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2010.11.28

中島みゆきとゆかいな(?)動物たち

11月25日、昨年のBS熱中夜話「中島みゆき」でご一緒させていただきましためいめいさんと中島みゆきTOUR2010を鑑賞してきました。コンサート後は番組Dのカトちゃんと、遠方より上京されていたBS熱中夜話中島みゆき第3極幹事長(?)たまごさん、中島組組長(?)クサさん、組員(?)タイコさんが合流し楽しいオフ会をさせていただきました。

みゆきさんにとって3年ぶりのコンサートツアーです。最新作とこれまでの曲とがいい塩梅でセッティングされてました。やっぱりどうしても昔の曲に反応してしまう自分がいるんですけど、それは付き合いが長いから。どの歌も中島みゆきさんのいまなのです。1月にもう一回行きます。

最新アルバムは「真夜中の動物園」というタイトルです。動物園といえば故・川村かおりさんの「ZOO」を思い出します。「動物園」というキーワードにはアーティストの感性を捉える響きがあるのでしょうか。

今回のアルバムにはタイトル曲としての「真夜中の動物園」という曲がありましたが、この曲以外にも動物が出てくる曲が案外多いと感じました。ちょっと挙げてみましょうか。

『真夜中の動物園』
真夜中の動物園 :はるかな国で消えた渡り鳥の迷子が
            /あれはシロクマの親代わりだったヒトさ
ハリネズミだって恋をする :傷つきやすいということが言い訳になってハリネズミ
サメの歌 :サメよサメよ落し物の多い人生だけど
ごまめの歯ぎしり :ごまめの歯ぎしりでしょうね、たぶん
鷹の歌 :と呼ばれていた人が這うように命を運ぶ
負けんもんね :小蟻が山を牽いている
雪傘 :雪の上逃げる小ギツネみたいに

7曲です。全12曲ですから、58.3%の楽曲に動物が出てきます。蟻も生き物ですし入れました。ごまめは小魚と考えてます。ごまめの歯ぎしりっていえば故・高田渡を連想しちゃいました。曲名なんだったかな?みゆきさんとは曲作りの目線の高さに共通項を覚えます。

58.3%動物が出てくるアルバム。まさに動物園です(笑)。しかし動物園にいそうなのはシロクマくらい。あとは檻のなかで生活できない動物ばかりです。さらに「真夜中の」がミソです。真夜中の闇によって檻の内と外との境界線がなくなるのです。そこに遠い彼方から逢いたい相手、逢えない相手が逢いに来る。そんな場所としての「動物園」なのです。

真夜中の動物園は現世と黄泉の国とをつなぐ闇の世界。神有月の出雲大社ような場所なのではないでしょうか。だから私ももう逢えない川村かおりさんや高田渡さんを呼び戻してみたわけです。

●初期の中島みゆきと動物たち

昔から中島みゆきさんの楽曲には動物がよく出てきました。大自然のある北海道出身だということが関係してるのでしょうか?私の主たる研究対象(?)は中島みゆきの初期楽曲群ですから、ちょっと調べてみましたのでご報告いたします。ここから何か感じとれますでしょうか?

『私の声が聴こえますか』
渚便り:カモメが一羽

『みんな去ってしまった』
トラックに乗せて:野良猫のように
流浪の詩:ママと名付けた黒猫
忘れられるものならば:とどかなかったの名が

『あ・り・が・と・う』
朝焼け:かもめたちが目を覚ます

『愛していると云ってくれ』
あほう鳥:どちらも泣かないあほう鳥
おまえの家:昔飼っていたは黒猫じゃなかったね
世情:世の中はとても臆病なだから

『親愛なる者へ』
こんばんわ:昔ここにとやさしい人がいた
泥海の中から:おまえが殺した名もないの亡骸は
小石のように:旅をとめる親鳥たち
狼になりたい:ベイビィ・フェイスのたち

