子どもの選んだ重大ニュースに学ぶ
現代用語検定協会が毎年行っているジュニア・ジャーナリスト大賞(J・J大賞)というのがあり、2008年は第9回だった。後世の歴史家がおそらく世界が大きく転換した年として記述しそうな2008年末、日本の子どもたちが何を重大ニュースと考えているか興味ありませんか?
かなりまともかつまじめな回答。もっとも、ある程度分野別に23項目が提示されたアンケート方式で、その中から選ぶため、こういう結果になったものと思われる。もし自由記述であれば違った結果になるだろう。「1組の太郎君が授業中でっかいオナラをした」みたいな組織票が上位に来たり(笑)。
そういうアンケートであることを前提としつつも選ばれた重大ニュースを見ると、国際情勢に関わるニュースが半数を占めている。9位に「米金融危機深刻化」も入っている。お年玉にも関わるかもしれない重大ニュースだ。
しかし個人的には国内問題の選び方が興味深かった。1位は国際問題かつ国内問題かつ家庭の食卓問題という重要ニュースの「中国製冷凍ギューザ」だ。生活に密着した問題でもあり、納得の1位。6位の「事故米不正転売」とあわせて、食の不安は身近な重大ニュースだ。
4位に「福田から麻生への政権交代」も入っている。ちょうどうちの妹の娘(小学校高学年)も「福田から麻生に替わった本当の理由はなに?」って親に聞いたそうだ。小中学生もかなり政治に興味があるってことがわかる。政治家の動きをしっかり見ているわけだ。無責任な振る舞い、うそや言い訳・言い逃れ・帳尻あわせ、ぜんぶ教育に爪あとを残す。
5位の「受け入れ拒否で妊婦死亡」は、子どもにとっても他人事でない事件だったかもしれない。どうしてそういうことになるのか大人は必ず聞かれる。
“ねじれ国会”なんて言葉遊びで、各論が飲めないからと双方とも全否定し政治をしない大人たち。この不安を解消する知恵を大人(特に政治家)は持たなければ。ねじれのない集団に議会は必要ない。そこをすり合わせて現実を変えていくのが政治だ。
最後に同じ現代用語検定協会がやっている「100字コラム」風に締めくくって文章の練習をしておきたい()。
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21世紀の子どもたちは食の不安と職の不安を抱えている。どちらも生存に関わる重大な問題だ。それに政治は応えているだろうか。子どもの成長は待ってくれない。不安を解消し将来に希望を持てる国にしよう。
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