なんで処分の中身がトップニュースなのか?
おととい、党議拘束のアホらしさを書いたばかりのタイミングで、はからずも渡辺善美氏の戒告処分ニュースが流れた。国会で野党が提出した解散案に自民党からただひとり賛成し起立したことへ対する自民党内の処分は戒告だったというニュースだ。さらにそれが自民党内で2番目に軽いということが話題になっている。
なんでそうなるのだろう。処分のことじゃない。ニュース価値の順番の話だ。自民党内の処分を報道するなとは言わないが、国会のニュースで自民党内での処分が最初に来る(というよりそれしかない)。つくづくマスコミも大企業サラリーマン的な価値観に染まってるんだなと思った。大きな組織に所属しアホなトップでも絶対服従するお行儀よい優等生でいることが“普通”なのか。その普通が組織を蝕むのだ。
自民党はいまや穴のあいた古いガレー船だ。船頭は公明党で櫂を漕いでいるのが小泉アルバイテンほか自民党のお人形議員だ。そもそも与党である公明党すら説得できないで、野党を説得できる論理を構築できるわけがない。
渡辺氏も新自由主義の中川・小池グループ寄りなので、基本理念には賛成しかねるけれど、政治家が自分の意志で動くのは当然だ。あまりに組織の拘束ばかりが強大になっていっては、なにが民主主義なのかわからなくなってくる。これが政治なら、中学校の教科書あたりからそう書いて子どものうちに日本での生き方を教えたほうがいい。お上にたてつかない立派な中央集権国家が作れるぞ。
せめて政党は党議拘束でなく政策論議で組織統一をはかれよ。そのレベルでは政策ごとの共闘もできるんだろ。せっかく派閥政治が薄まっても、安易な党議拘束は政治家をアホにするだけだ。利権だけでつながるとこうなる。そのうち利権が政策になっちゃって、権益が拡大して党内で縄張りがぶつかりだすと、やっと本気になる。利権を背景にしたセクト主義というか...。
造反が出るってことは、煮詰まってないか筋がわるいか、どこかにムリがあるんだよ。まぁ、誰もがそれわかってるんだろうけど、いいだせない雰囲気があるんだな。それもまったく大企業病にソックリだ。そうやって没落していく組織。大変論理的な結末といえる。
まぁ何でも先延ばし麻生政権も、年明けからは劇的な政策を矢継ぎ早に出してくるそうだから(笑)、年末死ななかった国民はぜひ期待の風船をパンパンに膨らませて注目しよう 逆説的だが、いま政治が一番面白いドラマだ。BGMはもちろん「パリは燃えているか」だ。
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