コミック版『ザ・ゴール』が面白い!
年末大片づけ大作戦もついに一か月が経った(休日だけの作業だったけど)。いまだにゴールは見えないわけだが今日も頑張る。午後から(笑)。明日は朝ロイズのチョコが届く予定なのでそれを待ってクロージングにかかりたい。また明日は平日なので銀行行ったり年末年始のチケット受け取りに行ったり、できれば年金事務所で過去の紐付もしておきたかったり、10年以上壊れている有線放送の端末修理の依頼をしたり、いろいろとやりたいこともあるがどこまで出来ることか…。
そんなゴールの見えない年末に『ザ・ゴール コミック版』が出版されていた。この表紙の色だけで反応してしまう。パブロフの犬状態。しかし読んでみると面白かった。
500ページを超える原著の半分以下の厚さになりエッセンスだけコンパクトに漫画化されている。まんがの威力は本当に素晴らしい。日本文化と胸を張って言えると思う。こういうことが出来るのは日本だけだと思う。もちろんこのMANGA文化が世界に広まれば世界各国で似たような取組が出現する可能性は高い。しかし何でも漫画で表現しようとする意志とシステムと人材が揃っている国はいまのところ日本だけだ。
大ベストセラー『ザ・ゴール』を書いたエリヤフ・ゴールドラット博士が当初、日本語訳だけをかたくなに認めなかったのは有名な話だ。それは生産管理手法の創造力が高い日本に博士のTOC理論を紹介すれば、日本の競争力が突出して高まることを危惧したからだった。そういう時代があった。
邦訳されたのは2001年のことだった。日本がTOC理論を紹介しても大丈夫な国になったからなのかどうかは知らない。博士も2011年にこの世を去った。2001年に読んだとき、『ザ・ゴール』はボクの2001年リスペクトTOP10の8位に選んでいた。小説仕立てのビジネス書という発想も良かった。その先駆けかもしれない。
エッセンスを漫画化するというのも日本のお家芸となりつつある。古典も歴史もビジネス書も専門書も、あらゆる分野で漫画が作られる。再構成しビジュアル化するのはいまの時代にマッチしてると思う。漫画化は裾野を広げる。ある種の工業製品となっているし、今後さらに様々な分野のマニュアルやエッセンスを漫画化してほしい。それこそいま流行のピケティ著『21世紀の資本』とか。マルクスの『資本論』だって漫画化されてる。ロシアでも売れるんじゃないか?
コミック版では日本の企業を舞台にしている。閉鎖寸前の工場がたったの三か月で再生するという成功譚となっている。従業員もやる気にあふれ、自分たちで考えながらTOC理論を実践していく。
TOC理論というのはそもそもが、あらゆる成功譚の基本構造と言ってもいい。課題を見つけ悩み、打開策を考え新発想を試し成功する。「全体最適」というのがキーワードだが、そこへの道程に「自分の頭で考える」ということが欠かせない。これは部活でも仕事でも、何らかの目標に向かって取り組むために必須の方法論であり、その発想法のヒントがTOC理論だ。
だからこそTOC理論は受け入れられた。コミック版でも工場の生産管理の方法論として使われている。しかし考えてみると、何かを生産する現場としての「工場」は、あらゆる読者にとって行動のメタファと成り得ると思う。TOC理論の用語、ボトルネックやクリティカル・チェーン、ドラム・バッファ・ロープ、スループットなどを自分の課題にどうアレンジして取り込んでいくか、そういうことを必死で考える苦労は実りの多い苦労だと思う。
自分の頭で考えるためのきっかけは『ザ・ゴール コミック版』で充分だという気もする。ここでエッセンスをつかみ、課題に取り組み始めてからもっと深くTOC理論を学べば、スパイラルに吸収できるかもしれない。どんな課題も自分自身に身近であればあるほど深く考えることができるものだ。考える道筋があると知ることが重要で、コミック版はその役目を充分に果たせていると思う。
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