『おかえりなさい』
この空を飛べたら:ああ人は昔々だったのかもしれないね
ルージュ:生まれた時から渡り鳥もわかる気で

(シングルB面)
霧に走る:今夜となりにすわってるのは小石かだと思ってるの

『生きていてもいいですか』
泣きたい夜に:まるで暗い流れを渡るひな魚のように
キツネ狩りの歌:キツネ狩りにゆくなら気をつけておゆきよ

『臨月』
友情:言葉を忘れた魚たち/たよられるのがきらいなたち

(シングルB面)
杏村から:街のねずみは霞を食べて
傷ついた翼:(翼を鳥の暗喩と考える)

『寒水
鳥になって:私は早くここを去りたいできるならになって
BGM:カナリアみたいな声が受話器をひろう
時刻表:迷える子羊は彼らほど賢い者はいないと思う
歌姫:やせた蝶々蜜を探し舞い降りている

『予感』
すずめ:すずめすずめ私の心
金魚:(心象風景・暗喩としての金魚と考える)
ファイト!:暗い水の流れに打たれながら魚たちのぼってゆく
      /ああ小魚たちの群れきらきらと海の中の国境を越えてゆく

出典はもちろん私のバイブルのこの楽譜集です(笑)。掲載順なのでシングル曲は発表順と異なります。

多く出てくる猫関連は赤太字、鳥関連は青太字、魚関連は緑太字にしてみました。その他の動物は黒太字です。

●猫について

猫は初期には多く出てきましたが、その後は減っているように思えます。もっともこの後「やまねこ」などもあるので一概には言い切れませんが、猫には「黙ってジッとしている若い女性」といったイメージがあり、若干ネガティブな存在のように感じます。その猫が「やまねこ」に変貌してから、中島みゆきの世界に従来どおりの猫の居場所が少なくなってきたのかもしれません。猫で言い表せる世界感でなくなったということかもしれません。

●鳥について

中島みゆきさんにとって「鳥」は特別な存在です。「かもめはかもめ」を出すまでもなくカモメへの感情移入は相当強い。しかしそれも初期中島みゆきと言っていいのかもしれません。かもめといえば「かもめのジョナサン」を連想しますが、中島みゆきのかもめは超人的なジョナサンから見た他のカモメに近い。

空を飛ぶことへの憧憬が強くあり、それはこの世界から飛び立つことでもあり、また“飛び戻る”ことでもありそうです。渡り鳥のように地球を寝床とする鳥もいれば、すずめのような留鳥もいます。カモメには渡り鳥でありつつ留鳥として暮らすものもいます。

鳥が比喩として出てくるとき、それは別れだったり出発だったりしますが、その距離を空想することがあります。同じ鳥としての別れでも留鳥の距離で未練を残して去りたいときと永遠の別れであるときと、どちらの心情なのかと。

しかし昨今の中島みゆきの世界には、鳥としての距離をはるかに超える距離の存在が認められます。夜会の通奏低音とも思える「決して交わらない距離」を感じます。この距離は鳥では届かないもっともっと大きな距離なのです。

夜会を通して中島みゆきはどんどん深い断絶の谷へと入って行き、交われないからこそさらに深まる絆の存在をこれでもかこれでもかと表現し続けます。それが陽炎のように追えば去りゆく存在だとしても追わずにいられず、そして逃げれば逃げるほど自分自身の確信が強くなって行く...。中島みゆきの世界感は、そんな矛盾の時空をさまようメビウスの輪のようなところまで来てしまっていて、もう鳥の世界感では生きられなくなっているかもしれません。

このコンサートツアー2010は、大きくなりすぎた夜会的世界感を鎮める効果があったようにも思います。適度にリラックスしたコンサートです。「今日以来」なんて吉田拓郎へのオマージュでしょ(笑)。ちょっとこれはテーマが違うからあとにしますが。

