チャットモンチーと同世代に生まれてみたかった!
なにがくやしいってチャットモンチーと同世代に生まれなかったってことだね()。まぁ、時代時代にすばらしい音楽はあって、ボクが10代の頃にたまたま居合わせたあの時代の音楽を思いっきり吸収して生きてこれたことは幸せだったけど。いまチャットモンチーと同世代で、もっとピュアにのめり込めたら、なんて思う。欲張りだね。
ライブハウスのスタンディングフロアで指を突き上げながらチャットモンチーを体感するのは結構キッツイ年齢になっちゃったけど、チャットモンチーの時代に間に合えて良かったなぁとは思ってる。そんなボクにはこのライブ映像はうれしいね。自宅の大画面で堪能したよ。
「チャットモンチー2009 “いま一度ライブハウスを洗濯し申すツアー”」のBDは去年発売日に届いていたんだけど、昨日まで見てなかった。去年の秋冬は、中島みゆきナイトとキムヨナで突っ走ってたわけで。ようやくいま心身の欲求がバンドサウンド受容可能になって。聴きたいときにしっかり聴くほうがより理解が深まると思ってとっといた。
最初にチャットモンチーをテレビで見たときは小学生バンドかなどと失敬な感想を抱いたわけだが、すぐに3ピースバンドの絶妙なコンビネーションの虜になった。まさに三位一体。安定感のあるクミコンのドラム、ナイーブなミュージシャン魂のあっこのベース、一本筋の通った不思議ちゃん橋本絵莉子のギターとボーカル。
よく一緒にバンド出来てるよな()と思うくらいに性格の異なる(ように見える)3人だけど、それぞれの良いところを認め合ういい関係が構築できてるんだろうね。そこは精神的に甘ちゃんな不良の集まったロックグループじゃなくて(笑)、ちゃんと練習もするしチャットモンチーとしてめざす音楽が見えているということなんじゃないかとも思う。
●MCに見るチャットモンチーの魅力
作詞をリズム隊の二人が主に担当し、作曲はほとんどリーダー橋本というのもバンド論(?)を考えるうえでは興味深い。このバランスもなかなかありえない。ステージワークでも、MCなどのライブな言葉はリズム隊(なかでもクミコン)が担当し、ちょっとナルシスっぽいロッカーな発言はあっこが担当し、とにかく不思議ちゃんな語りのボーカル絵莉子...。
クミコンの語りはドラミングと同じ安心感がある。さすが教員一歩手前まで行った経歴通りのしゃべりだ。よどみない。この語りがなければチャットモンチーがメジャーなライブバンドとして成功できたかどうかとすら思う。音楽の実力だけじゃない何かが必要だから。ちょうど藤子不二雄が天才肌の藤本弘だけじゃなく社交的な安孫子素雄と二人でひとりだったように(<この例え必要?)、この社交的な明るい語りがチャットモンチーの個性に重要な要素だと思う。
それに比べるとあっこの語りはまさに「音楽だけで生きてきました!」って若者特有のもどかしさがある。そのもどかしさがベースを弾いているときのカッコよさと分かちがたいのが魅力だ。ベースを弾いているときのあっこのミュージシャンとしての美しさは群を抜いている。これがミュージシャンの姿だよね。だけどそれが唯我独尊にならずに橋本絵莉子へのリスペクトにつながってるのがすごい。ベーシストだからかな?
リズム隊のふたりに比べて、ギターかつボーカルかつリーダーの橋本絵莉子はあまりしゃべらない(つーかしゃべれない)。しゃべっても不思議ちゃんだ。しかし突飛なことを言っているようで、結構論理的だったりするのが面白い。それが受け入れられていて、ある種のカリスマ性を感じさせる。今回のDVDでの(しゃべりの)見所は最後の恒例の撮影会。そこで橋本の「せめんなよぉー」って言い回し。ちょっとイメージが変わった(笑)。
楽曲面ではアコースティックなギター&ベース&ボンゴによる途中休憩サウンドが斬新だった。アコギ大好きなので。これはある意味、路上ミュージシャン“あさひるばん”のライブハウスメジャーデビューという趣きだった(笑)。
それと「恋愛スピリッツ」はいつ聴いてもグッと来るな。このバンドサウンドのダイナミズム!絵になるなぁー。間奏でのノイジーなギターかき鳴らしのとこなんて、3人の動きがスローモーションに見えてくる。
チャットモンチーは3月からアメリカでツアーをやるという。アメリカの音楽業界のイメージって「超保守」だったのだが時代は変わるのか。ロックの神様が一番好きなタイプのチャット先生。言葉を超えてそのぶっといサウンドが受け入れられるといいな。もちろんDVD(BDも)発売されるんだよね?期待してます。
| 固定リンク | 0
コメント