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2006/07/16

トレンドフォローセミナー

(2012.07.01追記)古い記事ですがオススメ本としてリンクしてる記事なので、追記を冒頭に書きます。「トレンドフォロー入門」が入手困難になってしまっていましたが、改訂版が別の翻訳者になって発売されているので、せっかくだからフォローしておきます。『規律とトレンドフォロー売買法』です。こんなに安くなってるなんて。

このところ良書の増補改訂版がちょいちょい出始めました。この兆候はこれから始めようとしている人には朗報だと思います。凡百の駄本を読むよりも少数の良書を何度も手にとって読み直すことをオススメします。

2回目からは通読する必要はありません。相場をしている自分自身の長所短所が見えてくれば、おのずと読むべき内容も絞られてきます。良書は読むたびに新しい発見があります。それは自分自身の構えそのものが進化しているからでもあります。

この書物はトレーダーが書いたものではないですが、トレンドフォロワーの思考回路や生活態度などを客観的に知ることが出来ます。どんなシステムよりも大切なものがあります。それが「入門」の意味であり、単なる簡易版テクニカル分析本などとはまったく存在価値が異なります。

以上、追記でした。


土曜にエンジュク(¥塾)主催のトレンドフォローセミナーに行ってきた。タートルズのひとりラッセル・サンズによる初来日セミナーだったが、正直「うーむ」とうなってしまった。眠気のトレンドが続いていたので、途中の押し目だけ拾い聞き。まぁこれが強力なトレンドで(笑)、ほとんど寝ていたのでうろ覚えなのだが、「こちとら自腹じゃ」の井筒監督の心境がよくわかったので書き残しておこうと思った。

ラッセル・サンズって刑事コロンボの犯人役やらせたらはまりそう。これが本日最高の褒め言葉だ。あとは...かつしかシンフォニーヒルズはいいホールだった。¥塾にはホール選びに前回の反省と改善が見られた。それと...帰りに堀切菖蒲園のハルピン餃子でトマト水餃子を久々に食えた!もりあわせ2人前×2セットもお土産に買ってしまった!うーん有意義有意義。

トレンドフォローとは投資法の一種であり、タートルズとはそのトレンドフォローの偉大なる投資家リチャード・デニスが教育した投資家集団だ。一時期一世を風靡した。天才とよばれたデニスが「投資法は伝授可能かどうか」という実験を実際に行い、大成功した成果こそがタートルズだった。投資が“天才”によるものではなく、教育によって伝授可能なものだと実証して見せた成果は一般大衆に希望を与えたかもしれない。

長くタートルズの投資法は秘密のベールに包まれていたといわれているが、その掟をやぶって(?)ラッセル・サンズが書いたのが「タートルズの秘密」だ。バカ高いうえにバカデカい書物だ(笑)。たぶん内容はA4用紙1枚に要約できるからボクは買ってないが、この日もその重たい書籍を下敷きに必死にノートをつけている若者がいた。がんばれよ...。

マジメなこと言えば、ボク自身はトレンドフォロワーのエド・スィコータを尊敬しまくっているし、トレンドフォローを否定したりは全然しないけれど、トレンドフォロー戦略をセミナーで語ることは困難なのではないかという感想を持った。あまりにシンプルであり、これで2時間もたせるには雑談以外ないのかもしれない...。あるいはむしろ、労作にして名著「トレンドフォロー入門」の著者マイケル・コベルを招いて、トレンドフォロワーと呼ばれる人々の人となりを聞いたほうが有意義かもしれない。

ラッセル・サンズは翌日曜日に10万円の参加費を取って終日講義をやる(いまやってる?)そうだが、正直苦行以外の何モノでもないと思う。だが、その忍耐力こそがトレンドフォロワーには必要なのかもしれない。常に損切りの連続に耐えながら、一方で大きな評価益も利食えず、勝っても負けてもキリキリと腹が痛む対価として大勝利を得る。

トレンドフォローに限らず、いわゆる投資法というものはいわば流儀・流派のようなものだ。これは林輝太郎先生の受け売りだが、武術に流派があるように、それぞれの流派にはそれぞれの論理があり、どれが正しいとかどれが強いというものではない。現代でいえば、K1や総合格闘技でカラテが強いのかキックボクシングが強いのかという議論は不毛であり、どの流儀であれ極めた猛者が強いのだ。ボクはそれを中学生の頃ジャッキーチェンの「蛇拳」で学んだ(笑)。

相場は自分を映す鏡であり、ひたすら自分への問いかけによって成り立つ精神修行のようなものだ。カネ儲けの手段としては大変厳しい方法であり、誰にでも出来るものではないと思う。普通の職業なら、例えばプロ野球選手を目指したり、将棋のA級を目指したりしても、途中で強制的に引導を渡される。そこで彼は取るべきでないリスクを回避し、別の人生を歩むことが出来る。だが投資については誰も引導を渡してくれない。あるとすれば破滅して気付くか、自分で辞めるかだ。

Book_fj200510質問コーナーで「勝てないトレーダーにアドバイスを」というのがあったが、もしボクなら出来るアドバイスはただひとつ、「ゲームを降りろ」それだけだ。ゲームを降りさえすれば、100%の確率で今後相場で損することはない。これ以上有効なアドバイスは思いつかない。そしてゲームを降りる決断は自分自身でコントロールできる。

相場には自分でコントロール出来ることと出来ないことの2つしかない。トレンドフォローとは自分で出来ること(玉管理)だけキッチリやって、あとは相場任せの戦略だといえる。シンプルだが、人間というものは自分で何でもコントロールしたくなる生物なので、これがなかなか難しいわけだ。

ラッセル・サンズはタートルズの成功について多くを語ったが、その後のタートルズについての興味深い記事が「Futures Japan」(2005年10月号)に掲載されている。道を誤ったタートルズもいるという事実を反面教師とするもよし、自分と比較するもよし、興味のある方にはオススメの記事だ。ついでだが、Futures Japanの年間定期購読料は「タートルズの秘密」1冊よりも安い(笑)。なかなか一般書店では買えない雑誌なので定期購読もオススメだ。相場仕事は整然と冷静に業務遂行していくのでモチベーション継続のために毎月読む雑誌があるのはちょうどいいアクセントになると思う。

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