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2006.01.03

努力っていったい...

ディスカバリーチャンネルが2005年放送分からベストセレクションの48時間ぶっ通し再放送をやっていた。寝正月には持って来いですな。

そのなかにある意味いかにもアメリカンな番組があった。「人間改造なりきりゲーム」だ。人間改造なんてものすごい邦題がついているが、ようは平凡な日常を離れて違う自分になりたい願望を満たしてあげようという企画番組だった。

オレが見たのは「本の虫が荒くれバイカーに挑戦」の回だ。図書館司書の女性ローリ(既婚)が、4週間の特訓で1200cc改造アメリカンバイク乗りになり、バイクコンテストに出場して識者に初心者だと見破られなければ勝ちというものだった。

最初はエンストばかりで、仕方なく原付で二輪車に慣れるところから。免許も持ってなさそうなのだ。途中「この審査に落ちたらダメかもしれない...」「これまでの私は臆病でした」みたいなコメントが入る。

この司書のバイカー挑戦者ローリが結構かわいらしい感じで好感が持てる。だが、その努力とか克服していくハードルの方向性は正しいのかと思わずにいられなかった。

臆病さの克服のために精神修行の先生のところに行く。先生と喉元に鉄の棒をつっかえ棒のようにして突きつけあい、「この棒を折り曲げるのよ!」みたいなことをする。折れ曲がったら「やれば出来るのよ!」みたいな。

精神修行の仕上げは火が消えた直後の灰の上を裸足で歩いた。歩けたらもう歓喜の嵐だ。で、この精神修行もかなりの効果を見せてしまうのだ。臆病だったローリが改造されてしまうのだ。

そんな臆病さを克服したローリ。最後のほうには肩にタトゥー(刺青)まで入れてしまうのだ。かわいらしい図書館司書の面影は消え、ケバケバしい化粧とむさくるしい革製へそ出しルック(表現が古くてすんまそん)に変わっていくのだ。

バイクの教官となった女性たちもタトゥーを入れに連れて行ったくせに「ここまでするとは思わなかったわ」と大喜び。明らかにボク好みだった司書ローリから、どうにも近寄りたくない荒くれローリに変身してしまった...。

悪い友達に引き込まれて積木崩しに陥っていく過程を見ているようだったのだが(笑)、しかしすべては困難の克服による自己実現として描かれており、なんだか超ハッピーな感じなのだ。さすがディベートの国、視点を移せばなんでもすばらしくなっちゃうんだなぁ。

クライマックスのバイクコンテストでは識者からバイクへの思い入れに関するインタビュー試験もあるのだが、ツーリングコースはどこが良かっただの、今度バイクを改造するときはフロントを変えたいだの嘘八百を並べ立てる。それを別のモニターで見ているローリの教官連中は「ウソもうまいわ!」ってまたまた大喜び。努力の最終段階はウソの上手さかよ...。

結局、3人中2人の識者に見破られコンテストでは負けたが、なにやら充実感や達成感だけは充満してて大団円だった。番組としては確かに面白かった。だがここまでやるなら、4週間前に妻を送り出したダンナがタトゥーを見たときの顔まで追っかけて欲しかったな。

(2006年1月8日朝5時から再放送あり)

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