債券の動きに注意して生活
1年半前に「景気の第五局面」について書いた。実際にはそれ以前から、度々いろんなとこに書いているので、結構気に入っている戯言なのだ。いや、気に入っていると言っては不謹慎か。世界シナリオがサイクルに沿って動いていることを確認してかみ締めているという感じ。
予想というのは、合理性は見られるもののタイミングを言わない。その分、責任感の薄い戯言のことを予想という これも前に書いたとおりだ。と前置きして無責任な予想をしてみよう。
景気の6局面は、株式、商品、債券の相関関係を中心に、景気の各局面を長期サイクルで捉える考え方。これは相場とはあまり関係がないと思う。どちらかといえば生活の知恵の部類の話だ。だから「ひとくちメモ」に書いてるわけ。
景気の第五局面はまだ来ていない。でもそろそろ来そうだとはいえる。そのキーとなるのは「債券」だ。昨日だったかロイターのインタビューに「債券が下落しなくてほっとした」という旨の話をしていた日本の銀行マンがいた。銀行マンを褒めるのは本意じゃないが(笑)、オレもそう思った。
普通は(経済学の基本のキでは)、株式と債券とは逆相関の関係にある。そう教えるのは通常正しい。それが崩れたら、あるいは崩れるからこそ、局面が次のステージに進行したといえる。
債券が下降(長期金利は上昇)局面に入り、株式・商品が上昇しているのが「景気の第4局面」だ(景気拡大局面)。いい時代だったなと思える頃、それがここだ(笑)。これはもう示現して、ピークをとっくに超えていそうじゃない?原油高(商品高)が生活直撃だったのは記憶に新しい。
第4から第5局面への転換は、株式の反転下降がキーになる。ただ、そのときに債券が反転上昇しているうちは、まだ正常な動きだ。しかし、もし株式が下降し続けているのに、債券も下降トレンドのなかにあり、商品はまだ上昇している、という状況が示現したら、それは終わりの始まり。だからいま、株式下降局面での債券の動きは重要だと思うの。
市場間分析では株式が天井圏からの下降に入るのが第5局面だといっているから、既に第5局面は進行中とも考えられる。数十年というタイムスパンが長い話なので、数ヶ月単位ではなかなか今どのあたりか捉えがたい。大切なのは、なにかシナリオ転換すべき重要な現象が次々と起こっていないかという生活実感だと思う。この手のサイクルはデジタルなものじゃないから。
また、これは景気サイクルの話なので、タイミングはわからない。だから予想でしかない。でも、いろんな問題が起こっていても、結局それらは人為的(無意識だったとしても)なものであり、そういう人間の持つ強欲さや恐怖やパニック対処法は常に繰り返され、サイクルのように見える現象を引き起こすのではないか、という考え方に私は共感する。
裏返せば、強欲さや傲慢さ積極投資がうまく行っているバブル時代の終わりは、常に自業自得ともいえそうな論理性で破綻へ向かうというわけさ。それを景気サイクルと呼んでいるだけで。
第5局面の終わりはトリプル安。商品も反転下降をはじめる。それが第6局面で、景気サイクルは一巡する。そしてまた債券が反転上昇し始めると、第1局面の始まりだ。そのとき世の中は結構変わっているように思う。覇者の顔ぶれとか。そして世界のシステムも。
でも、最近考える。システムを転換できるその知恵がなくなったとき、世界は破綻して立ち直れなくなるのではないか。これまで歴史が終わってないのは、そういう事態がまだ訪れなかったからで。おそらくまだ人智を超えた危機は迎えたことがないのかもしれない。
しかしサブプライムローンなど複雑なデリバティブは自己増殖に近いリスクを生み出して、リリースした後の動きは人智を超えているかもしれない。もともと相場は読めないものだが、それでも市場はそのリスクの内部にあった。しかし市場のそとにリスクが示現したら、どうなってしまうだろう。ほとんどSFの世界だけど、そう考えずにいられないほど、世の中複雑になりすぎてる。
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