ベルギー分裂騒動
今朝のワイドショーで、ベルギーのTV局(公共放送じゃなかったかな)が突然流している番組を中断し、「ベルギーが分裂しました」という臨時ニュースを発表した、という話題をやっていた。中継も入れつつ、いつもその局でニュースを担当するキャスターが、国王も国外へなどと報道したそうだ。
実はこのニュースは真っ赤なウソだった。ベルギーは南北地域の仲が悪い。この問題への国民の関心を高めたいという建前でいきなりこんなウソニュースを流してしまったらしい。最後にフィクションだと流れたそうだが、本当のニュースだと思った国民が国外退去しようとして、大渋滞が発生したとか。
これだけの情報でも、いろんな思いが頭を駆け巡る。たしかに意識は喚起されたぞ(笑)。
●やっぱ最初はウェルズでしょ
まず真っ先に思いついたのは、H・G・ウェルズのラジオドラマ「宇宙戦争」事件だ。語学用CDにもなってた。プロデュースしたオーソン・ウェルズは人を騙すという行為に並々ならぬ関心があったのかもしれない。1974年の映画「フェイク」は、そんなオーソン・ウェルズらしさが出ている奇作だった(関心ない人にはまったく退屈で頭の痛い映画だ!)。
●次は日本のぶっとび小説
次に頭に浮かんだのは、井上ひさしの「吉里吉里人」だった。文庫では上中下巻の3巻だが、子どもの頃ハードカヴァの分厚い「吉里吉里人」を買ってきて読んだ。前半だけ(笑)。吉里吉里国が日本から突然独立すると言い出し、確か吉里吉里語なんかも文法まで詳細に解説してある完全フィクション小説だ。吉里吉里語でくじけたのかも。「何やってんだオレ?他にすることないのか!」と自問自答したのと、当時田中角栄の新潟は日本から独立すればいいのにと思いながら読んだ記憶がある。
●そして、やっとベルギーに思いを馳せた
ベルギーも一回だけ行ったことがある。ユースホステルの受付のお姉ちゃんがめっちゃ美人だった。だから夜、旅行中ドイツで買ったウクレレをロビーで弾きつつ気を引いた。ウクレレを買ったはいいが当時ウクレレチューニングなんて知らないからギターチューニングで(笑)。にっこり笑ってくれた。音楽は国境を越えるなぁと思ったものだ。朝起きてから挨拶がてらもっと話そうと受付にいくとハゲのおっさんに交代していた...。猛烈に悔しい思い出(笑)。
ベルギーといえば、ビールとチョコレートだ。ベルギービールといえば、前にHPの方で書いた川口市のミルウォーキーズクラブです!埼玉在住でベルギービールに興味ありだったら一度は訪れてみて欲しい。ボクにとっては楽しくもほろ苦い思い出のお店だ。また行きたいな。独りじゃいけないけどな...。
ベルギーチョコレートについては、別にオレが語らなくてもな。いまの季節、ベルギーチョコのギフトっていいですよー。別れちゃった彼に、ベルギー分裂はウソだったんだし、私たちもよって。なんだそりゃ!?
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コメント
友人がしばらくベルギーの日本人学校に赴任していた。彼から聞いた話だと、オランダ語をしゃべる北部フラマンとフランス語をしゃべる南部のワロンの対立はけっこう肌で感じられる。日常会話でも「私ワロンは嫌いだから」とか言う人々が周りにけっこういたんだそうである。
彼が赴任している間に「八日目」というベルギー映画がカンヌのグランプリをとった。大騒ぎだろ?と連絡すると、”別な意味”で騒ぎだと答えが帰ってきた。フランス合作だったのでフランス語の映画。新聞は「ワロンの勝利!」という見出しを出したのだ。国内での南北対立を感じさせるエピソードでした。
投稿: tak | 2006/12/16 20:52
あんな小さな国で南北対立しなくてもって思うけど、歴史的な経緯があるんですよね。長野県の南信と北信とか会津と長州とか、足元の国でも結構あるなぁと感じたりもしましたね。
あ、ボクの通ってた「ちいさき花幼稚園」の園長もベルギー人でした。確かカソリック系で宗教も南北で違っていたんじゃないかな?
投稿: ポップンポール | 2006/12/17 01:00