google-site-verification=o_3FHJq5VZFg5z2av0CltyPU__BSpMstXTEV1P8dafg 損切り出来なかった東京都: ひとくちメモ

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2008/02/21

損切り出来なかった東京都

新銀行東京に400億円の増資を決めた東京都知事。損切りできない素人投機と同じパターンだな。

1000万円で相場をはじめました。そもそもが筋の悪い相場でしたが自信満々でした。でも2年で1000万円あった資金が-936万円の評価損に陥りました。そこで400万円の追加資金を投入し、損を補填しました(それでも原資に足らないけど)。そういう話や。

損を切らなくても持ち直す場合はなくはない。しかし新銀行東京の場合、はじめからビジネスモデルに問題があったという声も多い。他の銀行が貸さない相手に、貸し付けて焦げ付いている。

普通の銀行には貸し手への正当な評価ができないが、ちゃんとした目利きが評価すれば大丈夫という前提で始めた銀行だったと思うが、そんな目利きなんてそうそういるもんじゃない。自分が焦げ付いてどうする。

また零細企業は太平洋をイカダで航海しているようなもので、先行きなんて予測不能だ。カネさえ貸せば目論見どおり伸びるという企業はほとんどない。パトロンはパトロンなりのパートナーシップで全面補佐を覚悟しなければ。中途半端な出資は破綻して当然。絵に描いた餅だ。

でもこの失敗は多くの日本企業の病理を明確にしめすサンプルとして活用できそうだ。

まずカタにはめられた経営陣。普通引き受けないけど、受けちゃうような人しか経営できない。ふぞろいの林檎たちの柳沢慎吾みたいな(笑)。リスクの取り方が間違ってたね。断るべきところは断固断らないと。そもそもこの事業が始まってしまったことが不幸なことだった。

サラリーマンの皆さんも、沈み行く船にしがみつくまでは仕方ないとしても、決して管理職になったりしちゃダメよ。それはリスクじゃない。クライシスを招く。労働者の権利を放棄して玉砕覚悟で突っ込んでいくような行為だ。

もう高度成長時代じゃない。時代が変わったことを認識して会社というものを客観的に捉えるべきだ。家族経営なんてありえないんだから。そういう意味では経営感覚とか決算書の読み方を勉強するのは意味がある。出世のためでなくサバイバルとして労働者の視点で経営査定を出来るスキルを身につけるべき。

次に声の大きな権力者に誰も逆らえず突っ走った。声の大きいヤツが幅を利かす企業は多い。だがもっとも大きな声はユーザーの声。企業内の声のデカさなんて消しゴムのカスみたいなものだ。

声の大きいヤツが正しいというのは正しい。だがその大きな声はユーザー(世間)の声であって、カスみたいな社内権力者の声で運営されてりゃ航路を誤るのはあたりまえ。相場は相場に聞け。あったりまえだね。

でも、相手はアイデアはなくても権力は持ってるわけだからなかなか反論はできないね。だからムーディー勝山みたく右から左に受け流すしかないよ。自分がカタにはまらないことだけを考えないと。こういう状況にすでになっているってことはあなたの会社は北朝鮮になったってことなんだ。そこでムリせず生きる知恵を身につけよう。

さらに抜本改革とか全面撤退で損を確定し次のステージを創り出すのでなく、縮小再生産で増資してしまった。筋の悪い経営は何をやってもムダ。いかに早く病理を切るかが勝負。そんな病理は現場にはなく、中枢にある場合が多い。だから切れない。メンツがあるから。屁みたいなメンツだけどね。

ダメになっていく会社は、経費削減とか給与カットとか悪あがきの延命をやるけれど、治らない病は治ることはない。だってやることなすことすべて裏目なんだから。小手先でなにをやっても負のスパイラルに吸収されちゃうんだ。筋が悪いビジネスを切ってシンプルなビジネスモデルにして別の経営者がゼロから考え始めたほうがいい。

一度はじめたことをやめられないのもまた損切りできない精神状態に由来する。でも立て直すことなんて普通の人には出来ない。それが運命だ。きっと延命してる人々も自分が生き残れればいいくらいの感覚でしかない。エンロンみたいにね。

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