岡田惠和オリジナル脚本!「泣くな、はらちゃん」
日本のドラマも、いいな(笑)。韓流ドラマの合間をぬって見始めたなかの一本が日テレちゃんの土曜ドラマ「泣くな、はらちゃん」だ。岡田惠和さんオリジナル脚本だ。いやーやってくれるな日本テレビ!ありがとう!
ボクは押しも押されぬちゅらさんファン、通称“ちゅらオタ”だ。とはいえちゅらさんからもう12年になろうとしている。それだけじゃなく岡田脚本フリークといっても過言じゃない。そもそもは1999年の「彼女たちの時代」の衝撃が大きい。それ以来、明暗のふり幅の大きな岡田さんの世界観が大好きなのだ。そして今回の「泣くな、はらちゃん」の第一回を見るにつけ、岡田脚本らしさをビシバシ感じたのであった。
その岡田脚本らしさが全開で楽しめるのは、やはりオリジナル脚本という大英断が大きい。まんが原作全盛の時代にオリジナル脚本で勝負。うれしいなぁ。
内容もキテレツだ。かまぼこ工場で働く人見知りな越前さん(麻生久美子)は、その性格ゆえに言いたいことも言えず不平不満が溜まるのだが、そんな気持ちを大学ノートに描く自作まんがの主人公に託してまんがの世界でストレス解消している。そんなまんがの主人公がひょんなことから現実世界に飛び出してきた。そして越前さんが不幸なままでは自分のいるまんがの世界が暗く殺伐としていくと危機感を抱き、なんとか越前さんを幸せにしようとするのだが...。
この越前さんの自作まんがの主人公がはらちゃん(長瀬智也)だ。まったくここから先のストーリーが読めない(笑)。まんがの世界は居酒屋でそこに仲間が数人いる。彼らはこの居酒屋だけが世界のすべてだ。そしてはらちゃんが飛び出してくる現実世界も昭和な感じの港町。2つの世界を行き来するはらちゃん。岡田さんの好みがはっきり出た2つの世界。それらが今後影響しあって行くのだろうか。
脚本のハコ書きをしないといわれる岡田惠和さんだが、この越前さんの自作まんがもまさに行き当たりばったりだ。日々の不平不満を書き連ねるまんがだから。しかし魅力的なキャラクターが自分たちで物語を生き始めるに違いない。ドラマそのもののストーリーの先行き不透明さにプラスして越前さんのまんがの行方もまた気になる。
越前さんの自作まんがは好き勝手に描け、また現実世界での危機を瞬時に回避できるオールマイティなツールともいえるから、ドラマの展開を無限に広げることも出来そうだが、それが逆にご都合主義に見える場面があるかもしれない。どう上手く使われるかも見どころか。
●奥貫薫と麻生久美子は出会うのか!?
そして女優陣。まさにオレら世代のドラマ好きを惹きつける布陣だ。薬師丸ひろ子がかまぼこ工場のパートリーダーだよ。しかし2つの世界の関係性にも気付きそうなキーパーソンにもなりそうだ。そしてまんがの世界に奥貫薫、現実世界に麻生久美子と絶妙のバランス。
奥貫薫といえばこのひとくちメモではある意味常連(笑)で、不幸な正妻を演じさせたら右に出るものが無い(木村多江が同格)という評価が固まっている(勝手にオレが固めているわけだが)。そもそもそんな評価は「彼女たちの時代」や「銭ゲバ」という岡田脚本によって固まったのだ。
そんな奥貫薫が今回はちょっと影のある女役だ。まだどうにでも転がせそうなポジションであり、ぜひ現実世界に出てきて麻生久美子と出会って欲しいなぁ。
麻生久美子について、ひとくちメモでほとんど触れてなかったことに自分で驚いた。こんなに好きなのに!麻生久美子といえば映画「インスタント沼 」を見ておかなければならない。日本人として見ておくべき3大麻生久美子の一本だ(笑)。後の2つは「時効警察シリーズ」と「泣くな、はらちゃん」にしておこうか。しかし何といっても「インスタント沼」だな。
「インスタント沼」で麻生久美子はジリ貧OL役だった。今回のドラマともある意味同じ路線だ。本当は美人なのにイケてない女を演じさせたら右に出るものがない(ダントツで!)といっては失敬すぎるが、その存在感はまさに“掃き溜めに鶴”的空間を演出する稀有な女優さんだ。間がいいんだろうな。
奥貫薫と麻生久美子。こうして並べて書いているだけで興奮する(笑)。飛車角って感じだ。薬師丸は、そうだな、飛び道具という意味で桂馬かな。そんな女優陣がこれからどのような働きをしていくのか、もう楽しみで仕方がない。
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