自分で弾き語りたい中島みゆき20選!
先日の「20分で選んだ洋楽ベスト20」の余韻覚めやらぬここココログひとくちメモスタジアム(あ、オレだけか
)。順当にいけば邦楽でってことになるんでしょうが、今回は超ひとり遊びチックに中島みゆき萌えだったワタクシが中島みゆきの楽曲のなかから自分で弾き語りたい20曲を選んでみました。ただしかなり隔たりがあります。
●選定基準
まず選んだのは右画像の曲集限定です()。だからアルバムは「予感」まで、シングルも横恋慕まで、提供曲では「春なのに」までです。21世紀のいまでは、ほとんど中島みゆき初期傑作選みたいな感覚かも。
それにしてもこの曲集ボッロボロ...。今回初画像化に成功(笑)。中学生の頃に深夜ラジオで出会った「悪女」の衝撃から購入し、中島みゆきの足跡を遡りつつギターを練習してきました。これはバイブルです。もっと丁寧に扱えばここまでひどくはならないんでしょうけれど...。amazonに15,000円で出品してた人がいたよ。
次に、あくまでもフォークギターでの弾き語り目線ってことです。ピアノ弾き語りだったら違ったラインナップになりますねぇ。またリスナーとして好きな曲でも違うと思う。今回は自分でギターを弾きながら歌って気持ちいいというのが最優先。選んでから実際に弾いてみて入れ替えたりしてます。
そして1つのアルバムからは2曲までにしてます。ちょうど10枚のアルバムが収録されてるので。でも1曲も選んでないアルバムもあります。それは結果的にシングルのみの楽曲が多くなったから...。泣く泣く削りました。曲目限定での選曲作業が好きな人ってたぶんドMですわ()。
●みゆきさんに感想が聞きたい()結果発表
というわけで、ここからは20選のはっぴょー!アルバム順で、最後にシングルを固めてます。
海よ
デビューアルバム「私の声が聞こえますか」には、いまやスタンダードともいえる「時代」も収録されてますが、「海よ」を1曲だけ選びました。我ながら渋い(笑)。素直な楽曲です。たぶん北海道の海なんですけれど、ボクには瀬戸内海への郷愁を感じさせてくれます。
彼女の生き方
流浪の詩
「みんな去ってしまった」からはこの2曲です。シンガーとして旅立つ覚悟がにじみ出てきたセカンドアルバム。このセカンドアルバムは結構実験的な楽曲が多い(特にA面)。「トラックに乗せて」とか「真直ぐな線」とか、パンクバンドがリメイクしたらよさげな曲だと思ったり。「彼女の生き方」はアルペジオが気持ちいい明るいメロディなんですけれど、歌詞はいきなり“酒とくすりで体はズタズタ”とはじまります。このコントラスト!水商売の女性に圧倒的な人気を誇る中島みゆき嬢の原点ともいえる名曲ですわ。
「流浪の詩(さすらいのうた)」は小説を読むように歌える名曲。ママと名付けた黒猫を抱いて旅立つ女の歌です。カポ4でジャカジャカ弾きます。
まつりばやし
ホームにて
サードアルバムってのはどのシンガーにとっても、この先食べていけるかどうかのメルクマールではないかと密かに思っているわけですが、「あ・り・が・と・う」はまさに大傑作 ここでこんなアルバムが作れる人だからいまがあるんだなぁと思わずにいられない。全部選びたい。でも2曲だけという縛りを架したので、弾いた回数が多そうな2曲にしました。
「まつりばやし」はコードが4つしか必要ないんですけど(カポ3でEm,G,Am,B7)、印象的なイントロの弾きこなしがポイント。なかなか難しいです。練習回数が多かった(笑)。昔この曲と清志郎とザ・バンドに触発されて芽蜩って詞を書きました。曲が固まらずお蔵入り...。
「ホームにて」は中島みゆきファンの選ぶベスト20に入ってもおかしくない名曲ですよね。涙なくしては聴けない郷愁の一曲。G>GM7/F#>Emという印象的なコード進行のイントロをアルペジオで弾くと気分は最高。
怜子
おまえの家
4thアルバム「愛していると云ってくれ」を買った人に聞きたい。レコードプレイヤーにかけた瞬間、度肝抜かれましたよね...。1曲目の「元気ですか」って、ポエトリーリーディングってヤツですか。すげぇと思いました。何があったんだって完全に私小説読んでる気分になりましたよ。朗読がスッと終わって2曲目が「怜子」です。この一連の流れをどう表現すればいいんでしょう。たまらん!辛抱たまらん!さすがに「元気ですか」を弾き語りするのは怖いので(^_^;)、怜子だけ歌ってます。