●魚について

魚の比喩は初期にはほとんど出てきません。「生きていてもいいですか」でひな魚が出てきます。1980年ごろなんですが、これって拓郎の「ローリング30」(1978年)の影響があるんじゃないかな?松本隆と吉田拓郎がタッグを組んで合宿して作った傑作アルバム。その楽曲群のなかに「虹の魚」という名曲があります。中島みゆきさんはこの曲大好きなんじゃないかなぁ。詞に魚が出てくるたびにそう思ってしまいます。

その後、魚は結構出てくるようになります。夜会では命と置き換え可能なほどに比重が大きくなって、「24時着 0時発」ではサーモンダンスを踊るまでになります。

「真夜中の動物園」には「サメの歌」という曲があります。「サメの歌」ってタイトルはあまりに飾りのない直接的なものですが、その後の「鷹の歌」というこれも直接的なタイトルで、この2つをあえて「○の歌」として対にしてるようにも思えます。魚と鳥、自身と他者。サメも鷹も一般的には強そうなイメージがありますが、他者である鷹に比べて、自身であるサメは鷹ほど強くない。

●「今日以来」と「今日までそして明日から」

「サメの歌」は「今日以来」ともリンクしてるように思えます。「今日以来」が拓郎へのオマージュでは?と書きましたが、それは「今日までそして明日から」との対比において、女と男の違いを考える上でも興味深い。拓郎の「今日までそして明日から」は過去を強く意識しています。「今日まで」という一区切りが付かなければ「そして明日から」もないのです。そして明日からも同じように生きていくんです。これが男。

しかし「今日以来」は今日から先のことしかないわけであります(なんで口調が拓郎になってんだろ)。サメの歌も今日以来も後悔はしてるんです。でもそれが何だって言うのと。いろいろあったけどそれはそれとして、今日以来もう愛しますと(笑)。サメのように前しか見て生きられないのさと。それが女。

いまがすべてというのは中島みゆきさんらしくって「今日以来」も「サメの歌」も好きです。サメの歌は最初「3名よー3名よー」って歌詞だと思って飲み会か?と思いました(笑)。

ついでにどーでもいいけど、武田鉄矢だったか、「今日からそして明日まで」っていい間違えて、「それじゃ1日しかねぇじゃねーか!」って拓郎に怒られてました。

●その他の動物について

猫、鳥、魚以外では、ねずみの活躍も目立ちます。今回「ハリネズミ」もいますが、「杏村から」のねずみはきっと「シーサイド・コーポラス」のねずみと同じねずみ(またはその子)なんだとひとり確信しています(笑)。

蝶々や蟻が動物なら「貝」だってという気もしましたが、まぁそこは文学的線引きと申しましょうか...。

動物じゃないですが、「小石」は結構重要な表現かもしれないです。「小さき者」への視線は動物の比喩と共通点を持ってますよね。それが他者であっても自分であっても。

初期中島みゆきの楽曲には犬があんまり出てこない。夜会で犬になったくらいなのに(笑)。狼はイヌ系ですが。

キツネは北海道っぽい。この感想が凡庸だけども(coldsweats01)。真夜中の動物園のジャケ写真は倉本聰先生の富良野塾の敷地らしいです。

中島みゆきさんは今後歌って欲しい動物の募集はしてません(笑)。

でもキリンとかゾウとかアリジゴクとかコアラとかシーラカンスとか、創作意欲を掻き立てる動物はまだまだいそうです。これからもどんな動物が歌われるかに注目して応援してます(その感覚、ちょっとズレてる!)。

ボクがはじめて中島みゆきさんのコンサートにいったとき、最初に聴いた歌は、まだアルバム「はじめまして」発表前の「僕は青い」弾き語りでした。「はじめまして」というアルバムタイトルで中島みゆきさんは次の高みへと脱皮されたように思っています。ボクにとっても初ライブ体験含めて、「はじめまして」以前が初期中島みゆきという括りです。それはつまり“中島みゆきの青い鳥以前”という感覚なのです。

だからといって「はじめまして」以後の動物調査はいたしません(笑)。大変なんっすから。誰かやってみてください。文学部なら卒論になりえますよ!

