レッツ!断捨離
心技体、天地人、守離破、とかく日本人は3文字で奥義を表してもらうのが大好きだ。ここに最近「断捨離」という造語が加わっているらしい。某業界紙で紹介されているのをたまたま読んで購入した。ベストセラー本を購入するのは久しぶり。
サブタイトルは「新・片づけ術」、著者はクラターコンサルタントを名乗る片づけ伝道師・やましたひでこさん。クラターとは“ガラクタ”のことだ。一言で言えば「ガラクタを捨てよう!」ってことが書かれているのだが、この「ダンシャリ」という言葉の響きには独特の魅力がある。おそらくこの言葉が類書との差別化に圧倒的に効いていると思う。
収納や整理術の本ではない。収納や整理整頓が可能なレベルにすらたどり着けない物質的飽和状態の現代人に、収納や整理する前にまず捨てろと説く本だ。不要なものを捨ててこそ収納・整理が出来るというわけだ。極論すれば「その収納用具からまず捨てなさい」と言ってる(笑)。いや、その通り。
こういう本(いわばお掃除精神論)はたくさんあるので、ネットレビューなどを見ると目新しさがないとか昔からある片づけ術だなどという論説も見かけるが、書籍との出会いと実践との結びつきも本書でいうところの「知行合一」な面があり、語り口を変えれば腑に落ちるということもある。
実践できている人に必要のない知識も、いま必要な人に新しい語り口で伝える意味はある。実践できずに本ばかり漁っている人は、この本でようやくアタリくじを引いた気分になれるかもしれない。そこがベストセラーになっている所以じゃないかとも思う。「断捨離」というキーワードを作った時点で著者の勝ち。そんな本だね。
「断・捨・離」はヨガ用語からつけたそうだ。ヨガといえばボクにはサーフィン王ジェリー・ロペスが思い浮かぶ。ジェリー・ロペスのマネしようとヨガマットを買ったのは3年前でした。一度も使っていないそのヨガマットも「断捨離」対象なんだろうなぁ...。
まぁとにかく片づけしてみようという気分になったので、どこから手をつけるか考えた。
●とりあえず台所の棚からはじめてみた!
そもそも私にとって掃除とは模様替えと同義であり、大掃除とは引越しと同義といってもいい(笑)。そんな人間がダンシャリアンになれるのだろうか?「短い人生のなかで出会ったモノくらい一生つきあってやる」くらいのオレ様なのだ。
モノが捨てられない自分自身をあらためて考えてみると、明らかに「想念の強いモノ」に囲まれて生きてる。コレクターではないけど趣味人なので、様々な趣味の痕跡が家中に。趣味ってスパイラルな波があるから昔のモノも捨てられない。本もメディアも楽器も捨てられない。本なんて収納ダンボールを大量購入してる()。
だからそういうモノはとりあえず保留しておき、想念のなさそうなところとして台所をターゲットにすることに。全部はキツイのでさらに絞込み、台所のルミナスラックとカラーボックスだけに焦点をあてた。
ルミナスラックが6段、カラーボックスが3段。全部棚から降ろして捨てられるものをポリ袋に入れていったら、あろうことか棚が全部からっぽになってしまった()。9段全部だ。君たちガラクタはなんのためにこの空間を占有していたんだ!ま、自分のせいなんだけど。
●そこはまさにゴミのワンダーランド!
いや、ほんとに。捨てるのが億劫なだけのモノもあったが、まだ使っていない、開けていないモノモノモノ。そしていつか収納用として、あるいはゴミ捨て用に使うだろうと取ってあった紙袋、ビニール袋、空き箱の数々。収納・廃棄のためのグッズ予備軍であふれていたのだった。
出てきたものをあげてみると、いま書いた収納用品予備軍以外に、もらい物のお茶セット、コーヒーセット、グラスセット、マグカップセット、インスタント味噌汁セット、ワイン、ピクニック用の紙皿、紙コップ、錆びて使えない中華鍋、昔使っていたオーブントースターと炊飯器、レンジで使えるプラ容器類などなど。
そもそもこの10年、ウチで日本茶なんて入れたことない。ウチでコーヒーを沸かす習慣もない。インスタントコーヒーすら作らない。そんなもらい物の数々が化粧箱のまま賞味期限1997年を筆頭に堆積していた。
電化製品や鍋は捨てるのが億劫でそのままになっていた。不燃ゴミに出せばそれで済むのに。一度も使っていないプラ容器類も他に持っているから出番が回ってこないのだが、実家から送ってきたものだから捨てずに取っておいただけだったりする。
こんだけゴミしかないと、そもそもラックが必要だったのかとすら思う(笑)。収納のために買ったわけだが、ゴミしか置いてなかった。これからはちゃんと使うものを置いて生活したいものだ。
しかし不燃ゴミや資源ゴミを捨てる日は週一回しかなく、そこにあわせて作業するのがこれまた億劫で先延ばしになってる。何年も前に割れた皿もあったりする。ここは一念発起するしかないな。そして捨てた暁には、ゴミになるものを買わない・もらわない習慣をつけなければ。
それがすなわち「断」なのだ。捨てる決心をして始めてわかる入り口を断つ重要性。「捨」と「断」を身につけることによって、はじめてゴミから離れた生活、必要なものだけに囲まれてハッピーに生きられる。それがダンシャリアン。この言葉の響きに導かれて来年は「断捨離」生活が出来るのだろうか...(一応、つづく)。
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