« 『ねこみみ ~猫と音楽~』発売! | Main | ドラマ「ドロクター」のメッセージを深読み »

2012.09.23

「ナツメのオミミ」でまさかの中島みゆき話!

テレビ朝日の深夜番組「ナツメのオミミ」については、ダンサーの仲宗根梨乃さんが登場したときに書いた。そのころは女性ゲストばかりだったが、今回(というかスペシャルウィーク的に2週前から)「怒り新党」の有吉弘行政調会長が初めての男性ゲストとして登場し、来週のマツコ・デラックス幹事長トークまで4週ぶち抜きでスペシャルウィークが続く。

正直、ゲスト選びに行き詰まり感が出てきたのかなと思った(sad)。様々な分野で輝いている女性を毎週ゲストで呼ぶというのは結構大変なことだ。人選は出来ても出演交渉が常に成功するわけじゃないし。またNHKの「グラン・ジュテ」のようにロケがふんだんに出来るわけでもなく、夏目三久とのトークだけで表現しなきゃならない。

これが黒柳徹子のような海千山千のMCだったらうまく魅力を引き出せるのだろうが、この番組はまだ発展途上の夏目アナの“教育番組”だと思うので、ゲストのトーク技術に頼らざるを得ない場面が何度もあった。だからこそコミミちゃんをオープニングに入れてみたり試行錯誤しているわけだ。

でも今回のスペシャルウィークが鼎談という手法のパイロット版になったかもという思いもある。3人でやる鼎談は2人のトークとは趣きがずいぶん違う。

鼎談で思い浮かぶのはやはり『Ev.Cafe』だ。村上龍と坂本龍一の二人がホスト役で、共通して興味のある人物を招いて鼎談したこの本は、1989年出版当時ブームとなった。読むためというより持ち歩くブームだったが(笑)、私は読んだ。

「ナツメのオミミ」で鼎談をするならホストは夏目アナ一人でも、ゲストにメインゲストとその応援者とか、コンビで活動してる方とか、映画監督を呼ぶんじゃなくてその監督の組で働く照明さんと音声さんとか、有名無名問わず3人で1テーマを語るというような構成もありえるのではないか。それこそ番宣なら番宣で出てもらって、徹底的に裏話を聞いてもいいと思う。

●中島みゆきにオファーしたのか知りたい!

今回は、有吉&マツコをゲストに何を話すのかと思いきや、まさかの中島みゆきにまつわる鼎談だった。これは保存版になったな(笑)。

そもそもは「怒り新党」での有吉発言「自分の車のなかでは中島みゆきしか聴かない」に始まる。それをマツコが「中島みゆきさんのような偉大な方の話をそれだけで終わらせていいのか」と言い出した。「ナツメのオミミ」で。

この流れを見て「こりゃこの番組、起死回生の中島みゆきオファーをして撃沈したのではないか!?」という妄想が私の脳裏をよぎった。

「ナツメのオミミ」に出て欲しい“輝く女性”というカテゴリにおいて、中島みゆきという存在は必ずや企画に上るはずだ。しかしその難攻不落の城はそうやすやすとは攻略できない(はずだ)。ラジオならともかくテレビだし。

そんじゃあというわけで、中島みゆきについて二人に語らせようと総裁とスタッフは思ったのではないか。これを私は「ゴドーを待ちながらシステム」と名付けたい(笑)。

●二人の中島みゆき話に興味津々

それにしても、二人が中島みゆきを好きだというのは納得できる。そしてその好きなポイントが「勝手な解釈で自分を歌に投影できる」というマツコ・デラックスの心情吐露は核心を突いていた。まさにソコなんだよね!

有吉は上島“太陽さま”竜兵がカラオケで号泣しながら歌う「ホームにて」を好きになったという。「ホームにて」は私も数ヶ月前に歌詞解釈したばかりで大好きな楽曲のひとつだ。

上島竜兵が「ホームにて」を好きだという事実も含めて嬉しい。ちょっと太陽さまを「ナツメのオミミ」に呼んで、有吉話してくんないかな。ゴドーを待ちながらシステムで(笑)。

マツコが好きだという曲が「タクシードライバー」だったこともなんだか妙に納得できる。この納得感は何なんだろう…。

天気予報や野球の話ばかり繰り返すタクシードライバーの気配りとか、例えば「狼になりたい」の歌詞の note 夜明け間際の吉野家では~ とか、中島みゆきの歌に出てくる妙な生活感とか現実感が接点となって、歌の中のフィクションと自分自身の現実世界とを結びつけるのだ。誰もがそこに自分だけの物語を作り出せるのだ。

