「ロマンチック・アイランド」を日本語吹替・ハングル字幕で見る
連休もあっという間に最終日です。ヒマぶっこいてた昨日に引き続き、今日もヒマぶっこいてたらもう昼になってしまった。今日は朝から映画「ロマンチック・アイランド」のDVDを日本語吹替・ハングル字幕にして観ていました。
この映画、大好きです。去年の5月に買ったんですが、その頃は韓国映画をいろいろ買っていた時期で、たまたまドラマに出ていたユジンがアイドル役で出ているというので買ったに過ぎません(それと島好きなので)。そしたら大正解だったわけです。
この映画のことを書いてるブログを見ると似たり寄ったりの(出演者のファンでみたいな)動機で観て、思った以上に面白かったという評価が多いですね。まさにそんな映画でした。韓国でもまったくヒットしなかったとか。
冷静に考えると、現実にはありえないけど映画にはありがちな(笑)旅先のラブロマンス系映画であり、あきらかにフィリピン観光庁タイアップの観光映画のようでもあります。DVDパッケージも見るからに安っぽいお子ちゃま向けB級デートムービーの類いに見えますし、「ロマンチック・アイランド」ってタイトルからしてひねりがない。
だけど、見終わるとなんだか元気になれる。ハッピーな気分になれる。これはなぜなんだろう。フィリピンの海のせいなのかな。南国マジックは侮れません!
それとDVDパッケージのあらすじとはまったく違った部分に面白さがあります。若い男女4人の物語のようなことが書かれてますけど、この映画を観てあらすじを書く期末テストだったら落第だな(笑)。ただ短い宣伝文でこの物語を表現するのも結構難しいとは思います。設定の説明がしずらいから。それでボクも今日まで書かなかったわけで。でも今日はヒマぶっこいてるから書いちゃう。
まず、この物語は2組じゃなく3組のカップルが主人公といえば主人公ですね。
・就活不調男と逃亡アイドル女(男イ・ミンギと女ユジン)
・現実逃避OL女と無愛想実業家男(女イ・スギョンと男イ・ソンギュン)
・互いに違う思いで旅行に来た夫婦(夫イ・ムンシクと妻イ・イルファ)
それぞれに問題を抱えてフィリピンへ旅立つのですが、それぞれのカップルどうしはまったく絡みません。ただ同じ日に同じフィリピンのボラカイ島にたまたまいただけです。それぞれのカップルには別々のストーリーがあり、それが折り重なるように1本の映画になってます。
こういう手法がまず好きなんだよなぁ。群像劇(グランドホテル方式)っていうんですか。こういう手法ってラブロマンスではあまりないんじゃないかな。同一日時、同一場所で同時進行する3つのラブロマンス 何が共通なのかといえば美しい海のボラカイ島旅行(笑)。まさに観光映画ですわ。皆さんもそれぞれの旅の物語をってなもんですわ。
ちょっとした伏線もある。ある使命を帯びた現地の子どもだけが、この3組に同じ目線で注目してるってとこが面白い。大晦日の夜のパーティでこの3組の物語が一瞬重なるんですよ。この子のある行動によって。ほんの一瞬。彼ら自身は気づいてないけど、その劇的な瞬間に3組の物語が収斂していくわけですなぁ。
3組の物語のなかで、ボクの一番の感動ポイントは脇役扱いの夫婦にこそありました。DVDパッケージのCASTに名前すら載せてないのが信じられませんな。結構有名な役者さんなのにね。この夫婦がいたからこそ現地の少年も大晦日の夜にパーティ会場にいたわけだし、この子がいたから実業家の彼も逃避アイドルも就活不調男も振り返ったのだし、その一瞬がその後のハッピーエンドの“引き金”になってるってことよねぇ~。
それにしても、「グエムル」しかり「母なる証明」しかり「ロマンチック・アイランド」しかり。数少ない韓国映画しか見ていないのに、韓国映画を紹介する宣伝文はどうしてこう的外れというか、視点がズレてることが多いんだろう?
買い付け側にお手軽韓流ブームだと思ってるフシが見えてしかたがない。有象無象も確かにあるんだろうけど、気合を入れて偏見抜きでいいとこ探したらいくらでも見つかると思うけどな。韓国映画に限らないけど。やっつけ仕事でB級デートムービーっぽく宣伝しときゃいいとでも思ってたんだろうか...。
●日本語吹替・ハングル字幕という学習(?)
いやー何度観てもいい映画だわ。語学的には何度見てもいい映画ってとこがミソで、スキットのように使える。もっとも映画は長いからそうそう何度も繰り返して見る時間はないけど。でも少し自信がついたタイミングで同じ映画で聞き取りを試してみるという使い方は出来る。
今日は日本語吹替・ハングル字幕で見たけれど、オリジナル韓国語・ハングル字幕でももちろん見られる。ハングル字幕のない韓国映画DVDも結構あるらしいから、そういう意味でもこのDVDは意味がある。
日本語吹替・ハングル字幕で見たのは初めてだったけど、なかなかいい。特に独学でやってると文字のほうに慣れがあるから。
韓国語・日本語字幕だとどうしても文字の日本語に意識が集中してしまい、韓国語の音声はほとんど聞いてない。でも日本語・ハングル字幕だと、耳は日本語を聞き流しつつ目で文字を追える。この感覚がちょうどいい。“聞き流す”ことは出来ても、目で“見流す”ことが人間にはしずらいってことがわかった(笑)。
日本語の音を聞き流しながらハングル文字を追うのだが、映画のセリフは速いので全部は読めない。修飾された主語だけで終わってしまうことも多々ある。それはそれでいいと思う。いつか読めるようになればいい。
映画の場面と日本語の音とハングル文字とで、まさに3つの同じ現象が群像劇のように迫ってくる。そういう場面を言い表す表現をハングル文字で読みながら日本語を聞いているので非常にわかりやすい。
韓日対訳本の読書では日本語を読みながら韓国語音声を聞くということも時々やるが、その逆がDVDでは出来る。語学で日本語のほうを聞く学習なんて普通はないわけだけど、日本語を聞くという行為は「語」ではなく「意味」を聞いているに等しい。
その間、自分自身では外国語を読み、できれば音読しながら、耳から母語で意味を取るという状態になっているわけだ。頭で日本語に翻訳してるわけじゃない。これに効果があるのかどうかはまったくわからないが気持ちはいい。読み上げるそばから意味がわかるのでストレスがない。映像メディアを使ってリーディングをやっているようなものだ。
ようはハングルをスラスラ読めるようになればいいので。フラッシュのようにパッパパッパと出てくるハングルを映画1本分追っかけることにストレスを感じないのは日本語吹替さまさま。最初から韓国語を聞きながらハングル字幕では30分も続かない。
でもそのうち韓国語を聞きながらハングル文字と対応づけられるようになり、そのうちハングル文字なしで意味がわかるようになればしめたものだ。それまで日本語で聞きまくっているから意味は頭に入っている。これは対訳本で目指す読書の目標と結果的に同じじゃないかな。
もっとも、達成がいつになるかはわからんが()、とにかく節目節目で「ロマンチック・アイランド」を見てはチェックしていきたい。それが出来るいい映画だと思う。
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