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2005.07.10

日本のトリビア

ドラゴン、ドラゴン、ドラゴン桜!「タイガー&ドラゴン」が終わって一息つく間もなく、面白いドラマが始まりましたねぇ。確かに東大幻想みたいなものは薄れつつありますな。

学習指導要領が右往左往してスカスカになっているなかで、東大はミスを犯せない保守的かつ真っ当な問題しか出せませんからね。京都大学が文科省のベクトルと必ずしも一致しないのと対照的な感じがします。

で、「バカとブスは東大へ行け」というセリフ。「バカとブス」のブスが長澤まさみってところは現実離れしてると思うけど。長澤さんは本当に役に溶け込める俳優だな。今後が楽しみだ!

それはともかく、実は既にバカは東大卒業して官僚になってるって話です(笑)。それをトリビアと言ってもいいんだけど、もっと別な言い方をすると、

「日本という国は、お小遣い帳で運営されている」

という感じでしょうか。あるいは、

「日本のエリート官僚は、商業高校卒業生以下の能力しかない」

でもいいんだけど。ここでピーンとくる方もいらっしゃるでしょうね。

●日本のトリビア−簿記って知ってます?−

IMF占領2008年 IMF占領」という書籍は一読を強くオススメしたいです。特に第5章のなかの130ページからはじまる日本の公会計の不思議さ(おバカさ)こそが、日本のトリビア(ボクには98へぇーでした!)といえます。ただし、これはムダ知識ではありません!日本人全員が知っているべき知識だと思いました。

結論からいうと、日本の公会計(国家財政と地方財政)は、単式簿記を採用しているってことなんです。複式簿記を採用していないということです

こう聞いても、おそらく多くの一般大学卒業生はこの重要性が理解できないと思います(私もそうでした)。商業系の学校以外で「簿記」を習ったことがないからです。もちろん東大卒の官僚も同じです。

しかしどんな簿記の入門書でも、まず最初の20ページ以内に、複式簿記を使うことが企業会計の基本であることを述べているはずです。就職して経理を担当したりしてはじめて簿記(複式簿記)を知るという方も多いでしょう。

●役人は悪くない。ただバカなだけなんだ。

複式簿記と単式簿記との最大の違いは、財政問題に照らしていえば「損を認識できるかできないか」だと思います。複式簿記は出納をヒモ付けできる(増減を把握できる)のに対して、単式簿記は「入」と「出」とが切り離されています。極論すれば、ただ単にお小遣い帳にそれを記入するだけといえます。

私はこれまで官僚や公務員は、市民に対してわざと損を隠して会計報告をしているものだとばかり思っていましたが、実は彼らの頭には「損」という概念が存在していなかったのです。個々人には「こりゃ大損だな」と思っている役人がいたとしても、会計システム上は、それを表現できない仕組みになっているわけです。

まさに「赤信号、みんなで渡れば怖くない」のが単式簿記(お小遣い帳)による国家運営で、そりゃ赤字を垂れ流していても、それを記入するだけのルーチンワークが仕事をしたことになるってわけです。私たちはこんな国に住んで税金をふんだくられているわけですね。まさに財政後進国としか言いようがありません...。

「IMF占領」って本は、タイトルこそ不安感を煽るようなものですが、内容は至って冷静です。財政史から見た「日本破産」を淡々を述べられていて、日本の近現代史の重要事項としての「財政」をわかりやすくおさらいできます。

たとえば昭和恐慌など歴史を振り返るだけなら、あるいは「日本は破産してますから!残念!」って内容の本なら、たくさん出版されています。センセーショナルなだけの本も含めて...。しかし、この「IMF占領」の第5章に書かれた公会計の問題は、他の類書では出てこない、あるいは出てきても大きく扱われない内容です。それはおそらく、他の類書を書かれた文化人や学者先生も、簿記の重要性を理解していなかったからではないかと思われるわけです。そんな知的環境のなかで、東大法学部出身者なんて簿記アレルギーの権化かもしれません(笑)。

●慶應と早稲田がタッグを組んだ!それが複式簿記

複式簿記は、500年前、大航海時代にイタリア商人の間で誕生しました。ゲーテは全3巻の「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代〈上〉」で「(複式簿記は)人間の精神が産んだ最高の発明のひとつだ」とも書いているそうです。

日本では、慶應大学の創設者で現壱万円札の肖像の人、福沢諭吉が1874年に「帳合之法」として紹介し、早稲田大学の創設者で明治時代の大蔵省のドン、大隈重信が「日本の近代国家への道の第一歩」として位置づけました。このときには一度採用しているわけですよ。

いわば複式簿記は、日本の私学最高学府創設者がタッグを組み、資本主義経済の荒波のなかを生きていける国家にするために導入した、キラーアプリケーションだったわけです。

それが、結局は政変で大隈が失脚し、山縣有朋内閣のときに複式簿記を廃止して単式簿記に戻し(1890年)、いまに至るってわけです。改革者・大隈が抵抗勢力に屈したような形ですね。日本が自己検証能力を失って現代の大赤字超大国に至る原点ともいえます。

