J-POPの太鼓持ち!?音楽論
今年の正月に田舎の本屋でマーティ・フリードマンの最初の著書『いーじゃん!J-POP -だから僕は日本にやって来た-』(日経BP社刊)をたまたま見つけた。新幹線で読むのにちょうどいいと思ったので購入した。なかなか面白かったので、今年発売された続編ともいえる『サムライ音楽論』も購入して読んだ。この2冊で2006年秋(11月)から2009年春(5月)までのJ-POP状況について、外国ギタリスト目線で書かれている。
ある意味新鮮、ある意味食傷(笑)。そんな感想を持った。やりすぎコージーFBI捜査官千原ジュニア風に言うならマーティ・フリードマンは「どこまでもなヤツだぜっ!」って感じだ。とにかく採り上げたJ-POPを褒めまくる。2冊のオビにはこう書かれていた。
・日本人なのにJ-POPを聴かないなんて“灯台下暗し”だよ!
・なぜ彼は世界的なバンド「メガデス」を脱退しB’zと松浦亜弥の国にやってきたのか?
・日本人よ自信を持て!この国にはJ-POPがあるじゃないか!
・ニッポンは世界一の音楽王国だ!
などなど。まさにベタ褒めとはこのことだろう。もっとも気に入らない作品は採り上げないのかもしれない。レコード会社の意向だけで書いているわけでもなさそう。J-POPが好きで好きでツアーの合間に日本語も学んで習得しとうとう日本に住み着いたわけだから、その想いの大きさには脱帽する。
オレも日本のごった煮のように何でもありな音楽状況は大好きだ。あややとかチャットモンチーとか平原綾香とか、マーティと趣味があうミュージシャンも多々いた。
最初の著作に極私的J-POP TOP40ランキングがあって、そこで平原綾香の「明日」を第2位に入れているのはまさに大賛成だし、TOP10の実に4つまでが松浦亜弥(三人祭含む)というのはすごい。アイドルサイボーグに完全にツクダーンだね。そんなマーティにはメロン記念日もオススメしときたい。
マーティ南とあだ名をつけたいくらいだ(笑)。もちろんマシュー南のパロディ。ボクはマシュー南とあややを頭の中で妄想対決させたくて同時期にコンサートを観に行ったりしていた。昔は個人的に松浦亜弥をアーヤと呼んでいたが、いまやあーやといえば平原綾香のことで、不思議な因縁を感じる(>なんだそれ?)。
ただ、ここまでJ-POP礼賛が続くと、ちょっと食傷気味だ。『サムライ音楽論』というよりは『太鼓持ち音楽論』のほうが正確な日本語のような気もしてくる。この機会に太鼓持ちって日本語も覚えてくれマーティ!でも、だからといってぜんぜんつまらないなんていってるわけじゃないよ。ここまでJ-POPへの愛を感じる本は最高じゃん!(落としても持ち上げるマーティ論法をマネてみた)
雑誌の連載記事を集約した単行本だから一気に読むとこうなるのは仕方がないかもしれない。3度の飯でチョコレートやらケーキやら、ぜんぶスウィーツを食ってるような感覚だ。だからちょっとずつ読みたい。
本業のギタリストのほうでも大好きなJ-POPをギターでカヴァした「TOKYO JUKEBOX」がカッコイイ。これも購入しましたよ。なかでも天城越えはいいねぇ。武藤敬司の入場テーマ曲に影響受けてるんじゃないかな(>受けてねーよ!)。それとポリリズムも良かった。本人が完全コピーと言っているだけあって、忠実にギターで再現しようとする姿勢が気に入った!
レアなとこでは、しょこたんと深夜番組でコラボして作った「俺の名はナッパ」という曲も発売して欲しいなぁ。ちゃんどリズム隊も入れてしょこたんボーカルで。ボクはDVDに録画してますよ。これも含めていろんなアイドルとの豪華コラボアルバムとかもぜひ作って欲しい。J-POPのキモはやっぱボーカル中心主義じゃん!今後のマーティの活躍に期待してます。
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コメント
こんにちは。
この人は本当にJ-POP詳しいですよね。
それでいて、イギリスの番組?の合間にTLCのChilliをナンパしてたり
エラい人なのかミーハーなのか時々分からなくなります。
ギターで天城越えやポリリズムもやってたんですか。
チャットモンチーは芯が通ってますよね。ラジオでおぎやはぎ矢作さんも
ライブパフォーマンスを絶賛してました
投稿: せる | 2009/10/09 22:25
このくらい詳しくないと、空耳アワーで日本語に聴こえる英語の歌詞を探し出したりできないですよね
J-POPをギターでカヴァしたCDは今年発売されました。他にもサザンのTSUNAMIを国歌斉唱みたいに弾いたりしてて、なかなかいいですよー。
マーティの公式サイトでは英語でこのアルバムについて延々語っている動画があるんですけれど、そのたたずまいは完全に外タレでした(笑)。
低い声で淡々と語っていて日本語でしゃべるときのマーティとはまったく別人!「あぁ、J-POPカヴァで世界市場を視野にいれてんだなぁ」とその外タレ風マーティを見て思った次第です。
> チャットモンチーは芯が通ってますよね。ラジオでおぎやはぎ矢作さんもライブパフォーマンスを絶賛してました
矢作さんはガチでチャットモンチー好きらしいですね。あまりに好き過ぎて会いたくないってどっかで語ってたと風の便りに聞きました。
マーティによるとアメリカじゃ「ロックやってる女の子」という存在自体がほとんどありえないそうですわ。超保守的なアメリカの音楽ビジネスに嫌気がさして日本に来たマーティのミーハーっぷりは筋金入りってとこですね
投稿: ポップンポール | 2009/10/10 06:12