チャットモンチーのエフェクター
チャットモンチーのことを何度か書いてるけど、ご訪問される検索キーワードに「チャットモンチー エフェクター」とか「橋本絵莉子 エフェクター」というのが結構あるので、このDVD+BOOKを紹介しておこうと思いまして。
「FUZZ: THE SOUND THAT REVOLUTIONIZED THE WORLD(ファズ:世界を変えた音)」というマニアックなDVDです。DVD自体は洋モノ(字幕つき)で、アメリカンなミュージシャンや技術者や楽器商のインタビュー(だけ)で構成されたドキュメンタリーです。日本人アーティストは一人も出てきません。
だから映像のほうは楽器ファン、なかでもエレキギターやベースの歪み系エフェクターに興味がある者にとっては結構面白いですが、チャットモンチーの音楽を聴くのが好きというファンには退屈かもしれません。バンド組んでてエフェクターの研究をしたいとか、歴史を知りたいとか、そういう興味にはまるDVDだと思います。
しかし付属BOOKのほうには興味深い写真が載ってます。それがチャットモンチー橋本絵莉子の足許に置かれているエフェクターボックス!絵莉子ちゃんだけじゃなくて鈴木茂のエフェクターボックスもあったのが個人的には「おぉ!」って感じでした。いい企画やなぁ。
ボクもライブに行くとセッティングされた楽器に目がいってしまう性質なので、こういう職人技写真は好物です(写真家・鈴木親=すずきちかし)。
チャットモンチーのエフェクターに興味を持つのは、おそらくコピーバンドや楽曲コピーで同じ音を出したいという欲求に駆られてのことだと思います。ボクも昔そうだったから。ボクはYMOになりたかったけど、さすがにプロフェット5を買うお金も使いこなす技術もありませんでした()。
エフェクターの配線や順番やパラメータの設定は企業秘密というかミュージシャンの積年の研究成果だと思うので、写真を観ただけじゃ奥義までは分かりません。ぜんぶそろえても同じ音が出せるようになるまでは、やっぱ研究が必要ですよね。
でもFUZZの写真を観て気持ちが高ぶるってことはあると思う。その情熱を同じ機材をそろえようという方向ではなくて、絵莉子と同じくらい研究しようという方向に向けられると演奏のモチベーションも高まると思うな。
そういう前提ですが、多少この写真でわかることも書いておきますと、絵莉子ちゃんはProvidenceのプログラマブルエフェクトコントローラーを使ってます。これは複数のエフェクター(最大8個まで)を配線してこのコントローラーにつないでおいて、スイッチで素早く音色を切り替えるための機材です。
トップミュージシャンご用達の機材なのでそれだけなら紹介するほどでもないのですが、そこに貼られた手書きシールがかわいい!音のイメージを6個のスイッチに充ててるんですけれど、左から「クリーン、ひずみ、ひどいひずみ、ひずみディレイ、ひどいひずみディレイ、solo」となっております
どんだけひずみ好っきやねん
ボク自身の興味としましては、絵莉子の千住札(笑)。そこだけアップにして画像貼っとこ。エフェクターよりこの千住札が欲しいっす!高田渡の千住札は財布に入れてますが(笑)。ちなみにこの絵莉子千住札が貼られている機材はHUMAN GEAR VIVACEです。どういう思いでこれに(これだけに)千住札を貼られたのか想像するのもエフェクターファン兼チャット先生ファンとしては楽しいです。
ひずみ大好きっ子の絵莉子ちゃん。でも汚いひずみは嫌っ 美しくてひどいひずみが好き
そんな相反する思いを見事に解決してくれるこの機材への愛につながったのかなぁとかさ。ま、シールでも貼らないとシンプルすぎるデザインのエフェクターではあります(笑)。
というわけで、DVD+BOOKの「FUZZ」からほんの触りだけエフェクター紹介してみました。チャットモンチーのバンドサウンドには福岡晃子のベースとエフェクターも重要だと思うし、ギターとベースとの相乗効果やエフェクトの使いどころを探求するなど、3ピースバンドならではの苦心とアイデアが必ずあるはず。そんな見えない楽屋裏の研究心を深読みしたいボクなのでした...。アメリカツアーに行ったらきっとひずみ系のエフェクターも買って来られることでしょう(笑)。
チャットモンチーから離れてもうひとつこのDVD+BOOKのすばらしいとこは、梯郁太郎(かけはしいくたろう)さんのインタビューが掲載されてるとこ!ローランドやBOSSの創始者です。ボクは梯さんの「ライフワークは音楽」という著書を感動しながら読んだクチなので。その当時の感想文はこちら(2001.06.11コラム参照)。DVD+BOOK「FUZZ」は初回限定1000部らしいので、とりあえず気になったら買っとく系アイテムでした。
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