働きマン、2万部は少なくないぞ(^_^;)
今週の働きマンを昨日深夜にやっと見れた。昨日は朝から何も食わずサル仕事をしまくっていたのだが、一日は24時間しかなく、その最後をドラマ「働きマン」で終えた感じ...。
出版社の営業マンの悲哀とかにじみ出てたなぁ。でも初版2万部が少ないという妙な知識が流布するのはかなわんぜよ。モデルになっているであろう講談社は日本で第一位の出版社だ。だから初版2万部を少ないといえるのだ。
日本には3~4000社くらい出版社がある(と思う)。それが毎回2万部の書籍を出版できると思ったら大間違い。またしたくても書籍流通大手から待ったがかかる場合だってあるらしい。まさにデータ主義だ。
昔、ある音楽業界の大物が本を出すときに、レコード業界の数字と書籍業界の数字のあまりの違いにご立腹ということがあった。さもありなん。自分のかかわったレコード(CD)なら数十万枚なんてザラな世界にいて、初版2万部なんて言われたら恐ろしく少ないと感じたことだろう。でもそれが現実。実際、数十万部売れる書籍なんてそうそうない。
書籍の出版がギャンブルチックなのはそのとおり。まさに水モノ。年間コンスタントに10万部売れる本が複数ある出版社は超優秀で、ほとんどの書籍は1万部だって難しい。
前にも書いたが出版プロダクションのなかには、5000部を返品なく(あるいは回転させて)、キッチリ売り切っていくという主義のところもある。割とマニアックな書物なら「欲しい人5000人だけにキッチリ届けばいい」という割り切りでいい仕事をしているところもあるのだ。
ボクは昔から何がヒットするかが感覚的にわかる。数字で表せない感覚なので伝えることは難しい。面倒だし。まぁ、それを言うと「ただミーハーなだけでしょ」って言われるわけだ(笑)。結果的にヒットしてるんだから、大衆目線でモノを見てるって思われるのがオチ。ま、そのほうが楽だからいいけど。
でも相場を張るようになって、さらにその感覚も伸びたように思う。分析手法も無意識にだがスパイラルに応用している。水物への参入のしかたは相場分析と大変似ている。ただ、相場以上に現実の事業のほうがリスクが高い。
なぜなら、すぐに損切り出来ないからだ。流動性が低く先が読めないギャンブルだ。それだけにデータ主義(テクニカル分析?)が重用され、過去のデータから部数を決定する。しかし突発的な出来事(大ブームとか完全な目算の誤りとか)で、ヒットしたり惨敗したりする。
まさに相場だ!しかし製作費がかかりモノが動きいろんな人がかかわっているだけにスパっと切れない。そこがよりリスキーなのだ。日常取引でのリターン率を考えれば書籍出版より相場の方がリスクはぜんぜん低い。事業の難しさを知っている人ほど損を切れることのありがたさが身にしみるはず。損切りが出来ないなんてのはサラリーマン根性の表れでしかない。おっと、また話がずれそうだ...。
ネット小説も流行っているが、在庫を持つ必要がないメリットは計り知れない。書物は突き詰めれば情報産業なので。ネット販売を主流にしておいて、マニア向けに少量製造で受注生産するとか、出版業も変革を迫られるかもしれないな。売れれば儲かる時代はさり、作り方売り方で歩留まりに差が出る。出版格差社会到来だ。
あれ?働きマンの話だっけ?面白いっす。
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