●せめて複式簿記を知ろう。未来を取り戻すために。

先日のサミットでコイズミは、アフリカへのODAを一兆円規模で増額するとか、口だけは相変わらず達者なのですが、カネを使うことは誰にでも出来ます。国民から毟り取ればいいだけですから。保有米国債を取り崩してODAに充てるわけじゃないですからね(笑)。そもそも国債も30兆円枠を守る(それですら膨大な垂れ流し)と言って首相になったくせに、「たいしたことじゃない」と開き直り、いまでは赤字乱発の新記録更新中です。

きっと福沢諭吉は泣いてるよ。こんなバカな大将を作るために大学創めたんじゃないってさ。財務省もやっと重い腰をあげつつあるという話もあります。東京都は2003年に地方行政としては日本初(!)の複式簿記導入を検討し始めました。しかし、全国自治体で既得権益のある単式簿記を、自助努力で複式簿記に変更できるかどうかは微妙です。だって損を気にせずカネが使える打ち出の小槌だもん。簿記習ってないんだもん。国家財政に至っては憲法改正の必要性もあるようですし。

だからこそ政治が中心となって大改革すべきだと思うんだけど、民主党からもそんな声は聞こえてこないし、ムダに国会運営費を使っているんだから、未来はないでしょう。いまの子どもたちは、知らない間に膨らんだ借金を返すだけで新しい仕事は何も出来ない国で暮らすことになります。日本脱出しなければね。

ドラゴン桜に言われるまでもなく、未来を奪われても怒らない、何に怒ればいいかわからない、それが今の学校教育の成果であり、東大ヒエラルキーによるバカの連鎖なわけです。

文系の人も理系の人も、エリートもそうでない人も、個人事業主もサラリーマンも、一度は「複式簿記」に触れておく必要があると思います。特にこれから日本で暮らそうという人には必須の知識で、なぜこれが学校教育で必須科目じゃないのかわかりません。せめて学校教育で全員が触れていれば、日本はここまでおかしくならなかったと思います。

東大をめざすためのテクニックもいいですが、そうやって時間を浪費している間に蝕まれていく教育システムは、少子化とともに、日本の未来を確実に奪っていると思います。この日本のトリビアの泉に、小石を投げ入れ波紋を起こさないと、奪われた未来は戻ってきません。それこそ本当にIMFが入ってきたら地獄です。2008年は慶應義塾創立150年記念だそうですが、その年にIMF占領が現実になったら皮肉だよなぁ。

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Comments

うむぅ、知らんかった。(-"-)
税金むしるときはうちらに複式簿記を強要するくせに
自分たちはお小遣い帳ですませていたとは。。
一般会計の負債700兆円とかいうばかりで、じゃー
特別会計あわせて国としてどんだけの連結負債があるのか
誰一人わからないと言うのはこのためなのか。。

Posted by: くっきも | 2005.07.10 at 12:40

くっきもさん、こんばんは。

「複式簿記じゃない財政」って、この恐ろしさはサラリーマンが一番わかるはずなんですけれど、かなりのサラリーマンは福沢諭吉が感動すらしたという複式簿記の重要性を知らないんですよね。まして日本がお小遣い帳で運営されてるなんて、にわかには信じがたいと思います。それもこれも考えることをやめて無用な受験戦争を煽ってしまった教育の問題だと思うんですけれど。

だいたい税収40数兆円なのに、毎年30兆円以上借金ができているだけでもこの国は狂ってる。国民がその借金(国債)を競って買ってるのも狂ってる。その借金で地方の借金を支えてるのも狂ってる。でもその全体像を把握できる会計システムはない...。背筋が凍るくらいの非常識がまかり通ってます。あと数年後には、単年度の借金が税収を超えるので、収入はそのまま借金返済に消えるわけで、どうやって国家予算を組むのか、それも気になります。日銀が青天井で国債引き受けるのかなぁ。インフレしかないのかなぁ。もう足し算引き算では国家運営できなくなるから、魔法か宇宙パワーで何とかするしかなくなるな(笑)。

世界最大の債権国だから大丈夫って人もいるけど、米国債は売れないんだから持ってないも同じ。これを売ったら北朝鮮からじゃなく米国からミサイルが飛んでくるかもしれないですよね。マジで。中国はこれ売れますからねぇ。明らかに日本は金だけせびられるバカな若旦那になっちゃいました。時代劇(喜劇)だなぁ。IMFが水戸黄門なのかなぁ。でもバカな若旦那は制裁される側で、助かる方じゃないよなぁ。

子どもを産むのもリスキーだから少子化も進むし、そうなると少ない子どもたちの負担も益々増加するし、この流れはもう断ち切れません。ここまで来ちゃうと、残念ながら手遅れ...。相当な痛みがサラリーマンに直撃して、その上の方がなんとか若干生き残って、その後の日本をなんとか延命させていければまだいい方なのではないでしょうか。

とりあえず、立ち読みでもいいから「IMF占領」の143~147ページを、ひとりでも多くのサラリーマンに読んで欲しいと思ってます。サラリーマンが変わらないと、この国は再生できないので。ま、あきらめちゃうのも手だけどさぁ。IMFに国家公務員の半分のクビ切ってもらえれば、痛さは分かち合えますから...。会社がなくなっても生きていく術を身につけましょう!

Posted by: ポップンポール | 2005.07.10 at 20:59

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Posted by: 龍 | 2005.07.11 at 22:57

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