二人が選んだ楽曲は、どちらもギター弾き語り向きの曲だった。どっちも私の「自分で弾き語りたい中島みゆき20選」で選んでいた楽曲だった。こういう目に見えなかった部分で私はこの二人に惹かれていたんだなとも思った。

解釈はそれぞれでも、その根底に流れる感性が響きあうのかもしれない。またお二人の人気があるのも日本人の通奏低音にある中島みゆき的な部分に共振する人が案外多いということかもしれない(特に業界に多いのかもしれない)。

●聴いたら泣いちゃいます?

弾き語り向きの曲はイントロのアコースティックギターの音色を聴くと、もうそれだけで中島みゆきの世界に入っていける。当分みゆき節を聴いていないときでもすぐにスイッチが入り、無性に聴きたくなる(私の場合は弾き語りたくなる)のが、中島みゆきのアコギの楽曲なのだ。

と、こんな具合についつい見ている私ですら熱く語りたくなってしまうわけだが、夏目三久!熱く語るマツコに「なんか言え!」と怒鳴られる(笑)。何も感想がない。その後トークが続き、夏目アナから出てきた言葉は「聴いたら泣いちゃいます?」だった。

いまどきの子だねぇ。まさにマツコのいうところのうんこのような歌しか聴いていないかのようなコメントだ。もっともマツコのように、うんこのような曲や映画を衝突事故的に見聞きしてしまったときこそ泣いてしまうという強すぎる感受性もめんどくさいが(笑)。それ悔し泣きだよね。

泣けるかどうかが基準になるような作品とのかかわりはあまり持ちたくない。どっちかといえばスポーツやノンフィクションのほうが泣ける。スポーツで泣けるのは、完全に他人事だからかもしれない。何の利権も手伝いもしてこなかったからこそ純粋に泣けるような気がする。

でも中島みゆきの楽曲は他人事じゃなくなる。前に「アメトーーク」の読書芸人の回でピース又吉があまりに本にのめりこみ過ぎて本になりたい(本のなかに没入したい)といったコメントをしたことがあったが、まさにあの感覚に近いと思う。楽曲と一体になりたいのだ。だから弾き語るわけだ。だからマツコも「考える」のだろう。

芸術の話をしていて安易に「泣いちゃいました?」とか聞かないほうがいい。一番バカに見える質問だから。でも夏目三久の“教育番組”としては、そこはいいくだりだった。まいっちんぐマツコ先生!(>最後はダジャレかよ!)

|

« 『ねこみみ ~猫と音楽~』発売! | Main | ドラマ「ドロクター」のメッセージを深読み »

Comments

いやはや、マツコの回で最終回だったとは!なんだかマツコ・デラックスが校長先生に見えてしまったな。卒業おめでとう!ナツメちゃんという感じだ。

しかし来週からは間髪いれず「ナツメ・道楽」という番組が始まるらしい。まだ手元にまったく情報はないのだが、あえて何の情報も入れずに初回を見てみたい。

深夜帯の夏目三久教育番組であることに変わりはないと思う。これまでと別アプローチの実践番組でフリーとして生きる体力を育んでいくのだ。

マツコ先生にもひとこと言っておきたいが、夏目アナの男性ファンもいる。ここに(笑)。

Posted by: ポップンポール | 2012.09.30 at 13:31

「ナツメ・道楽」の初回を見ましたが。いやーつまんねーcrying

なんでこんな番組を深夜にやらなきゃならないのか意味不明。ナツメちゃんもただVTRを見てコメントにならないコメントを言うだけ。

そのコメントに点数つける厳しい先生でもいれば深夜バラエティ色が出るかもしれないけど、なんなんだこのダラーとした番組は…。本気でちょっと自己満足系のオシャレな(マツコの嫌いな女性ファッション誌的な)世界観をめざしてしまうのか?

これじゃダメだ。この路線じゃ見る価値ないな。残念ながら。まだ手探りなんだろうから一応見続けるけど。しかし迷走を絵に描いたような番組だった。そんな情報番組は日曜の昼にやれ!

Posted by: ポップンポール | 2012.10.09 at 22:33

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/1103/55723796

Listed below are links to weblogs that reference 「ナツメのオミミ」でまさかの中島みゆき話!:

« 『ねこみみ ~猫と音楽~』発売! | Main | ドラマ「ドロクター」のメッセージを深読み »