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2010.01.23

ボクにはある意味夢の世界 ドラマ「とめはねっ!」

NHKドラマ8「とめはねっ!」は高校書道部を舞台にした文化部系スポ根ドラマだ。主人公望月結希(朝倉あき)が所属する鈴里高校の弱小書道部と名門の鵠沼学園高校書道部との対決。その両校の部長は双子の姉妹でライバル関係。この両部長がまさに文化系の女子部長そのもののビジュアルで楽しい。湘南を舞台に書道甲子園へ向けて熱いバトルが繰り広げられているわけだ。

ドラマ紹介はそんなところにして、ボクにはこの「書道」という芸術には苦い(?)思い出がある。というか、ぜひどっかの情報バラエティ番組で調べてみて欲しいテーマがある。それは、

書道部または教科「書道」を履修している人に左利きはいるか?

これだ。ボクの高校では芸術科目の選択肢が「音楽」「美術」「書道」からひとつだった。だが左利きのボクにとって「書道」の選択はありえなかった。いや現実には、高校に入るずっと以前から「書道」という選択肢はなかったのだ。

あの柔らかい筆を左手で左から右に横線を引くことの苦労がオマエにわかるか!わかるか!(>松田優作風に)

小学生の頃は習字は右手で書いていた。お絵かきが得意だったし両手で字を書く特技を持っていたので、その能力を駆使して。しかし名前を書く細い筆だけは右手では震えてしまう。そこでどうしたかといえば、先生が見ていないときに左手で右から左に横線を引いていた。「田」の二画目は一筆じゃ書けないから、横線を先に引いて右側の縦線を引いたりしていた。

●左手使って筆で「九」を書いてみろ!

Lefty_shodou「とめ」はなんとかごまかせるが、「はね」や「はらい」は単調な線になる。墨だから絵画のように重ねて細工するのも難しい。左手で書くときにいちばん難しいのは右側への「はね」と「はらい」だ。普通に右から左に書くととスタート地点が一番細くなる(笑)。

「水」なんかだと、はらいの線だけは右手で書けばいい。ほぼ縦に流れてるから難易度は低い。だが例えば「九」みたいな字!この左利き書道界でいう「死(し)のカーブ」(うそ。いま命名)の最後のはらいだかはねだかの部分。「レ」なら簡単だが「し」になると左手で再現するのは結構難しい。横線の距離が長いから。

やり方のひとつとしては右図を見て欲しい。まず縦線線部分①を引き、次に横線②を右から引いて“つなぐ”。ここがポイント(笑)。そして最後にはねだかはらいだかの部分③をストレス発散の意味を込めて下から上にシャーッと引く。これで完成だ。

ほとんどパーツの組み合わせ作業なのだ。つなぎめをいかに美しくわからないようにするかが左利き習字の醍醐味だ。つなぎめは濃くなりがちなので、濃くなったら他の線の部分も墨を足して(笑)グラデーションをつけていく。ここはお絵かきと同じだが、半紙は薄いのでやりすぎると穴が開くから要注意!これを教師の目を盗んでやるのがまた楽しい。楽しみをどこかに見出せば左利きにも書道の授業が楽しめるという教えだ。

「通」とか最悪!

しんにょうサイアク!

「交通安全」サイテー!(笑)

そんな子ども時代を経て、いまなら「左手で書を描く」というひとつの差別化によってアーティストへの道が開けたかもしれない。永田龍石さんのように。

しかし基本的には中学以降「書道」という芸術とは無縁だった。少なくとも書き手ではなかった。だから書道と青春とはもっとも結びつかない夢の世界なのである。左利きの書道部員がいたら尊敬する。

いまは創作書道の存在も知っているので、筆ペンでいかにも創作書道チックな文字を書くこともある。筆で鏡文字を書ける稀有な人材だ(笑)。

反骨精神のある左利きの小学生は、ぜひ習字や書き方の授業で鏡文字を書いてクラスのみんなを驚かせてやってくれ。みんなマネしようとしてもそうそう出来ない。左利きが筆を使う苦労をそうやって身体で体験することも価値ある教育なのだ。

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