絶景ミルフォードトラックに爆笑!
番組表で一発録画予約出来ることにこれだけ感激したことはなかったな。今週はほんの数時間前まで、初めて過労死という言葉を意識してしまうような日々だった。だが意識できている間は死なないもんだと開き直り、強い意志のもと、そんな現実から逃避できる番組を予約録画しておこう(笑)と選んだのがCXの「世界の絶景100選誰も知らない神秘の絶景スペシャル」だった。
ブルーレイディスクとホームシアターに絶景こそふさわしいと思ったのだが、まさか爆笑できるとは。偏頭痛を忘れてしまえるひとときをありがとう。
この番組は、なかなか訪れることの出来ない世界の絶景を芸能人がレポートする。絶景というだけに結構過酷な道のりや前準備をして挑む。そこに開ける絶景の見事さに感動するというフォーマットだった。
笑ったのは、山本太郎が行ったニュージーランドにある世界一美しい散歩道ミルフォードトラックだ。大変有名なトレッキングコースであり、50Km程もあるその道程のすべてが美しい自然に満ちている。そこを4日間歩いて歩いてゴールのマイターピークへたどり着く。
だがこのロケはめちゃめちゃ天候が悪く、山本太郎も途中で思わず「台風中継だ」と口走ってしまうほどの豪雨だった。最終ゴールの日だけは晴れていたので、番組的にはそこを絶景と定義し、艱難辛苦を乗り越えてこそたどり着ける場所のように描いていたが、そうじゃないだろう(笑)。
いや確かにゴールの景色も絶景には違いないが、あくまでも今回の絶景の趣旨は全長50Kmのミルフォードトラック全体のすばらしさを指していたわけである。だが今回の行程はどんどん激しくなる豪雨中継となり、激しい急流を渡り崖崩れに遭遇し、どう見ても世界一美しい絶景トラッキングコース紹介ではないのである。
番組が進むにつれ、風速25mの豪雨を真正面から受けて叫ぶ山本太郎。景色を鑑賞する余裕はなく、見渡しても何も見えない(笑)。「番組趣旨変わっとるやないけー!」と爆笑してしまった。それはそれで超OKなわけだが。山本太郎の持つまっすぐな性格というイメージが余計に面白さを誘う。
ゴールにたどり着き、画面がスタジオに戻った後には、晴れの日のミルフォードトラックの画像が流された。それもところどころにその場所で豪雨に打たれる山本太郎のワイプ映像(笑)。おいおいあの旅は何かの罰ゲームかよ!
でも、そんな苦労の甲斐あって、番組の絶景のなかではナンバー1に選ばれていた。しかし趣旨が違ってしまったことは疑いようもなく、番組をあげてこの旅を絶景として終わらせることに躍起になっているように思え、そこでもププッっと笑えた。いやー楽しい番組だったなぁ。
思えば最初の水川あさみのフィリピン・エルニドの旅も、なんだかピントはずれだった。断崖に囲まれたシークレットビーチにはピンポイントの穴を船で抜けないと入れない。そこでシーカヤックの練習をして挑むのだが、その練習のスポ魂的ノリや前夜の夕飯(珍味海燕の巣)などが主眼になっていて、エルニドの中はなんとなく密閉感のある空間で、「っここが...絶景か?」ってな感じ。
絶景は開けていくイメージがあると思うのだが、エルニドは小さな穴をシーカヤックで抜けると、そこにはさらに密閉された空間が...。なんだか今回のおかしな絶景番組のオープニングを飾るにふさわしい旅ではあった。
けなしているように思われると心外で、個人的には大変楽しめて救われた番組だったのだ!いやーよかったぁ。
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