ストライキ
日本プロ野球史上初のストライキ突入が決まった。とりあえず明日からの土日だけ決行とのこと。その後はまだ労使交渉を継続する。3ストライキでアウトにならないよう、古田のリードが注目される。
一般市民にこれほど歓迎されるストライキなんて、かつてあっただろうか?というか最近はストライキという行動すら遠い昔の出来事のようであった。子どもの頃はまだJRが国鉄で、よくストライキをやっていたものだ。
今回のストライキ報道で思い出した曲があった。それが友部正人のセカンドアルバム「にんじん」に入っている、その名もズバリ「ストライキ」という曲だった。むしょうに聴きたくなっていま聴きながら書いてるところです。
今日は国鉄のストライキ
新聞は庶民の敵と書きたてている
僕はお茶の水で電車を待ってる
君は渋谷で僕を待ってる
こんな歌を作るくらいだから、当時はよっぽどのことだったのだろう。このアルバムには「長崎慕情」という歌も入っているのだが、そのなかにも「今日は国鉄のストライキ 今ごろ東京は大変だろうね」という歌詞が出てくる。まさに国鉄のストライキで貫かれたコンセプトアルバムのようだ(笑)。
プロ野球選手会のストライキはファンが熱狂的に応援している。国鉄のストとは位相がまったく異なる。ファン無視と、したり顔でのたまうテレビコメンテータもいるが、スト=庶民の敵のような古いアタマは捨てたほうがいい。
さて、プロ野球ストライキについては私なんぞが書かなくてももっと適材の方がたくさんいるだろう。それより、友部だ。友部正人といえば独特なトーキング・ブルースで、大変すばらしい個性のヒト。一度聴いたら忘れない音楽だ。若いファンも出てきているようだし。
坂本龍一がデビューするきっかけになったヒトでもある。友部が、ガンガンピアノを弾いてるヤツ(=大学院在学中の坂本)がいると聞いて、「ちょっと今度のレコーディングに付き合わない?」程度の軽いノリで演奏を依頼したとか。今となってはその音楽性のあまりの違いに「まさか!?」と思ってしまいそうだが、「誰もぼくの絵を描けないだろう」というレコードのジャケットに写っているんだから本当だ(笑)。この坂本龍一の伴奏は現在「友部正人ベスト・セレクション」で聴ける。
先にあげた「にんじん」も名盤だが、個人的にはファーストの「大阪へやって来た」が秀逸だと思う。
最初に聴いたとき。一曲目、タイトル曲の「大阪へやってきた」のかっこよさに全身鳥肌がたった。「詩のボクシング」にも通じるような世界だ。また他の楽曲でも「まちは裸ですわりこんでいる」「公園のベンチで」などなど、秀作がそろっている。このアルバムがデビュー作というのはかなり衝撃的だったのではないだろうか。
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