google-site-verification=o_3FHJq5VZFg5z2av0CltyPU__BSpMstXTEV1P8dafg バンドマンの青春放談!ぼくの好きなキヨシロー: ひとくちメモ

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2009/12/06

バンドマンの青春放談!ぼくの好きなキヨシロー

清志郎が旅立って早7ヶ月経つ。その間、多くの追悼本やMOOKが出版されたが一冊も読んでない。特に何か思うところがあってというわけでもなかったが、どうにも買いたいという衝動が起きなかった。やっぱりオレも追悼したくなかったのかな。告別式の日は、平原綾香ライブで癒されていた。Dr.kyOnさんがバンマスだった。僕はDr.kyOnとオーティス・レディングの音楽で僕なりに清志郎を見送ったんだ。

しかし先日書店でこの書籍を見つけたときは思わず手が伸びた。泉谷しげると加奈崎芳太郎によるキヨシロー本だったから。二人とも「忌野清志郎を生かし続ける」と公言しているキヨシローの盟友だ。

こりゃ伝説の「青い森」時代を語ってくれるに違いない!そう思った。このお二人はまさにその時代を当事者として駆け抜けた主人公なのだから。

キヨシローのRCサクセション、加奈崎&チャボ(仲井戸麗市)の古井戸、そして泉谷しげる。この3組が「青い森」で奇人変人大会と銘打たれたライブシリーズをほんの短期間やっていた。「青い森」はもともとカップルが静かな音楽とともに午後のひとときを過ごすような場所だったらしい。だからこの3組は浮いていた。客としょっちゅうケンカしていた。

泉谷さんも今の奥さんとカップル客として青い森に来てRCの音楽と出会う。その衝撃からすべてがはじまったんだ。そして奇人変人大会でのパフォーマーとなってゆく。このライブシリーズはほんの四ヶ月のことだったという。その四ヶ月のめぐりあいが、キヨシローフォロワーとしての泉谷しげるの人生を決定付けてゆく。

一気に読み終え読んでよかったと思った。知らない話が続々出てきた。また泉谷さんと加奈崎さんとでは、キヨシローとの関係性も微妙に違って面白かった。

●泉谷の感性が光るキョシロー評

僕は泉谷しげるの歌も大好きだ。再発された紙ジャケCD「黄金狂時代」の音の良さにぶっ飛んだ。吉田拓郎が泉谷の1stライブ盤「泉谷しげる登場」を聴いて「泉谷すげぇ...」と奮起した有名な(?)エピソードもある。僕はリアルタイムには聴いてない。なんせ僕が学生の頃、LOSERの吉田健さんは既にイカすバンド天国の審査員だった(笑)。CDが再発されて本当に良かった!

その泉谷のキヨシロー評で僕が思わずうなったのは、キヨシローを素晴らしいポップ・シンガーであると書いていたところだ。稀代のロックンローラーでありソウルシンガーの清志郎だけど、僕もキヨシローはポップシンガーだと思っていた。ポップが大好きなポップンポールが言うんだから間違いない(笑)。

さすが泉谷!本質を見抜いてるよ。もともとはイベント屋を目指していた泉谷しげるが、ひょんなことからシンガー(パフォーマー?)となり人気が出たのも、奇行・爆弾発言の面白さよりはこの感性にあったのではないかといまさらながらに思った。詞の深さと言ってもいい。この感性があるからこそ、役者としても成功してるんだな。

泉谷しげるさんは小田和正さんとも「青い森」時代から交友があったんだね。小田さんが泉谷の「春夏秋冬」をテレビで歌ったことがあって。小田さんが泉谷の曲をリスペクトしていたのが印象的だったけど、この音楽的には交わらなさそうな二人が同じライブ喫茶で知り合っていたんだ。小田さん曰く「春夏秋冬」は時代の空気が作らせた名曲とおっしゃってたと記憶してる。泉ちゃんの才能が作ったんだけど(

●加奈崎芳太郎は僕の“1コード”の先生

一方、古井戸の加奈崎さん。泉谷さんが客からキヨシローファンになったのと違って、はじめからバンドやってるミュージシャンとしてキヨシローとは対バンの関係。だから泉谷さんよりもライバル意識がある。清志郎のハイトーンに対して、ブルージーで重い加奈崎さんのボーカル。

ギタリストのチャボが古井戸からRCに移籍した経緯もあるし、そのあたりのわだかまりとか、いろいろあったんじゃないかなぁと想像してしまう。僕もバンドをやってたから、音楽でつながったバンドという集合体の複雑かつナイーブな関係性はなんとなくわかる気がする。「わかられてたまるかよ!」と怒られそうだが...。

僕は加奈崎さんをテレビで一回だけ見たことがある。TBS深夜にやっていた「プレステージ」でフォーク特集をやったとき。高田渡さんが「下血・吐血です」ってきわどい天皇ネタをやっていたから昭和の終わりごろ。

真っ黒い服で真っ黒い丸サングラスで、「ケッ!」だったか「チェ!」だったか、そんなタイトルの曲を歌った。なんとも社交性のなさそうな人だなぁと思った(笑)。でもその曲のコード、たぶんD7+9だったと思うけど、初めて聴くコード感で、それで覚えたんだ。だから僕にとって加奈崎さんはD7+9の先生なんだ。このコードはビートルズのカム・トゥゲザーのイントロのコードでもある。後で知った。

確かその番組では「スイトピーをあげるよ」も歌ったんだ。なんだか繊細でいい曲だなぁと思った記憶がある。古井戸の曲では名盤「古井戸の世界」に収録の「ろくでなし」というのが好き。

本には書いてないけど、もともと泉谷さんはエレックレコードに古井戸を売り込みに行ったんだ。デモテープのケツが若干余ってたから、そこに自分の曲も入れて。そしたらエレックが泉谷さんの歌を気に入ってソイツをつれて来いと言われたらしい。そこではさすがに「オレですけど」とは言わず、古井戸と一緒なら連れてくると持ち帰ったらしい。このあたりは泉谷さんのプロモーター的な才覚だよね。そして古井戸の音楽への確信がある。

こんな二人が若き日のキヨシローと過ごした時代を、懐かしむというよりはバカ話をするみたいに語ってくれる。そしてキヨシローそのものが作品であり、後世に伝えていく必要があると出版されたこの本。追悼本としてでなく、バンドマンの青春放談として読んで欲しい!

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