシャルトリオのコンサートだ。

●初めて生で聴いたバンドネオンの吐息

キムヨナ以前のボクにとって、バンドネオンの音色とは向田邦子の正月ドラマだった(笑)。それがポスト・キムヨナの時代になり、音楽ジャンルとして意識できるようになってきた。いつかアディオス・ノニーノを生演奏で聴いてみたいと思っていたところに、小松亮太さんという日本人バンドネオン奏者として有名な演奏家のコンサートを知った。

埼玉であるということもあって、ソチ五輪から一周年記念でもあるこの2月、聴きに行くことにしたのだった。毎年この会場で演奏されているそうで、チケットは完売。とっても和やかな雰囲気のコンサートだった。

やはり演奏会というのはいいものだ。特に実力のある演奏家のコンサートこそが21世紀に聴くに堪えるライブだと思う今日この頃。まさにぴったりの演奏者によるコンサートだった。タンゴやバンドネオンの初心者リスナーに対しても解説しながら進めてもらえて、会場からも「へぇー」「ほー」という声が上がっていた。

バンドネオンという楽器。決してアコーディオンと言ってはいけない()。蛇腹はあってもまったく別の楽器だ。まだ100年も歴史がない新しい楽器だとか。オンド・マルトノやテルミンのコンサートもちょくちょく出かけていたボクなので、楽器としては新しいというバンドネオンも結構好物だった。

個性の塊のような音色の楽器だ。一度聴いたら忘れられない音色。物腰も高級家具のようだ。それでいて空気を切り裂くような強さがある。しかし生演奏で聴いたバンドネオンは、その音の間で呼吸をしているようなブレスの音がとてもなまめかしい楽器でもあった。

蛇腹の開閉で音圧をコントロールするわけだが、ステージにかなり近い席だったからだろうか、蛇腹の開閉する音がとてもよく聞こえた。そしてそれが人の呼吸のようで、とてもいいのだ。音符に表現しきれないその開閉ブレスも小松亮太さんはコントロールしているんだと思う。

ちょうど森進一が途中で“溜め”を作るような感じで蛇腹のブレスが入る。これはノイズなのだが演奏の息吹を感じる音だ。この溜めは音楽にもダンスにも共通する。蛇腹を持つ楽器特有の“間”ともいえるだろうか。このなまめかしさがダンス音楽として独特の地位を得たのかななんて思ったりした。

今回のコンサートはコントラバス(田中伸司)とギター(レオナルド・ブラーボ)とバンドネオン(小松亮太)の3ピースでピアノがいない。ピアノがないアディオス・ノニーノだったわけだが、それはそれで新鮮だった。

特にブラーボさんの超絶ギターは、素人ギター弾きの私としてはなんとも心地よかった。ギターのソフトな音色はアディオス・ノニーノのせつない面がとてもよく表現されていた。思わずCDを購入。アディオス・ノニーノは入っていないけど、ピアソラのブエノスアイレスの四季4曲を収録。今夜はこのCDを聴きながら眠りたいと思う。

小松亮太さんは最近毎年さいたまでコンサートを開いてくれているようなので、次回もまた聴きに行きたいと思った。

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