IUは高音だけじゃない。少女時代が脚だけじゃないように #IU
韓国で国民の妹といえばキムヨナだったけれど、もう一人の妹がIU(アイユー)だ。ボクはIUも好きなので日本デビュー盤発売記念ということで、持ってるCDのジャケットなどを集めて記念写真を撮ってみた
韓国での人気も高く、先月末発売された限定盤はほぼ売り切れ。閑古鳥の鳴いている韓国音盤市場としては非常に注目度も高かったようだ。
ボクも某ネットショップで予約していたけど、予約なのに入手できず。即決オークションに切り替えてなんとか入手できた。そのオークションはちょうどタイミングよくアップされた数時間後に一番乗りで即決できたが、その後Twitterで「まだの人は急げ」と書いたせいかその数時間後に全部落札された。
今年の1月26日のゴガクル日記にIUのことを(日本語で)書いていたので引用してみたい。
最近IUをテレビでよく見る。ワイドショーにもよく出てる。韓国の番組だけど。かなり肝の据わった18歳だ。しゃべり声は結構低音でガハハと豪快に笑うが、歌うと超高音を発する。可愛いだけでなく歌もうまい。去年の大ヒット曲「いい日」を聴いて松田聖子のデビューの頃を思い出した。実力に楽曲の良さも揃うのが聖子やIUの引きの強さか。今年日本に来て欲しい歌手No.1だ。
韓国の松田聖子になるポテンシャルを秘めていると思ったけれど、その思いに変わりはない。聖子も18歳ごろデビューしたがかなり肝の据わったアイドルだった。ガハハ笑いも似てる。
周りに流されてしまう若いアイドルは五万といる。だが自分のポジションを知り強い意志を持って仕事を創造できるアイドルは少ない。もちろんそこにはスタッフの力、裏方の能力も欠かせないわけだが、その裏方のパワーを引き出す何かを持っていることが重要だ。ビジネスだけでない魅力が必要だ。
これまで高校生アイドルだったIUだが、大学受験はせず音楽一本で生きる決心をしたそうだ。韓国は超学歴社会だといわれ、パトカーで受験会場に駆けつける受験生のニュースがいつも流れる。芸能人も芸能コースのある大学に通うケースが多い。IUならそういう道もあっただろうが、そこに価値を見出さなかった、逆に時間のロスと考えたところが稀有だ。
「勉強嫌い」とジョークで言えるアイドルはいても、生き方を貫けるかどうかは別だ。自分の持っている天賦の才能に賭けようという覚悟を感じた。
もっとも本人はそういう覚悟だとかストイックな面を強調することなく、純粋に自信がないからやめたと言っている。それはそうなんだろう。音楽が好きだから子どものころからオーディションを受けまくり、いくら落ちても「自分はどうせいずれ歌手になるんだから大丈夫」と思い続けてきた。ずっとそのために学んできた。そして「良い日」でブレイクした。
IU自身にとっては、せっかく歌を歌って聞いてもらえる場が与えられているんだから、そこに集中するのは自然なことなのだと思う。子どものころからそうやって生きてきたのだ。その音楽への純粋な姿勢が周りを動かす。松田聖子が松本隆を動かしたように。
キムヨナとデュエットした“ICE FLOWER”という曲の貴重な動画もYouTubeで見ることが出来る。このツーショットはキムヨナファンでもあるボクにはとてもほほえましい。
視聴率的には苦戦したといわれるキムヨナのスケート番組「キス&クライ」の主題歌として録音された曲らしい。
しかしキムヨナも歌が上手いな 特にAメロの終わりのところ(0:28~)のこぶし(ビブラート)は天性のものだ。リズム感だけでなくこの表現力もまさにキムヨナの演技に通じるものだとあらためて思った。
IUはキムヨナより3歳くらい年下だが、こうして並んでも引けを取らないな。大物感がある。ヨナオンニとか呼んでいるのだろうか!?
IUの歌唱力については「良い日」で聞かせた3段階高音ロケット弾ばかりがクローズアップされる。韓国音楽界において不満があるとすればそこだ。IUに限らずいわゆる聴かせるタイプの歌手はとにかく高音が重視される。
もちろんそれもひとつのファクタではある。しかしそれはいわばフィギュアスケートにおけるジャンプのようなもので、総合力がそこだけにあるわけじゃない。
ボクがキムヨナや4minuteのジユンに惹かれたのと同じく、IUにも彼女らと同様に陰陽道の“陰”の部分がある。ダンスでいえばつなぎの動作、演技で言えば間の取り方、歌唱でいえばサビ以外の部分などに“陰”があり、そこをしっかり自分のものに出来る才能に惹かれる。
ちょっと話はそれるけど、少女時代とKARAの違いもそこだと思ってる。日本じゃKARA人気もすごいのであまりここを強調するつもりはないし、人気というのはまた別物だと思うけれど、純粋に技術とか歌の実力の差は歴然としてる(KARA解散騒動のあった裏方との問題もあるかもしれない)。
ただ日本では少女時代も美脚から入ってしまう貧困さなので(それはそれでもいいんだろうけど)、ちょっと残念。もっと音楽として深くコミットしてみる価値はあると思う。
IUも来年には新作を引っさげて日本でライブを行うそうだ。抽選だから当たればいいのだが...。実はオジさんファンも多いIUだけにその客層も気になる(笑)。
12月に発売された日本盤の初回生産限定特典DVDもすばらしい。単純にPVを並べただけじゃなく、IUへのインタビューのつなぎにPVを挟む構成になっていて、番組を見ているような感じだ。とってもいい。こういうひとつひとつのモノづくりがリスナーに伝わる。それこそジャケットの紙の選定からだってリスナーは無意識に感じ取るのだ。
その積み重ねは裏方の責任でもある。スタッフとアーティストとの関係が大切なのは今も昔も変わらないだろう。そこまでひっくるめてリスナーは敏感に感じ取る。IUというひとつのプロジェクトなのだ。まさに松本隆が言った「松田聖子プロジェクト」と同じ意味合いで捉えてみて、いい仕事をしてるなと思うのだ。
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