google-site-verification=o_3FHJq5VZFg5z2av0CltyPU__BSpMstXTEV1P8dafg ヘッドライト・テールライトでもうたバナー: ひとくちメモ

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2011/12/30

ヘッドライト・テールライトでもうたバナー

たった今CXの「うたバナー」観ました。私のこと、中島みゆきマニアというテロップになってましたが、もっと濃いマニアを何人も知ってるので恐縮です。どっちかゆうたら中島みゆき語りマニアですねん(笑)。というか何でも深読みしながら妄想の世界に入っていくマニアですねん。

今回の特番では「地上の星」の1番の歌詞をサラっとなぞった部分だけが放送されましたけど、収録のときカップリング曲の「ヘッドライト・テールライト」のこともかなりしゃべってたんですわ。そこはカットになってましたので、んじゃ「ひとくちメモ」に書いてから帰省しようと思いまして(笑)。

というわけで、もうひとつのうたバナー、ヘッドライト・テールライト編です。この歌は「地上の星」との対比をものすごく意識して書かれているんで、単なるカップリング(昔風に言うならシングルB面の歌)ではなく、組曲のような雰囲気なわけですよ。そしてものすごく強い意志の表明、メッセージソングなんですわ。

番組用に提出した「ヘッドライト・テールライト」の深読み原稿もいま手元にあるのですが、いま番組を見て「地上の星」の解釈も自分自身さらに理解が深まり、「ヘッドライト・テールライト」のほうの揺れていた解釈が若干クリアになりました。だから大幅に書き換えました。「ヘッドライト・テールライト」の深読みがあのまま放送されなくて良かった。まだまだ甘かった!

●地上の星との関連性について

「地上の星」がメタファのオンパレードだったのに対して、ヘッドライト・テールライトはわりとストレートにわかりやすい言葉が多いですよね。英雄と忘れられる星とが対比されていたり、見果てぬ夢やあどけない夢などわかりやすいイメージが出てきたり。

でもサビのリフレインが「ヘッドライト・テールライト」であることに最初は違和感を持ちませんでした?この物質的・人工的なふたつのライトのリフレインは何だろうと。地上の星にはペガサスやヴィーナスがいたんだから、ここでも神話のメタファや壮大な宇宙の光り輝くものが照らしてもいいんじゃないかと。

「地上の星」の詞作について、番組では中島みゆきさんご自身の言葉が引用されてましたね。名もなき人々に“光を当てる”という考えから、何も自分が光を当てなくても自ら輝いているのは彼ら自身じゃないかというインスピレーションを得て詞が紡ぎ出されていったとか。だからこそ「地上の星」なんだと。

ええ話やなぁ。でもそうであるならば、「ヘッドライト・テールライト」は言葉は悪いけど凡庸な感じといいましょうか。タイトルだけ見るとヒット曲にならなさそうな感じがある。B面として捉えればわからなくもないくらいの感じ。ライトの名曲は他にもありますからね。いしだあゆみの「ブルーライトヨコハマ」とか(笑)。

それでもあえてこの曲が「ヘッドライト・テールライト」でなければならない理由があるはずなんです。だって中島みゆきさんですから。

そこではたと気付いたのは、「地上の星」が彼ら自身ならば、「ヘッドライト・テールライト」はそんな地上の星が生み出した実績のメタファなんじゃないか。そんなアイデアではないだろうかと深読みしてみたいんです。

つまり、

「地上の星」=名もなき人々
「ヘッドライト・テールライト」=地上の星たちの実績

という構図ですね。

●ヘッドライト・テールライトは何を照らすのか?

地上の星たちは、いま同時代を生きる民で、つばめ(メディア)に見つけてもらわないと見つからない存在ですね。もっとも彼ら星たちは見つけてもらおうとして輝かしい仕事してるわけじゃありません。輝くような仕事をしていてもあくまで謙虚です。

彼ら地上の星は、いま僕たちが享受しているこの文明の豊かさを支えてきた名もなき地上の星たちです。そこに光を当てた、本当に光る星を見つけたのがNHKの「プロジェクトX」であったわけです。

そんな地上の星が生み出す「光(実績)」は、人類が自ら発明した現代文明を象徴する光でなきゃなりません。そこで、あえてカップリングでは現代文明の日常の象徴としてのヘッドライト・テールライトだったのではないかと思うんですよ。

ヘッドライトもテールライトも、乗り物をイメージさせますよね。ある意味現代日本(当時)の象徴です。終わりなき旅をする乗り物。では、この乗り物は何のメタファだろうと考えるに、現代文明そのものではないかと思うわけです。

現代文明という乗り物が人類の進化という道なき道を走っているんです。乗っているのはいま生きている地上の星としての民であり、照らされている者、照らしたい者もまた地上の星たちだと思うんですよ。

現代文明を生み出した人類はもはやたいまつの炎ではなく、新しい光を手に入れました。人工の光を手に未来へと進んでいる。前方にはまだ見えない僕らの未来、後方には次世代を担うべき若者の未来。

そのふたつの未来は現代文明を象徴する地上の星たちの日常の光で照らされなければならないんですよ。いまならLEDで照らさなきゃなりません!

