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2009.07.16

はじめて読んだ!かもめのジョナサン

思春期あたりまでに読んでおくべき本というのがある。「かもめのジョナサン」もそういう類いのお子様向け文学作品だと思っていた。童謡の「めだかの学校」みたいな。なんのトゲもない平和な作品だろうなぁとかさ。まったく、ワサビをクリームだと思ってなめたようなもんだ!

実は読んだことがなく、どうしてだろうと考えるに、そのタイトルや“寓話”というスタイルから、なんだか子どもっぽいおはなしなんじゃないかと思っていたのかもしれない。子どもだったくせに(笑)。

かもめのジョナサンは読んでなかったが、「くじらのスーさん空をゆく」は聴いていた。イルカのライブのカセットテープで。吉田拓郎作曲だと知るのはずいぶんあとのことだった。

そんな「かもめのジョナサン」だが、新潮文庫版(五木寛之訳)をなんとなく手にとって購読。3章立てだがすぐに読み終わる。しかしその内容たるや、まったくお子様の読み物なんかではなかったのだ!

「かもめのジョナサン」のあらすじって語れます?読み終わってすら語れないですよ。これはどういう文学なんだろう。牧歌的な話では全然ない。思いついたキーワードを並べてみると、

スピリチュアル系
超人思想
ストイック
エリート意識
ヒッピー文化
生と死の超越
論理の飛躍
輪廻
宗教
レース鳩0777

といった感じだ。レース鳩0777を連想するあたりがオレらしい(笑)。

さらに付け加えるならすべてのキーワードに(?)をつけてもいい。ヒッピー文化とエリート意識や超人思想が同居してる。あの世とこの世とが入り乱れて、なんの説明もなく後半はなにやら思想めいたことが語られる。

書かれたのは1970年、ブームになったのは1972年、五木寛之氏が翻訳して解説(文庫本収録)を書いたのが1974年だ。まさに米国においてヒッピー文化のなかで熱狂的に受け入れられた寓話らしい。レース鳩0777は1978年週刊少年チャンピオンで連載開始だから、ジョナサンと関連があるかもしれない。

読み進むうちに、はやく五木寛之氏に謎解きをして欲しいと思うようになってきた。「かもめのジョナサン」をまったく勘違いしていたオレに、この事態をどう説明してくれるのかなーんて。

そこはさすが五木寛之!解説に「この物語が体質的に持っている一種独特の雰囲気がどうも肌に合わない」という一行があった。そう、そうなんだ。違和感が残るんだ。この独特さに。

いくつもの転倒や錯綜が内包されたまま、ジョナサンの飛行スピードのようにどんどん進む展開。寓話特有の説明のまったくない展開で読み心地が悪い。きっと誰にとっても何らかの違和感が残るんじゃないだろうか。しかし読むのを途中で止めたくないこの感じ。ラリってんのか?文章を読むだけでトリップしちゃえるのか?

この感じは「禅とオートバイ修理技術」を読んでいるときに感じた雰囲気に似ていた。こっちは1974年出版で「かもめのジョナサン」のほうが先だった。だがその時代ということだ。時代の空気感がまとわりついていた。

時速何キロみたいなディテールが妙に細かい。そこが寓話性のなかで違和感を抱くひとつでもあった。著者のリチャード・バックは飛行機乗りらしい。マシンを操る人間のある種のスピリチュアルな部分が作品として結晶したのかもしれない。物質文明とヒッピー文化という時代のなかで。

飛行機というまさに物質文明そのものと、“飛行”という行為によって限界速度というトリップポイントへ至る肉体的精神的意思との奇妙な合体。その体験のなかで、リチャード・バックにはジョナサンという名のかもめが本当に見えたのかもしれない。

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