映画「石井のおとうさんありがとう」
先週、アフィリエイトに多くのアクセスをいただいた記事があった。ホームページに昔書いた記事だったのだが、検索エンジンの進歩のおかげか、こういう昔の記事にアクセスが増えるというのは感慨深い。またそのアクセスによってこちらが気づかされることもあってありがたい。
その記事は「大原孫三郎にみる教育」という小さい記事だ。私は城山三郎文学のファンで、その流れで「わしの眼は十年先がみえる」を読み、大原孫三郎という偉人の存在を知って好きになった。
大原孫三郎は大資産家だが大散財家でもあり、さまざまな社会貢献をしている。そのひとつが倉敷を戦災から救ったとも言われる大原美術館(左上写真)であり、倉紡中央病院(現在の倉敷中央病院・右写真)だ。この写真は今年の夏に倉敷を再訪して撮ったスナップ。
最初に倉敷を訪れたときは5時間しか時間がとれず、とにかく大原孫三郎についての情報だけを探し回っていた。その後、孫三郎の偉業の数々を知るにつけ、ほかに2人の人物に興味を持った。それが画家の児島虎次郎であり、今回紹介する映画の主人公・石井十次だ。
児島画伯については2001年にホームページに書いた(こちら)。私は芸大を目指していた時期もあり(いろんなとこ目指しては挫折してるでしょ^_^;)、美術への興味と大原孫三郎とから児島虎次郎に興味が広がるのは自然な流れだったと思う。
もうひとりの興味の対象であった石井十次について描いたのが映画「石井のおとうさんありがとう」だ。
大原孫三郎を描いた小説について1997年に書いた。2005年になってそこへのアクセスが目立った。なぜかなと検索エンジンで石井十次について検索した。そしてこの映画の存在を最近知ったというわけだ。だからこの映画はまだ見ていない。
城山三郎氏の小説では、孤児院設立への熱意だけで生きている(そのために孫三郎に出資させようと熱弁をふるう)ものすごい豪傑に描かれていた。映画では、マツケンサンバの松平健が石井十次、辰巳琢郎が大原孫三郎を演じている。こう聞いただけで、とりあえずは見る価値があると思った。
私はクリスチャン系幼稚園出身でもあり(いろんな宗教まざってます^_^;)、教育にもそれなりの興味を持っていたけれど、どうしても宗教家というと色眼鏡で見てしまう。変な宗教が多い世の中に生きているからなぁ...。
だが宗教とは生き方であり哲学だとも思う。それはひとえに個人的なものである。他人の宗教に入信することは仕手相場に提灯をぶら下げるようなもので私には意味が無いように思う。すべては自分(個)のなかで苦悶し、どう生きていくかを見つける手段のひとつだと思う。「人が死ぬときはひとり」というのが私の究極の哲学かもしれない。
石井十次とは、まさに自分自身を生きた宗教家ではないかという気がする。日本初の孤児院創設に一生を捧げた。誰にでも出来る仕事ではないし、パトロンとして大原孫三郎と接触した戦略もみごとだ。宗教にこだわらず、なにか得るものがある生き方かもしれない。
話は変わるが、孤児院といえばメキシコに暴風神父フライ・トルメンタというプロレスラーがいた。ジャン・レノ主演で「グラン・マスクの男」という映画にもなった。彼は自身が運営する孤児院の資金を、ルチャ・リブレのマットで稼いでいたのだ。
以前来日したとき、リングへの入場は彼のドキュメンタリーをやった関係でTBSの番組のテーマ曲が流れたが、退場するときは私の友人が作曲し私が編曲・録音した孤児院の子どもたちのための曲を流してもらった。このテープはフライ・トルメンタに持って帰ってもらった。いろんなエピソードがつながっていくのは楽しいな。
| 固定リンク | 0
コメント