帰国便からシベリア空撮
パリ旅行からの帰国便は11月17日(日曜)の夕方発にした。これは最終日がソフィー・マルソーの誕生日だったので何をするわけでもないが日中はパリにいたかったのと、帰国時間が日本の昼過ぎになるので多少飛行機からの景色を拝めるだろうという思いからだ。それで窓側の席を取っていた(出発便はずっと夜なのでトイレに近い通路側を取っていた)。
パリを出て食事してしばらくしたら眠りにつく。上の写真は寝覚めの風景だった。明るくなってきたなと思って目が覚め首を左に傾けて窓外を眺めると、凍ったように白く美しい川が蛇行しながら延々と続いていた。「なんじゃこの風景は!?」と、一発で目が覚めた。
パリでは太陽を見ている時間のほうが短かった。猫の目のように変わる天候はパリらしさを実感できたけれども、モンパルナスタワーから街並みを眺めたり、シトロエン公園で気球に乗るといった計画は、その曇り空のせいで断念したのだった。高所で行けたところはモンマルトルの丘と移動観覧車くらいだった。それも快晴ではなく。
そんなパリを後にしての朝だから、余計に太陽がまぶしく感じた。眼下には雲も少なく、はっきりと見えたシベリアのパースペクティブに素直に感動した。「パリでの曇り空は帳消しだよ、地球君!」と心の中で叫んでいた。写真の上方、飛行機の翼の左にある黒っぽいノイズは雪の結晶のようなもの。極寒のシベリアで高度1万メートルからの風景だ。
何枚か写真を撮ったが毛色の違うものを数枚アップしておきたい。まずは「シベリアの地上絵」と名付けた3本の直線。隕石でも転がった跡かとも思ったが道路だろうか。
次は名付けて「雪の要塞」だ。ここだけヒダのように雪の塊が折り重なっているように見える。人工の構造物なのかどうかわからない。周りの景色と明らかに異なるそのフォルムは要塞のように見えた。
最後は「アート・オブ・アース」でどうだろう。この蛇行加減はハンパじゃない。どうしてこんな風になるんだろう。ピカソもびっくりの抽象画のような世界だ。これはさすがに人工的なものじゃないと思う。
シベリア上空で2時間くらいだろうか。ずっと景色を見ていた。あらためて地球は惑星なんだなぁと思った。「人間の土地」や「星の王子さま」を書いた飛行士のサン・テグジュペリは飛行機乗りだけが体感できる航空感覚を描いたが、こうして旅行者として大地を鑑賞できるいい時代になったものだ。
この風景はキムヨナのいないパリ旅行からの帰りにプレゼントをもらえた気分だった。
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