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2010.05.24

ウルトラマンそれは極度に過激な男

本題の前に、マイケル・サンデル教授の新刊『これからの「正義」の話をしよう』が、ちょうどいまamazonのランキングで1位だったので、POPと1位のキャプチャー画像を緊急アップ!POPはポストカード大で購入した本についてきました。

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いやー、すごい反響なんじゃないですか?ウチにも本が今日届いたんですけれど、内容がギュッと詰まってて読みこなすのは結構大変です。NHK教育での昨日(5/23)の講義は、ジョン・ロールズの道徳的価値と正当な対価の問題でした。つまりこの本で言うと第6章あたりです。来週は第7章のアファーマティブ・アクションをめぐる論争に入りそう。いよいよサンデル教授の議論の核心に入って行きそうな予感ですが、それまでに第6章まで読めるかどうか。キッツイぜよ(wobbly)。

でもこういう本が売れるってのはいいことだね。番組と書籍とで「正義」についてある程度の理解が出来たら、鳩山政権の道徳と正義についてぜひ考えてみたいと思う。

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では、ここからどーでもいい本題へ(笑)。前回はハーバード白熱授業におけるサンデル教授の去り際の魔術師ぶりについて見て来たが、その枕の部分でボクはウルトラマンについて言及した。10年ほど前にウルトラマンの正義について私が1200文字以内にまとめた文書があるので、今回はそれを転載してみたいと思う。ね、どーでもいいっしょ?正義と昭和がマイブームのいまならではっちゅーことで。

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●ウルトラマンそれは極度に過激な男

 1960~70年代に生まれた我々には一生背負っていかねばならぬテーゼがある。「正義の味方ウルトラマン」のことである。

 ウルトラマン。彼は正義ではない。あくまでも正義の味方気どりである。子どもの頃はみんな無邪気に喜んだ。「ウルトラマンはかっこいい」「ボクもウルトラマンになりたい」とはしゃいだ子どもは多いだろう。だが年を重ね「正義とは何か」を考えられるようになると、ウルトラマンという存在の不条理さに気づき、正義とは、正義の味方とは、というテーゼに思い悩むのだ。

 ウルトラマン。そいつは突然現れた。しかも人間に憑依してこの地球に留まった。アイツが来てからというもの、地球には怪獣がわんさか出現しはじめた。まるで自分の存在価値を正当化するかのように、出現した怪獣を倒してみせる。それが「正義の味方」の自己表現なのである。

 ウルトラマン。日本語では「極度に過激な男」である。自ら名乗ったのか、地球人が名づけたのかは知らないが、ウルトラというと「ウルトラ・タカ派」などのマッチョな思想を連想する。そのうえ正義の味方気どりなのだ。「極度に過激な正義の味方」が味方するその正義の本質が何かを考えるたびに、空恐ろしくなるのは私だけだろうか。

 ウルトラマン。カラータイマーという自己表現も巧みだ。3分しか持たない男。それがウルトラマン。闘うときは巨大になるヒーローだが、3分経つと青かったカラータイマーが真っ赤に点滅し始め、急に弱気になったりして「極度に過激な正義の味方」に危機が訪れたかのように見える。だがそれは見せかけの弱さだ。実はフィニッシュにはありったけのパワーを放出する男でもある。短所を見事に克服し最後は決めてみせる。すべて彼の演出なのではないか。そして満足して飛び去っていく。アフターは意外とアッサリなのだ。その見事な正義の味方ぶりに世の男子は熱狂した。

 ウルトラマン。極度に過激だが早漏気味の正義の味方。次々と対戦相手が現れ、ウルトラマンの餌食になる。それを大衆(主に男子)が熱狂的に受け止める図。そんな大衆を「正義」と見立て、彼はその正義に味方しているとでも言うのだろうか。これは自己正当化のための洗脳ではないのか。
 ウルトラマンが耳元でささやく。「君もやってごらんよ。ボクが君の味方だよ」と。そのとき大衆は自分が正義だと確信する。あるいは彼のように正義の名の下に誰かを正義と見立てて味方する。「正義」とは自己正当化の小道具なのか。

 ウルトラマン。その思想はまさに極度に過激だが無根拠かつ無責任である。まさにやり逃げ男だ。我こそは正義だと声高に叫ぶわけではないが「極度に過激な俺」を自覚しつつ他人に味方し自己を正当化する。そのやり口は卑劣で世の権力構造そのものではないか。そんなトンデモ思想を脳裏に焼き付けてボクらの世代は今を生きている。正義の味方の味方として。 ◆
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(ホームページの1コーナーだった「あな鶴」の「人生はウルトラマンである。」を改題)

あな鶴はほとんど途中で更新を止めてしまった。ブログもはじめたし。でも鶴輝・あな鶴のころの自分の文章が結構好きなのー。

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