●ポジティブな中島みゆきの現在を象徴する光

中島みゆきさんの意思の強さを感じるのは、テールライトも過去ではなく未来を照らしているところです。ここが世代を超えてウケる才能なんだよなぁ。

これまでの業績や思い出を懐かしむ光でなく、はるか後ろについてくる次世代の「あどけない夢」を照らしているんです。ここがすごい。テールライトさえも過去を振り返らない。このポジティブさはいまの中島みゆきさんを物語るものだと思いますね。

余談になりますが、30年以上前に「サーチライト」という曲を作られてます。初期の傑作アルバム「あ・り・が・と・う」に収録されてますが、その炎はろうそくでした。ろうそくを集めて自分を照らし、振った男に見つけられようとするんです。

私はそのネガティブな情念の炎にもグッと来るわけですが、ヘッドライト・テールライトで「地上の星の未来を照らす」という超ポジティブな文明賛歌にも圧倒されますね。いま中島みゆきは圧倒的にポジティブなんですよ。

中島みゆきさんのなかには、発展していく未来は地上の名もなき星たちの見えない努力によって永遠につないでいくんだ、という確信があるんだと思いますね。だからこそ、そんな未来を信じたい人に支持され続けているんだと思うんですよ。

「地上の星」と「ヘッドライト・テールライト」はセットでなければならず、ふたつでひとつなんです。決して交わらない運命の断絶というテーマが中島みゆき世界の根本的なエネルギーだという確信がボクにはあるんですけれど、この2曲だけは切っても切れないカップリングでなければならない必然があるんです。

やっぱ深読みって長くなるよね(笑)。また語る機会があったらいいな。やっぱこの2曲はセットで辻説法したいよね(笑)。

●ポスト中島みゆきは?

もうひとつ余談ですけど、ポスト中島みゆきって考えたことありますか?私はポスト中島みゆきは中島みゆきだと思ってます。そういうファンがたくさんいるんじゃないかな。

これまでのアルバムタイトルの変遷で象徴的だったのは、15作目「中島みゆき」です。新人歌手でもないのに「中島みゆき」(1988年)というタイトルで出してくる。ぶっ飛びましたね。昔っから知ってるよ!ってね(笑)。そんな思い出も既に20年以上前ですが、いまだに中島みゆきは変化し続けます。

「中島みゆき」は何度もデビューしてるんです。それまでのキャリアをリセットしてる。昔ながらのファンや関係者は絶対にそれまでの業績をリセットしたりしないんですけど、中島さんのなかではリセットされてる。仕事においては現在と未来しかないんです。

ヒット曲を生み出せる息の長いアーティストは何人かいますけれど、一番難しいのは「物語」を続けることだと思うんです。芸能の世界はどうしても新しいお披露目に目が行きがちで、プロデューサーは常に新人アーティストのポジションを探しています。うまくポジションにはまって売り出せたらヒットするかもしれない。でもそのポジションも安住できません。飽きられたらそのポジションが足かせになってしまいます。

運よく新しく世に出たアーティストは新鮮で目を引きますが、それを継続していくのが大変なのは会社と同じ。常に新しいテーマを掲げ、新しいビジョンを持ち、新しい物語でユーザーを説得しなきゃ生き残れません。変化することはそれほど難しくないけれど、その変化でユーザーを説得するのはとても難しい。たいがい絵に描いた餅は見抜かれてしまいます。歌謡曲がなくなり、歌の世界が多様化するにつれ、さらに物語は成立しずらくなりました。

中島みゆきさんが何世代にも渡って支持され続けているのは、今回深読みした2曲のように未来を信じるポジティブな姿勢を持って、常に説得力のある物語を作れている証しではないかと思うんですよ。過去の成功体験に固執せず、自身の意識をリセットできるチャレンジャーなんじゃないでしょうか。常に正解だけを出し続けるなんて誰にも出来ませんが、そこを調整しながら要所要所で説得力のある物語を提示できる。ファンが思う以上に過激なチャレンジャーですよ。たぶん。

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コメント

「うたバナー」みますた。思っていたより長く映っていたんで驚いたよ。

投稿: ギター小僧 | 2011/12/30 14:21

おー!見てましたか?本当は二番の歌詞がミソなんだけど、今回の番組では一番の基本説明だけになってたなぁ。名前のテロップがデカかった(^o^;)!

実家からです。

投稿: ポップンポール | 2011/12/31 07:53

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