リスクとハザード
今年の第1四半期末は相場以外が忙しく、合間を見て売買するのはリスキーなため、“休むも相場”を決め込んでいる。こんな時期には知識を溜め込み、それを反芻して、更なるスキルアップのために何が必要なのかを考えることにしている。
音楽に休符が欠かせないように、相場にも休みは欠かせない。音楽にリズムがあるように相場にもリズムがある。相場とは毎年1曲作るようなものなのだ。
今回はちょうど岩本巌著「相場は生きている」の第一部が復刊されたので、それを読んでいたがすぐ読み終わってしまった(笑)。古典的名著だと思うから、ぜひ完全版で復刻して欲しい。
古典といえば尊敬する売りの天才・山崎種二氏の「そろばん」を長年読みたいなぁと思っていた。でも復刻されることはないと思ってあきらめていたらネットで読めた。著作権的にはどうなのかわからないが、もはや入手困難な書物であり文化的には大変有意義なサイトだと思う。なくなるまえに是非ぜんぶ読み終えたい。
城山三郎著「百戦百勝―働き一両・考え五両」もあわせて読むと、考え五両のすばらしさも加速する。
売りというのは商売してれば日常だけど、一般的な個人投機家は消費者だから買いが得意だ。誰もが買っている市場の時代は景気もよく、カネの価値は相対的に下がる。だがあらゆる市場が下げに向かうときその下げに乗じて利益を上げると、そのカネの価値は相対的に上がる。不景気で一般人のほとんどが損している時代だから。
景気の第6局面へ向かう時代、備えあれば憂いなしということだ。バイ&ホールドがもっともリスクの高い手法になる時代かもしれない。売りの練習は欠かせない。損切りだけが売るときだと思ったら大間違いだ。売買どっちも出来てフットワークを軽くしておくことが重要だと思う。
あと、羽生善治氏ほか著「先を読む頭脳」もほぼ読み終えた。羽生さんの書籍は「決断力」もそうだったが、いつも示唆に富んでいる。将棋と相場との思考回路はかなり近いといつも思う。
人間心理の本質は、常に最前線に表出するものかもしれない。将棋は手の内をすべてさらけ出して勝負する。個人のネット相場はまったく手の内を見せない。それだけに、相場本よりも羽生さんなど別の分野で最前線で戦っている人々の著作の方が参考になる。
スポーツも将棋もゲームも相場も、あらゆる勝負事では常にリスクを犯して勝利を取りに行く。そのリスクの取り方には根底に知識と経験と学習と練習と現状認識と大局観と直感と仮説とがある。それらなしに「リスクを取る」という人が多いが、それは口でリスクを取ると言ってるだけで、実際はハザードを起こしているのだ。その違いも学ばなければ気付くことすらない。
なーんてことを、相場を休んでいるときには考えてるってお話でしたー。
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