google-site-verification=o_3FHJq5VZFg5z2av0CltyPU__BSpMstXTEV1P8dafg 太陽にほえろ2057: ひとくちメモ

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2008/04/06

太陽にほえろ2057

正直、「28日後...」を観てなければこのすんばらしいSF映画を観ることはなかったかもしれない。あるいはまた、ブルーレイディスクでなかったら買っていなかったかもしれない。ダニー・ボイル監督の映画「サンシャイン2057」は古典的SF映画好きで画質にこだわりのある映画をブルーレイで観たいというオレにうってつけの映画だった。

「サンシャイン2057」、なんてつまらないタイトルなんだろう(笑)。でも「2057年宇宙の旅」じゃなくてよかった(笑)。個人的には「太陽にほえろ2057」がいいと思うのだが、あきらかに観客をミスリードしてしまうか?太陽にほえたくなる映画だ(?)。

ボスは石原裕次郎ではなく真田広之。大変すんばらしい役柄と演技だ。でも日本じゃ真田広之というとスターの一人であり、そんなスターの真田が外国映画にメインキャストで出ています的な感覚(偏見)を持ってしまうと、この映画もなんだか観るまえに敬遠してしまうヒトがいるかもしれない。なんだか芸能界特有の仕掛けの匂いが漂うから。

でもそれは大きな間違い。基本的にはワールドワイドに手垢のついていない役者を集めてリアリティを出している。トム・クルーズが出ていたらオレもきっと敬遠したことだろう(笑)。アジア系の俳優を多く使う意味も、2057年という近未来の覇者はアジアだというひとつの見識の現れ。「たそがれ清兵衛」の好演がこの「サンシャイン2057」につながったようだ。

SF映画は静かなのがいい。「2001年宇宙の旅」とか「ソラリス」とか。スターウォーズもいいが、スタートレックの知的な興奮、人間ドラマ、そういうのがいい。宇宙は静かな場所だ。そして死が隣にある世界である。荘厳さと閉塞感。古典的SF映画の静けさへのオマージュが随所に感じられる。

そして圧倒的な映像美。恐ろしくもありがたい太陽という存在を美しく描いている。この美しさが、映画後半のカルト映画的な展開への伏線ともいえそう。

全編見終わってすぐに監督のコメンタリーで再度観始めた。さらに科学監修のブライアン・コックス博士によるコメンタリーまで収録されているところもカルト映画ちっくでいい。

ダニー・ボイルってのは、なかなか社会派で実力もある監督だと思うが、興行的には当たり外れが大きい。しかし「トレインスポッティング」や「28日後...」のようなヒット作品があればこそ、「サンシャイン2057」のような映画好きのための映画もこうしてブルーレイディスクになってくれる。そしてトレインスポッティングも今月ようやくブルーレイ化されて発売だ。

こういうバランスは結構いいのかもしれない。オレの大好きなソダーバーグ監督も似たような側面を持つ。ハリウッドでカネ儲け映画を録り、その余波で好き勝手な映画も撮る。最終的には好き勝手な映画のほうだって評価されるようになるはずだから、表層的な売れ筋映画だけやっていくより戦略的にも正しい。ただこれができるには筋の通った映画哲学のようなものが必要だろう。日本でいえば大林宣彦監督がそんな感じの監督だと思う。

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