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Comments

 
先日はお疲れ様でしたー。またやります。

動物歌、真っ先に思いついたのは、

 【猫】
   ただの心しかもたない やせた猫になっても
    「あした」シングル、『夜を往け』

 【キツネ、うさぎ】
   野に住むものは一人に弱い
   キツネの森へ駆け寄りたがる
   野ウサギのように髪の色まで変わり
   みんなあんたのせいだからね
    「野ウサギのように」『グッバイガール』

 【鳥】
   まだ見ぬ陸を信じて なぜに鳥は海を行けるの
    「最後の女神」(「時代」CW)


そしてとどめは、

   虫も獣も 人も魚も
   透明なゴール目指す 次の宇宙へとつなぐ
     「命のリレー」『転生』


あー、またベストを作りたくなってきました。

 

Posted by: たまご | 2010.11.30 at 23:36

どれも印象深い歌ばかりですねぇ。

銀の龍もありますね。動物かは微妙ですが...。

>あー、またベストを作りたくなってきました。

中島みゆき動物園SPみたいな(笑)。

今回真夜中の動物園に触発されて、こういう切り口で探してみたんですけど、なんだか新鮮でしたよー。詞をしっかり読まざるを得ないのでそれぞれの曲を再発見できた気分です。

こんどは天気と中島みゆきでやってみようかな(うそ)。

話は変わりますが、飲み会のときに昔の中島組は中島さんの楽曲からハンドル名をつけていたという話をクサさんに聞いて、帰りにひとりいまのボクならなんてつけるかを考えていたんです。

それで思いついたのはハンドル名「滝川と後藤」なんですけど、クサさんに「滝沢と後藤」と痛恨の間違いを告げてしまいました!ここに訂正いたします(笑)。

たまごさんならどんなハンドル名をつけますかねぇ。慟哭でしょうかねぇ。

Posted by: ポップンポール | 2010.12.01 at 07:58

 
今晩、また車を思いっきり擦った(へこませた)ので、
いっそ「慟哭」でもけっこうです(慟哭)。

あとは「こんばんは」とか。

  ♪あれから何をやってもうまくはいかず〜

ってなもんで(慟哭)。

 

Posted by: たまご | 2010.12.01 at 21:55

ご愁傷様です...。

まぁ最初の車なんてそんなもんでしょうcoldsweats01

そんな慟哭さんにこの詩を贈ります(catface)。

この車に乗ればどうなるものか
危ぶむなかれ
危ぶめば道はなし
踏み出せばその一擦りが道となり
その一当が道となる
迷わず乗れよ 乗ればわかるさ

一休さんとアントニオ猪木の詩に似てますが気のせいです(笑)。

ボクが女だったらハンドル名は「つけ焼刃レディ」(あたいの夏休み)がいいなぁ。

Posted by: ポップンポール | 2010.12.01 at 23:52

追伸。

ぐっちさんは本日岡村孝子さんに会って生歌聞かせてもらえたらしいですよ。うらやますぃー。

ボクも誘ってもらったんですけど、どうにも時間的にムリでした。

みゆきさんで実現できたらこれ以上の幸せはないんですが、たまごさんの某先輩にまたなんかスンバラシイ企画作ってもらえないかなぁと夢見ております!

Posted by: ポップンポール | 2010.12.01 at 23:57

 
「慟哭」、もうちょっと考えてからにしましょうか(汗)。


「道」らしき詩は、この前結婚式の二次会で朗読しました(笑)。

明日も迷わず乗ります。修繕はするかもしれませんが(汗)。


岡村さん、たまごが加藤晴子さんパートで「待つわ」を唄いたい。
 

Posted by: たまご | 2010.12.02 at 00:52

ジックリ考えてください。

考えるのが楽しい一人遊びですから!

Posted by: ポップンポール | 2010.12.02 at 01:43

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