ドラマ「ヤアになる日」も面白かった!
名田庄診療所の中村伸一院長をモデルにしたNHK BSプレミアムドラマ「ドロクター」を2週連続録画予約するときに、毎週予約としていたため「ドロクター」の翌週にやっていたこの「ヤアになる日」も録画されていた。
たまたま録画していただけなので何の予備知識もなく、それでももともとドラマ好きなので見たのだが、いやぁ面白いドラマだったっすよ!本放送は大雨警報かなにかで画面が縮小したかテロップが流れたので消して、いま再録画中です。
もともと島好きな私ですが、島というとすぐ南国をイメージしてしまいます。でも日本はまさに島国だなと実感しましたね。鳥羽市にこんな独特な風習の残る島があるなんてはじめて知りました。鳥羽は一昨年の夏旅で行きましたが、知ってればこの島も行きたかったなぁ。
主演の倉科カナと平岡祐太が夫婦になるドラマで、プロットだけをなぞるとぶっちゃけ普通のドラマです。ある独特の風習を持つコミュニティに嫁入りすることになった主人公が、その独特さに戸惑い、自分と似た境遇でこのコミュニティに暮らしつつ苦悩しているあるひとりの奥さんを見つけて、その姿に自分自身を重ねていたが、その奥さんの危機に偶然直面し、その奥さんの危機を持ち前の明るさと前向きな姿勢で克服してみせ、自分もその奥さんもみんなもハッピーみたいな。
ちょっと意地悪な評価の仕方だったな。こんだけきちんとしたプロットがあれば充分やんけ(笑)。
言いたかったのは、こういうほかにもありそうなストーリーが「答志島」という場の空気や歴史風俗のなかで、充分に見ごたえのあるいいドラマになったんだということ。説明的な部分はそれほど多くなく、奇異な風習に見える寝屋子制度も、見終わるころにはその独特さもひとつの生きる知恵であり、コミュニティの崩壊しつつある現代には逆に新鮮かもしれないなと思えました。
世界が狭くなればなるほどローカルこそに大切な意味がある。グローバルのなかで真に価値あるものはローカルなコミュニティのオリジナリティだ。グローカルなヴィジョンをもってアピールしていかねばならない。
そんなお題目を並べ立てるよりも、こういう良質なドラマ1本のほうが説得力がありますね。この島の寝屋子制度は鳥羽市無形民俗文化財だそうで、これまでもドキュメンタリーが何本も作られているそうです。ドキュメンタリーは記録として意味があるけれど、なぜか大衆受けは難しい。
ドラマ化する意味はドキュメンタリーとは違うと思いますが、あえてフィクションを交えることが人々の記憶に残すひとつの知恵、仕掛けともいえないでしょうかね。やはり大衆は創作部分に惹かれるんだと思います。事実は事実として心に残りますが、創作による物語をフィルターとすることでこころに沁みるんでしょう。
NHKローカル制作のドラマは小粒だけどもキラリと光る。それは日本各地にはまだまだ魅力があるってことだとも言えませんかね。そういう魅力が心に沁みるドラマを今後も期待したいですね。「ヤアになる日」を見て、なんか得した気持ちです。
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