自腹で更地にしないと仮設住宅を許可しない役人は復興する気があるのか?
昨日のNHKスペシャルを見ていて、またまたまたまた行政に怒り心頭。今週は震災一周年で毎日NHKスペシャルが特集を組んでいて全部永久保存するつもりで録画してる。
昨日は気仙沼の人情商店街の復興へ向けたドキュメンタリーだった。津波で壊滅的なダメージを受けた商店街の人々が集まり、町の一角の土地を借りて仮設住宅で商店街を復活させようとしていた。
その思いと行動力に比較して行政のまったく思考停止した姿に腹が立ってしかたがなかった。
その最たるものは、仮設住宅の現地視察に来た役人たちだ。すでに商店街復興を目指す人々は土地の地権者と話をつけ、図面も引き、重機を入れて瓦礫の撤去を始めていた。
そこにやってきた役所の人間の仕事はその土地に仮設住宅を建てる可否判断だったのだが、そこでダメ出しをした。
その理由が「15cmくらいの高さのコンクリートの段差があって更地ではないからこのままでは許可できない」というものだった。
そこは大震災で破壊され、その瓦礫を撤去した土地である。これから一日も早く仕事を生み出そうという市民たちが集って土地を見つけ図面を引いたのだ。そこに仮設住宅を建て40もの店舗を入れて商店街を作ろうという具体的な復興を語っているのだ。
そのような市民の取組がまさに始まろうとしているところにやって来て、15cmの段差のコンクリートがどうのこうのと言ってしまう役人はいったい何をしに来ているのか。復興を邪魔しに来ているのか?
だがこのとき、市民の側の対応はすばやかった。目の前に仕事を終えた重機があった。操縦士もいた。役人のダメ出しを聞いた瞬間、重機の会社に電話しコンクリートの撤去を指示した。
追加作業で150万円程度かかる。それを出費してでも目の前に重機のあるときに更地にしてしまうと決断する。その間数分とかかっていない。同時に役人には、自分らでコンクリートを取れば大丈夫かとの確認をして、役人は「はい」というだけだ。
市民のこの決断力とスピード感。そんな住民の渇望から役人は完全に遊離している。この非常時にどう判断すべきかという権限のない役人が来ても意味がない。
一事が万事のように思う。この調子で復興復興と唱えているのだろうか。非常時の予算配分には現場担当者の裁量が必要であるし、アイデアを持って具体策を提示している人々から予算をつけていくことがこの非常時の役人の仕事だ。いっしょになって予算をぶんどってくるくらいの気概が役人にあってもいいくらいの状況だ。
平時ならコンクリート15cmの高さにケチをつけるのもいいだろう。だが被害者たちが懸命に復興を果たそうと動いているのに、そのマニュアル対応はいったいなんなんだ。それでも日本人なのか。
こんなことが続くのなら予算の配分などいつまで待っても出来ないし、復興など夢のまた夢だろう。こんなお役所仕事を継続したまま、原発だけはウソでもいいから収束させて再稼動をもくろむ。頭がおかしい政治家と役人しかいないのか。これじゃニッポンももう終わりだよ。
(ゴガクル日記に書いた内容だけどこっちにも転記した)
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コメント
日本の役人のサガを垣間見たような話ですね。
そんな役人なんて要らない。
杉並区は提携都市である南相馬市に職員を派遣して援助しているそうですが、その相馬市では震災後100人も職員が早期退職してしまったそうです。
夕張市みたいに、さっさと見離しちゃったのかな。
なんか、寂しい。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2012/03/08 07:02
この国は役人天国ですからね。天国に暮らしてれば世俗の民なんてどうでもいいんでしょう。
役人がやらない仕事を目ざとい反社会的勢力の皆さんがいち早く見つけて手を差し伸べる。そうやって戦後日本の復興はあったんじゃないかと思います。役人の堕落は反社会的勢力の勢力拡大をもたらしますね。そんな役所の上のほうは上のほうでまた反社と仲が良かったりしてマッチポンプかもしれませんが。
これまで危機はたくさんあったでしょうけど、今度の第二の敗戦、もうあきまへんわ。どうあがいてもダメなときはダメ。苦しいけど現実を見なきゃダメだと最近思ってて。個別には頑張ってる市民はたくさんいるでしょうけど、もう国家の体を成してないので。3年後、この予感が外れてることを祈ってます。
投稿: ポップンポール | 2012/03/08 21:45