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2012.12.06

愛で満たされた時間

 眠い目をこすりながら裏山に登って初日の出を拝もうと夢中になったのはいくつの頃だっただろう。毎日同じように昇る朝日も、いまを逃すともう二度と出会えないような気持ちで必死だった。何年ものあいだ子どもっぽい情熱だと思っていたが、そのときその瞬間の太陽はそのときその瞬間だからこそ出会えたのだといまは思う。そんな情熱も陽が昇ってしまえば3時間後の太陽のことは忘れる。ましてや大晦日の夕暮れには少しの情熱すらも湧かない。情熱とはなんて薄情なんだろう。だが昇り続ける朝日があればいつまでも情熱は輝き続けるだろうか。太陽を同じスピードで追いかければいつまでも輝きは失せないだろうか。太陽に追いつけば失うことのない輝きを手に出来るだろうか。ふぅ。ばかげた妄想よりも子どものきまぐれな情熱のほうが常に正しい。一瞬一瞬を生きる本能のほうが常に正しい。そんなに太陽を追いかけずとも暮れ行くのが太陽のほうではないことを知ってしまったいまだから、昨日とは違うこの一瞬の情熱に生きてみる。そうすれば太陽も昨日とは異なる輝きできっとまた輝き始める。

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Comments

確かに、本能が弱ると愛も貧相になってしまう気がしますね…。
そこかしこに存在する多様な愛に気づける、豊かな感性も必要なのでしょうね。
そして、持ちうる愛を伝えることも大切なことで、出し惜しみをしてはいけないの(笑)

Posted by: tsukinami | 2012.12.07 at 10:13

出し惜しみは機会損失、なんていう打算的な愛もありますな。

正直4回は書き直しましたよ。まったく異なるトーンで。例えばこんなのとか。

pen
 愛を書き綴ってきた無数の文章が世界中に存在し、いまさら愛なんてどう扱えばいいのか皆目見当もつかない。愛と言われればなんとなく理解するけれど愛を定義する言葉は無限にあって収拾がつかない。定義が定まらないのにコミュニケーションはとれてしまうのが愛。言葉がなくとも接吻や贈り物やただ抱きしめるだけでも一瞬で伝わってしまう。だがそれを「愛の前に言葉は無力だ」と言葉にすれば陳腐の極みだ。愛を受け取った側の反応もまた様々で予測不能だから愛は厄介だ。
 誰もが愛を別の言葉で置き換えようとしてきた。逆にそこまで積み上げてきた様々な感情の高まりをたかが愛なんて言葉に置き換えてしまったりする。愛を言葉で発するのはただ整理できない感情の渦から解放されたいエゴイズムかもしれない。愛と言ってしまえば何も説明はいらない。愛する対象にすべてを委ねることが出来る。トランプのジョーカーのようなものか。ただひとつ異なるのは手放したジョーカーがまた手の内に戻ることを待ち望むゲームだということ。愛は本当に厄介だ。
pen

Posted by: ポップンポール | 2012.12.08 at 08:46

こちらは、戸惑いがストレートに
伝わってきて、ひたむきですね。
恋愛の当事者になったときって、
理性はぶっとんでいますものね(笑)
「たかが愛」「エゴイズム」と逆説的に
はいってからの"ジョーカー" は、絶妙。
軽快かつ、ユニークですね。

Posted by: tsukinami | 2012.12.08 at 19:53

本当は何かが簡単に伝わってしまうのが好きではないんですけれど、そういう思いとは別のところで何かが伝わってしまう、そのズレがひとくち小説☆☆☆の真髄だったんですよねぇ。

こっちが不採用なのはあまりに直接的でひとくち小説☆☆☆の主旨にあってないと思ったからです。ただのエッセイになっちゃうという理由でした。

例えば愛なんて一見ポジティブ風な言葉は際限なく拡大する欲望のおぞましさみたいなことをきっちり描かないとこじんまりしたいい話で終わってしまうのが一番厄介なんです。

ひとくち小説☆☆☆はもっとシュルレアリズム寄りのものとしてあらねばならず、ちょっと軌道修正が必要ですわ。まだまだ未熟ですchick

Posted by: ポップンポール | 2012.12.09 at 08:23

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