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2008.11.23

賢者の相場読本がまたひとつ

ためになったねぇー、ためになったよぉー。いつも他人のギャグでツカミはオッケーと思うのやめたほうがいいかな(笑)。今回は特に内容にそぐわないし...。でも為になる相場読本がまたひとつ出現したのが超うれしい。もう中学生のギャグが一番ピッタリ来たのだ!

「賢者の商品先物トレード」の著者塩坂洋一氏はMistery Tigerというハンドル名で日本版ロビンスカップ(リアルマネー選手権)の優勝者だった。以前カギ足の話をここで書いたときにちょっとだけ紹介したことがある。今回はついに著書を上梓されたので、あらためて紹介したいと思った。

私の私設師匠集団相場戦隊ゴレンジャーには入っていない。それは私の学習時期に出会ったわけではないから。しかしそれなりに技術が身について、もう読む本もほとんどなくなってから「この人はホンモノだ!参考になるなぁ」と思えた人が3人いた。そのひとりが塩坂さんだった。あとの2人はヒミツsecret

今回の著書を読めば、凡百の相場本との違いがはっきりわかる。実践家でなきゃ書けない内容がわんさか出てくる。しかもリアルマネー選手権優勝(およびそれにまつわるエピソードのかっこよさ)という実績に裏打ちされてるのが買い安心感にもつながる(もっとも短期決戦の戦略がそのまま誰にでも使えるわけじゃないことは無論のこと)。

将棋の羽生義治を例に引いている部分も多くそこにも親近感が持てた。相場以外の例を引くうまさは、例えば「パネルクイズ アタック25」について2ページに渡って触れられていた。こういうの好き!私もサーフィンのジェリー・ロペスに相場の極意を見たことがある(笑)。相場をやっていると世の中を見る目が変わる。変わらざるを得ない。でもそれが新鮮だ。

また、本書で紹介されている参考図書も、数は少ないけれど私の推奨銘柄(笑)と共通していた。基本パンローリングなのは版元だからだろうけど、「ロビンスカップの魔術師」や「マーケットの魔術師」(特にデニスとタートルズのとこ)もさることながら、ラリー・ウィリアムズ(青レンジャー)の『「インサイダー情報」で儲ける方法』に触れられているのがいい。

もっとも重要なのは資金管理の話だ。資金管理の話は勝ってる実践家でないと書きにくい。特に仕掛け・仕切りの分割方法の話とか負けのコントロール方法なんかは、相場をせず(あるいは勝てず)本しか書いてない自称投資アナリストには書きたくても書けない。しかし学習者にとって本当に必要な情報は、建玉戦略であり、上がるか下がるかの見分け方なんかじゃないわけだ。そこを基準にテキスト選びをしたほうがいいと思う。

塩坂さん自身が高名な老相場師の教えとして挙げられている3つのポイントは、まさに実践家の言葉だった。とくに第二、第三は関連している。

また、損を小さくの意味も取り違えている人がたくさんいると思う。「それは、ひとつひとつのトレードの損を小さくするなどといった単純な話ではない。」と書かれた部分はあったりまえの話なのだが、そんなあったりまえの話も「損小利大」を単純な損切りの話としてしか考えていない人はたくさんいるはずだ。

相場手口は時間とともにあり、戦略・戦術も場にあわせて変化する。しかし「変化」は基本線の変更ではない。基本線を変更する事態に陥ったときは撤退以外ありえない。

玉操作(戦術)とシナリオ変更(戦略)はまったくことなる。それら一連の陣形をどう動かすかという全体の流れの管理が相場であり、個々のテクニカルな動きや細切れの情報(材料)に右往左往するのは相場じゃない。

つまり部分最適では相場に勝ち続けることは出来ず、全体最適が必要なのである。全体最適のためには仕掛け・玉操作・仕切りという一連の流れを的確にコントロールする管理手法が必要ということだ。

●相場の全体最適にも応用できるTOC理論

全体最適・部分最適なんてキーワードを持ち出したことで、ピンと来る人もいるかも。もう一冊紹介したい本が最近出た。エリヤフ・ゴールドラット博士の「ザ・チョイス」だ。

これは相場の本じゃない。ゴールドラット博士が開発したTOC理論(制約条件の理論)に関する著書で、生産管理とかプロジェクト管理に関する内容だ。博士の最初の著書「ザ・ゴール」は世界的なベストセラーとなった。日本企業は旧態依然とした原価主義によるコストワールドから抜け出せないようで、TOC理論はあまり導入されていない。和を重んじる風土が変革を妨げているのか。ま、今回の話題とは逸れるので、掘り下げない。

「ザ・チョイス」は若干包括的な内容なので、実践的小説「ザ・ゴール」や「クリティカル・チェーン」のエッセンスを再確認できる。サブタイトルは「複雑さに惑わされるな!」だ。

そもそもTOC理論が求めるゴールとは「利益を上げ続けること」であり、これは相場の究極のゴールそのものだ。また、コンフリクト(対立)を解消していく手順は市場とポジションとの関係に応用がきく。ドラム・バッファ・ロープ(DBR)は一連の工程のなかでボトルネックを発見しそこを最大限活用するためのマッピング手法だが、これも分割仕掛けから玉操作へ向かう玉操作の考え方に似ている。

相場は単純な市場だ。上昇・横ばい・下降しかない。しかし複雑な現実や様々な材料に右往左往してしまい、相場の波に飲まれてしまう。それを回避するために論理的な思考回路を自分自身の中に確立しておくことはメリットになると思う。

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