年金法案 カモにネギをしょわせる制度へ
昨日の朝日ニュースター「ニュースの深層」のゲストは『年金大崩壊』の著者、岩瀬達哉さんだった。年金問題の本当の悪を追求している第一人者だと思う。
大変複雑に見える年金制度だが、簡単に言うと通常の年金制度とは「国民が預けて、老後に受け取る」というシンプルな制度だ。だが日本の年金制度は、「国民が預けて、役人が好きなように使う」という制度である。外国の年金研究者が「なにをやってはいけないかがわかった」というだけのことはある。日本の年金制度は反面教師として社会貢献しているらしい。国民は実験台のモルモットである。
役人以外の加入者はただひたすらカモられているだけである。詐欺以外の何ものでもなく、役人の“中抜き”を禁止する法案に改正すれば増額せずとも持つというのだがら、いかに今回の年金問題がわれわれを小バカにした茶番かがわかる。どこを向いて政治が行われているかをあぶりだしたという意味でも反面教師だ。
「国民をカモにしてきた制度」が「カモにネギをしょわせる制度」になるわけだ。詐欺で刑事告発できないものだろうか。
政局サイボーグ小泉純1号は、強行採決の光景を静かに眺めていた。これが普通の政治屋ならば腹の中で笑いが止まらなかったと推察するが、サイボーグには感情がないのでお得意の演劇鑑賞のテイに近かったかもしれない。当然、西川きよし議員の引退の花道なんてことまで頭にあるはずがない。感情はないのだ。
まあ、国民の皆様が選ばれた人々のなさることなので傍観するしかない。ただ、年金制度そのものが詐欺であり、政治屋は利用され、国民もカモられていることを見るにつけ、この時代にこの国に生まれた無念が身にしみるだけだ。
かつて“一億総はくち”と呼ばれたが、いまや総マゾヒストといえる状態だ。ムチで打たれても、黙って組織票に加担する。もっとカモられたいわけだ。お代官様、まだまだ財布に余裕があるんでもっと絞り取ってください!といつまで言い続けるのだろう。こんなんじゃ時代劇にもならない。
負担を増やそうとする与党に対して、年金浪費役人を年金ドラッグ漬けの生活から立ち直らせるだけで増額せずとも制度を改善出来ることは、完全に異なる政策につながる。ハッキリ争点が見える。争点に出来るかどうかは野党の政策立案とプレゼン能力にかかっていることは言うまでもない。
かつて日本陸軍731部隊を題材にした『悪魔の飽食』(森村誠一)という衝撃の書があった。年金問題は現代の「悪魔の飽食」と言ってもいいくらいの悪事に思える。違いはその餌食になるのが日本国民だということだ。これを平和と福祉の党が率先してやろうとしているのが恐ろしい。
年金崩壊する前に日本が崩壊するんで、年金議論はあまり建設的ではないかもしれないが、しかし悪事が隠蔽されたまま死にたくないではないか。正すべきは正すという矜持くらい持っていたいと思う。
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