「おまえの家」も私小説感漂う佳作なんですが、おそらくボクがもっとも多く弾いてる曲。大好きです。ギターをやめちまった“おまえ”の家を訪問したときの思いが綴られてるんですが、その観察眼とか感性の豊かさに中島みゆきを感じる曲です。
タクシードライバー
断崖~親愛なる者へ
「親愛なる者へ」の頃になると、もうメジャーな歌い手であり、作品の世界観も広がりを見せ始めます。私小説な歌と前進していく意志表明との端境期みたいな。「タクシードライバー」は私小説な感じの曲。3拍子の歌い心地がいい。
「断崖~親愛なる者へ」は決意表明の曲だと思う。どうして“断崖”という言葉と“親愛なる者”という言葉とがつながるのかを考えてました。“親愛なる者へ”の贈る言葉として断崖ってあなた...。でも“断絶”じゃないんだよね。それだったらわかりやすかったけど中島みゆきじゃなくなる。陽水になっちゃう(笑)。断崖って聞くと断崖絶壁から身を投げるようなイメージが浮かぶ。でもこの断崖は決意表明を叫びに吹雪のなか出かけた場所なんだ。海に向かって、春の服を着て走り続ける決意をひとり叫んだんだ。叫ばなきゃいられなかったんだ。きっと。自分自身と売れっ子芸能人としての自分との壁みたいなものがあった時期なのかも。
泣きたい夜に
「おかえりなさい」「生きていてもいいですか」の2枚からはこの一曲だけ選びました。他の歌手への提供曲集は「おかえりなさい」の後も何枚か作られてまして、リスナーとしては名曲ぞろいですけれど、弾き語りというスタンスとは微妙に違う感じがしてます。「この空を飛べたら」は最後の最後まで迷ったけど今回は選外。「生きていてもいいですか」も大変重要な作品なのですが、この重厚な中島みゆきの世界には他人のボクが弾き語れる楽曲は少ないな。「泣きたい夜に」はピアノでもギターでも弾き語りに向いてる作品です。
ひとり上手
夜曲
「臨月」からの2曲。「生きていてもいいですか」の翌年発表で、いったいどんなスタンスのアルバムなんだろうと思ったらこんな大傑作だった。堂々たるメジャー路線な曲作りだと思った。一曲目の「あした天気になれ」にはなにか吹っ切れた感があった。もっともボクは悪女(シングル)に出会った後、遡って1stから順に聴き始めたので、リアルタイムな感覚でアルバムとアルバムの間の1年を過ごしたわけではありませんが。
「ひとり上手」は大ヒット曲にして代表曲かつ3フィンガーアルペジオの傑作。「夜曲」はアルバムの最後を飾る名曲。
鳥になって
歌姫
「寒水魚」からは名曲中の名曲「歌姫」をセレクト。「臨月」からの勢いは衰えを知らず、ますます大きな存在となっていく中島みゆき。シングルとはまったく雰囲気の異なる「悪女」に、まだ子どもだった私は不満だったわけだが()。そんなことがあっていいのかみたいに思っていたが、アルバムとしての統一感を意識できる年頃になると、これが正解だったことを学んだ。
「鳥になって」は素直なアルペジオで弾ける小品。歌詞に“眠り薬をください私にも子どもの国へ帰れるくらい”というところがあるけれど、この曲自体が平穏な気持ちになれる眠り薬のよう。「歌姫」は吉田拓郎の「舞姫」へのアンサーソングだとボクは勝手に思っていて大好きな楽曲。私小説の世界からもっと普遍的な世界への傾斜が色濃く見えてきた。
この世に二人だけ
誰のせいでもない雨が
この全曲集最後のアルバム「予感」からの2曲。「臨月」「寒水魚」「予感」という怒涛の3枚は私の生涯のベストアルバムに入れたい。もっとも多感な時期に出会ったということもあるだろう。なかでもこの2曲は完成度が高い。ボクは中島みゆきとYMOとに同時にはまっていたのだけど、「この世に二人だけ」のミニマルな感じは不思議な感覚でまさにボク好みだった。この曲も4つのコードで弾ける(カポ4でC,Em,G,Am7)。
