ロックの神様が一番好きなチャットモンチー
金曜深夜にNHKで放送された「夢が夢でなくなる瞬間 チャットモンチー・スペシャル」というドキュメンタリーを観て、ますますチャットモンチーに近づけた。
最近の音楽事情にはかなり疎くなっていて、チャットモンチーをはじめてみたとき「小学生バンドか?」などとふとどきな感想を抱いてしまったオレだが、同時に感じた「すげぇかっこいい!」という感想のほうの裏づけが取れたような番組だった。
チャットモンチーのプロデューサーいしわたり淳治さんがおっしゃっていた「ロックの神様が一番好きなタイプ」という形容が印象に残った。
最初にステージを観たいしわたりさんは彼女たちが靴を履いていないのに気付く。「どうして?」と聞くと「練習スタジオが土禁(土足禁止)で、靴を履くとエフェクターを踏み誤るから」が理由だった。
簡単に説明しとくと、ギターのエフェクター(音を歪ませたりエコーをつけたりする機材)は足元に置いてあり、スイッチを足で操作する。ロックバンドのギタリストが、歌の間はクリーンなギターの音なのに間奏になったとたんギンギンの音
を出せるのは、間奏に入る寸前に足で歪み系エフェクター(ディストーションなど複数ある)のスイッチを押しているからなのだ。複数のエフェクターをつないでいろんな音が作れる。つなぐ順番とか研究すると奥が深い!
これ、スイッチを押し間違えると大変なことになる。押すタイミングも重要。そのタイミングも計算しつつバンドサウンドは作らなきゃなんない。
アマチュアの頃のチャットモンチーは、ステージ衣装でカッコつけるよりも、このエフェクターを練習通りにちゃんと操作することに重点を置いていたわけだ。プロになったいまは靴はいて練習できてるから大丈夫なわけだな。
カッコつけないカッコよさみたいな音楽とスタイル。そして3人が音楽にまっしぐらなピュアな感性。それがチャットモンチーだった。そんなチャットモンチーを知ったいしわたりさんは「ロックの神様が一番好きなタイプ」と称したわけだ。ええ話やなぁ...。
いろんな仕事をしていて、ピュアにものづくりを楽しめる環境は大変少なくなったと感じる。良いスタッフとめぐり合えたこともチャットモンチーのピュアなロック魂のおかげかもしれないな。
まったく話が変わるが。番組でリーダーの橋本絵莉子が徳島時代に練習していたココナッツスタジオを訪問する映像が流れた。すると、そのスタジオの脇にあるコカコーラの自動販売機は、この前オレが見たデザイン断裁型だった!しかもオレの見たのより激しく断裁されていた
ある意味ここまで切れてればデザインと言えなくもない。夢みる少年少女が集うスタジオ脇だからあえてこの反体制的ロック魂を表現した(?)断裁型を置いているのか、徳島の人目につかない場所だから置かれてしまったのか。コカコーラ自販機疑惑も深まる秋の夜だ...。
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