「誰のせいでもない雨が」は私小説的でありながら技巧的にもかなり新化した歌詞で(って勝手に思ってるだけだけどさ)、日常の心象から抽象そして普遍へと曲が進むごとに広がっていく詞の世界、でも最後のほうで唐突に滝川と後藤という苗字(超リアルな現実世界の象徴)が出てきてふっと我に返る。滝川と後藤ってとこまで端折らずに歌いたいんだよね(笑)。
ほうせんか
霧に走る
杏村から
忘れな草をもう一度
さて、最後にシングルからの楽曲です。4曲選んで全部B面の曲になったのには自分でも驚いた。大ヒット「わかれうた」のB面でもあった「ホームにて」も入れると実に5曲(25%)選んでます。これはたぶん中島みゆきB面コレクションっていうカセットテープを聴いてた影響大ですな(笑)。
シングルA面ってのはスタッフや会社のいろんな思惑も入り混じるのでしょうが、B面にはアーティストの意志や遊びや思いを込めやすいかもしれないな。ヒット曲を出さねばならないA面の発注とは別に、自分らしさを表現するための力まない1曲がシングルB面に入っていたりするのかも。B面にいい曲が入ってると、グリコのオマケが思った以上に良かったときのような満足感があるよね()。中島みゆきの場合はその確率がめっちゃ高かった。ひとり遊びに似た満足感を得るためのB面みたいな。
「ほうせんか」はおもいで河のB面。3フィンガーアルペジオの軽快な小品。だけど歌詞は悲しいっていう得意のパターン。かなしみ笑いのB面だった「霧に走る」も歌い心地がめっちゃいい曲。あした天気になれのB面「杏村から」は名曲で、後にやまねこのB面となった「シーサイド・コーポラス」につながるような小品だと思う(ねずみが出てくるってだけの連想だって声もあるか?)。横恋慕のB面だった「忘れな草をもう一度」もいい曲。ピアノ弾き語りでもGoo。結構メジャー感のある曲作りなので誰かへの提供曲かと思ったけど違うみたい。
というわけで全20曲選び終わりました!最近忙しくてどうしようもないのですがコツコツ書き溜めましたよぉ。最後にどんな感じで弾いてるのか雰囲気だけですがMP3で録音してみました
。
ついでに、高校時代に描いた中島みゆきの肖像画もアップしてみます。たぶんコンサートパンフの写真を見て描きました。人物に力入り過ぎて締切日までに背景の処理をする時間がなく背景はナイフで塗っただけ...。藤永先生には完全に見抜かれてました(笑)。
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コメント
あー、この企画楽しそう。キーボード弾きの僕としては、「自分で弾き語りたいビリー・ジョエル20選」とか「自分で弾きたいイエロー・マジック・オーケストラ20選」とかやってみようかな。GWの間に。
中島みゆきは「寒水魚」あたりまではよく聴いておりました。甲斐よしひろがラジオ「サウンド・ストリート」でよく流していたのもあって、
♪タクシー・ドライバー
♪狼になりたい
♪ホームにて
あたりが好きでした。
ときどき血迷うとカラオケで
♪あした天気になれ
を歌ってたなぁ。久々に歌いたい。
♪キツネ狩りの歌
♪泣きたい夜に
♪りばいばる
も大好きな曲たち。
あー、なんか無性に聴きたくなってきました。レンタルに走ろうかな(笑)。
投稿: tak | 2009/05/02 11:04
「キツネ狩りの歌」も明るい曲に怖い歌詞の寓話的な中島さんらしい曲でしたねぇ。
「狼になりたい」は根津甚八さんへの提供曲でしたね。これも結構弾きたいんですが、サビで
♪おおかみにー(ッズジャジャジャジャン!)
♪なりーたいー(ッズジャジャジャジャン!)
ってキメのとこが近所迷惑なんですよ(笑)。力はいっちゃって。
「りばいばる」は実家にいるころピアノで弾いてましたね。これと「砂の船」や今回の範囲外ですが「僕は青い鳥」などはピアノ弾き語りがいいですねぇ。
選び始めるとほんとに悩みますよ。選ばなかった20曲ってほうが簡単なくらいに。マゾじゃなきゃ楽しめない企画ですよー(笑)。
自分で弾きたいYMO20選は参戦しようかなぁ。弾けないから打ち込みたい20選とかで。GW中にやりましょう!いや、やります!
投稿: ポップンポール | 2009/05/02 13:12